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第3話「雑魚敵との死闘」


宿屋で一晩を過ごし、ラバンの指定した場所へヨシハル達は向かった。


「アンタがラバンの旦那の言っていた初心者冒険者かい?」

「足を引っ張るのだけはやめてくださいよ~」

「良いじゃねーか人手が足りなかったんだからよー!」


ラバンが面倒をみている冒険者チーム・グローリーゴールドである。

リーダーの女冒険者・リサ、魔法使い〈Lv18〉。仲間の1人、ゴブリンのトム、賢者〈Lv13〉、そして、サイクロプスのジョン、重戦士〈Lv9〉の3人である。


「アンタらもついてないねえ。ラバンの旦那にこきつかわれるとはさあ」

「そうですよ~。アイツ善人ぶっているけど私らをこき使う狸おやじだし~。報酬も自分の取り分とか言って多めにとるのよね~」

「だけどラバンさんは見ず知らずの私達を助けてくれましたし…」

「それがアイツのやり方だよ!」


リサは金切り声をだしていった。


「ラバンの旦那はそうやって恩を着せて逃せないようにするんだよ! アイツは一度捕まえたら簡単に逃さないのさ! 私らも未だにあいつの安い報酬の依頼を受けて…」


「そりゃ心外だぜリサ」

「ひえ!? ラバンの旦那!?」


いつの間にかラバンが後ろにおり、リサとトムは振るえてジョンに抱き着く。


「オレがいなきゃおめえらは賭博の借金の方で魔王軍に奴隷として売られるところだったんだぜ? 報酬の一部は借金の完済にあててやってるんだし、むしろ感謝してほしいくらいだぜ。魔王軍の奴隷になった奴らは哀れだぞ。死ぬまで採掘所からぬけだせねえんだ」

「採掘所…」

「それにトムとジョン。お前らは魔王軍と勇者の戦いから逃げた臆病者だ。奴らはお前らを敵前逃亡の反逆者として見つけ次第始末するだろうよ」

「だってよお~私らじゃ勇者に対抗できないですよ~」

「俺も戦うの好きじゃない…」

「お前らみたいな叩けばホコリが出る札つきを雇ってやってるんだ。こんな慈悲深いことはねえだろ?」


不敵な笑みで3人をみるラバンと怯える3人。


「そうよ! 旦那は義理人情のある世界一のイケメンだわ!」

「ラバンの旦那はホント理想の男でさあ~!」

「ラバンの旦那最高!」

「調子のいい奴らだぜ」

「ハハハ…」


このラバンの手のひらで転がされている3人はストーリーに時折出て来て助けたりしてくるので長い付き合いになる。


「ところで2人共、冒険用の道具と服を用意したからそいつに着替えな」

「ありがとうございます!」

「感謝する!」


ヨシハルとツバキはそれぞれ冒険者の服装に着替えた。


ヨシハルはオーソドックスな冒険者の服装。ツバキは作った設定通り巫女服を着た姿だった。


「今はそれしかなくてな」


そもそもカスタムしたキャラの設定通りの服が出てくるのでここは問題ない。


〉〉プレイヤースキル解放

・キャラ設定確認

・「目出し」スキル取得。


ここで脳内に機械音声でプレイヤースキル解放が言い渡される。冒険者ギルドになるとプレイヤーはキャラクターの設定確認と「目だし」ができるようになる。「目出し」はその時出した目がある時、サイコロを振るとその目が出しやすくなるスキルである。スロットで言う所の目押しのような効果である。

このスキルは戦闘で重宝するのでありがたい限りだ。


(今の状態はどうなのだろう?)


自分とツバキのキャラ性能をチェックする。


遊佐ヨシハル 〈Lv1〉

職業:冒険者

HP:19 攻撃力:8 守備力:7 魔力:11 素早さ:9 幸運:3

経験値:後10でレベルアップ

装備:冒険者の服、回復のダイス5個

誕生日:8/24 身長:155センチ/体重60キロ 男性

年齢:15歳



(設定そのものになっている。見た目も若返っているし)


見た目はアラサーでポッコリお腹の体系だったが、背の低い細マッチョの童顔メカクレ主人公になっていた。


竜宮院ツバキ〈Lv2〉

職業:冒険者・巫女

HP:25 攻撃力:11 守備力:8 魔力:30 素早さ:8 幸運:2

経験値:後20でレベルアップ

誕生日:2/14 身長:172センチ/体重71キロ 女性

スリーサイズ: B:110 W:79 H:92 

年齢:19歳



ツバキのデータもしっかりと反映されていた。

ツバキの方が、レベルが高いのは、主人公は基本ステータスが低い設定であるため仲間のキャラクターはレベルが高く設定されている。

主人公の名前の「遊佐」は固定なので帰ることが出来ない。



(まあ、序盤は何とかなると思うけど…たしかなあ…)



ラバンの依頼を受けて5人は早速、ある場所に向かおうとしたが。


「あー! お兄ちゃん冒達険者だろう! オレの依頼受けてくれない!?」


坊主頭の小学生くらいの男の子が現れた。


「アタシたちは仕事で忙しいのよ」

「頼むよー! オレの飼っていた犬がいなくなってさあ…」

「そんなの他に頼んでくれ! 私たちはもう依頼を受けて…」

 トムはそう言って断る。

「おじちゃんとおばちゃん達には頼んでないよ!」

「きー! 誰がおばちゃんよ! 私達は先に行くからアンタ達が受けなさいよ!」


腹をたてたリサはヨシハル達を置いて先に行ってしまった。


「どうするヨシハル?」

「ほおっておけないし、探してあげましょう」


というわけでこの坊主頭の少年、カンブリオの依頼を受ける事にした。一見すると大したことない依頼だが、実はラバンの依頼にも関わる内容である。


「カンブリオー!!」

「ゲッ! 父ちゃん」

「ばっかモーン! あれほどペットを飼うなと言っただろう!」


そう言って大声を出した男はカンブリオに拳骨を入れた。


「今うちがどれだけ苦しいかわかっているだろう! ただでさえ復興が困難で資材難だというのに! しかもそのペットにダンジョンの鍵を奪われるとは! わしは何と言ってラバンさんに謝れば…!」

「ダンジョンの鍵?」


「おーいウェイブさーん! そんな大声出してどうしたんだい」

「ああ、ラバンさん! バカ息子がとんでもないことをしまして!」


彼のは魔術師ウェイブ。この町の外部にあるダンジョンの管理をしており、よほどの用が無ければ結界の鍵をかけて他の冒険者や魔物が入らないようにするらしい。

ラバンの許可があれば鍵を開けて開放するが、そのために必要なカギをカンブリオが家族に隠れて飼っていた犬に取られてしまったのだ。


「まあ、ガキのやったことですからそんな怒らないでください。最悪カギは作り直せばいいわけだし…」

「すいません本当に! カンブリオ! 絶対にカギを探して見つけてこい! 見つけてこなきゃ家には入れんからな!」

「俺一人じゃ無理だよ父ちゃん!」

「そうですぜウェイブさん。そこにいるヨシハル達と行けば大丈夫でしょう」

「すいません、冷静さをつい失って…」


こうしてカンブリオと共に犬探しをすることになった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 


「どこら辺に逃げたかわかる?」

「多分町はずれの、ロマロン林に言ったと思うんだ。あそこは木の実もあるし隠れる場所もあるしさ」


ロマロン林は食料になる木の実がある唯一の林である。魔物もでるがレベルはそこまで高くないので、初心者の冒険者を連れても立ち入れる場所だ。


「タロー! タロー!!」


カンブリオは犬のタローを探しにかけていく。


「おい! 危ないぞ!」

「追いかけないと」


ヨシハル達はカンブリオを追いかける。


「うわああ!」


カンブリオは案の定魔物と遭遇した。これがこのゲームの初エンカウントである。


【くりピンA、くりピンBが現れた!】


栗のような見た目に1つ目のモンスターくりピン。最初の設定では「くりちん」という名前にしようとしていたが、ギリギリアウトな名前だったので却下されたらしい。


【くりピンAは『ファンブル』を唱えた! 互いに1ダメージしか与えれなくなった】


「なに!」


くりピンの厄介な呪文が発動された。『ファンブル』は出目が失敗扱いになりダメージが1しか互いに与えれなくなる呪文である。ダイスロールに成功しても意味がなくなる。


【くりピンBはスキル『呼び笛』を使った。くりピンCが現れた!】


そしてもうひとつ『呼び笛』のスキルだ。これで増殖し倒すのに時間がかかる。ダメージの減少と増殖の能力を駆使して冒険者の足止めを行う厄介な敵で、序盤の敵とは思えない強さを持っている。

救済アイテムの存在もあるが、序盤では所持できないのでこのくりピンを倒すのに苦戦し、犬探しのクエストに1時間かかる場合もあるのだ。


「ええい! 力押しで倒すぞヨシハル!」

「はい! 」


ゲームで言うと10ターン位かかったが何とかくりピン達を倒した。


【ヨシハルとツバキは経験値を3もらった!】


おまけに経験値も安いのでホントに気力だけ奪う敵である。


「はあはあ…」

「カンブリオ君。頼むから1人で行動しないで」

「わかったよ」


カンブリオを後ろに連れて歩き出すと


【くりピンAが現れた】


再び敵のエンカウントが始まる。このゲームのエンカウント率は他のゲームの3倍ともいわれ、3~5も歩けば自然とエンカウントすることが度々あり、酷ければ1歩歩いただけでエンカウントすることもしばしばあった。


「くっ! だが一体なら相手になるぞ!」


【ツバキの攻撃! 攻撃判定ダイスロール】


ダイス:4


攻撃成功は4・5・6を出せば成功で、1・2・3で失敗になる。確率50パーセントで、外れるとどれだけ攻撃力があろうと無駄になる。


【攻撃成功! くりピンに15ダメージを与えた! くりピンAは倒れた! 経験値を1得た!】


「ふふっ! 攻撃が出来ればこっちのモノだ!」

「そうですね」


そして再び歩こうとすると、


【くりピンA、くりピンB、くりピンCが現れた!】


「うわああああ!」

「…これはまずいですね…」


倒しても倒してもエンカウントで湧いてくる厄介な敵、くりピンに苦戦しながらもヨシハル達は林の中を進んでいった。




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