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第四話 最初の仲間とユニークスキル

「えっと………どなた………?」

俺は声をかけてきた青年にそう言う。

「おっと、自己紹介を忘れていたね、僕は『エルシオン•ライトベル』。天職は『神官』で、君と同じくさっき冒険者登録を終えたばかりの新人冒険者さ。」


青年……もといエルシオンは自己紹介を終えると、改めて自分とパーティを組まないか提案してきた。

「改めて、僕とパーティを組んでみないかい?同期の冒険者でパーティを組んだほうが気が楽になると思うし。」

「う〜ん、でも急にそんなパーティを組まないかって言われてもな………お互いのことも何も知らないいからな………」

「別にいいんじゃないですか?」

本当にエルシオンとパーティを組んでもいいのか少し悩んでいると、受付嬢さんがそう言ってきた。


「むしろ、神官の天職を持つ冒険者さんはとてつもない優良な人材ですよ!回復魔法を使えるのでいろんな冒険者から引く手数多になるほどパーティに欠かせない存在です!」

「お、おう…………」

少し熱弁気味の受付嬢さんに少し引きながらも、俺はエルシオンとパーティを組む有用性を考える。

(確かに回復魔法を使えるのはいいな。回復魔法があるのとないのじゃ生存率は段違いだ。よし、なら答えはひとつだ。)

「わかった、エルシオン、君とパーティを組むことにするよ。俺は村上 幸一。幸一って呼んでくれ。」

「ああ、これからよろしくコーイチ。あ、それと、エルシオンじゃ長いからエルでいいよ。」

「わかった、よろしくエル。」

こうして俺は、冒険者登録を終えてから早々、神官の天職をもつ冒険者エルとパーティ組んだのであった。



◆ ◆ ◆



「それじゃあ、せっかくパーティを組んだんだし、お互いのステータスの情報を共有してみようか。お互いの弱点を知っておけばそこらあたりを補いやすいからね。」

「なるほど、よし、ならステータスボードを出すとするか。」

俺たちはお互いの『ステータスオープン』と言い、ステータスボードを出現させる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:ムラカミ コーイチ(村上 幸一)

天職:万能者

Lv:1/100

HP:150/150

MP:80/80

力:60

攻撃魔力:50

回復魔力:40

防御力:120

素早さ:50

器用さ:50

運:0

スキル

•カウンター(Lv:1) •炎魔法(Lv:1)

•水魔法(Lv:1) •風魔法(Lv:1)

•光魔法(Lv:1) •不幸体質

ユニークスキル:逆転の力 ULP(アンラックポイント):3

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:エルシオン•ライトベル

天職:神官

Lv:1/50

HP:120/120

MP:145

力:30

攻撃魔力:30

回復魔力:100

防御力:40

素早さ:75

器用さ:50

運:65

スキル

•回復魔法(Lv:1) •補助魔法(Lv:1)

•神聖魔法(Lv:1) •高速魔法構築

ユニークスキル:先見の目

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(エルのステータスはMPと回復魔力が高いまさしくヒーラーって感じのステータスだな。というかしれっと補助魔法も持ってるうえに神聖魔法とかいうなんか凄そうな魔法があるし………てか高速魔法構築って何!?)

エルのステータスに表示されているスキル一覧を見て、見るからに強力そうなスキルがあって『不幸体質』とかいうゴミスキルを持っている以外普通そうなスキルしかない俺が小物に見えてきた。


「へぇ〜流石は万能者といったところか。かなり防御力が高い傾向にあるけどステータスのバランスが取れてる。あれ、でも運のステータスが0って………あ、なるほど、そういうことね。」

エルが俺のステータスを見ていると運のステータスが0の理由をスキル一覧を見て察していた。

(はいそうですよ、あのクソスキルのせいで運が0なんですよ!なんか文句あるかチクショウ!)

俺が心の中で悪態をついていると、自分のステータスのスキル一覧のところに気になる項目を見つけた。


(ん?なんだこれ、ユニークスキル……?)

不幸体質スキルの衝撃ですっかり見落としていたがスキル一覧の一番下にユニークスキルという項目があった。

(『逆転の力』ってなんだ?俺のユニークスキルみたいだけど………ちょっと詳細を見てみるか)

ユニークスキルについて気になった俺は、ユニークスキルの項目をタップしてみる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『逆転の力』

その身に受けた不幸を力として蓄積し、それを解き放つことによって常人離れした力を発揮することができるユニークスキル。不幸を力に変えて強化されたその体はあらゆる敵を粉砕する。

〈効果〉

•不幸に遭うたびにそれをULP(アンラックポイント)として蓄積する。

•発動中、全てのステータスが5倍になる。ただし、発動中は1秒につきULP(アンラックポイント)を1消費する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(………なんじゃこりゃ………)

俺はそのユニークスキルの説明文を見て、目を疑った。しかし、何度見直しても説明文の文章は変わらない。

(………いや、発動中はステータスが5倍になるのはぶっ壊れだとは思うけどね。あえて言わせていただきたい………これ、俺が不幸に遭い続ける前提のユニークスキルじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?)

俺は心の中で絶叫した。

(あのクズ女神ィィィ!あいつ俺をまともに異世界で生かせるつもりないだろ!?どう見ても完全なネタスキルじゃねぇか!?効果は破格だけども!!)

俺は自分のユニークスキルのネタスキルっぷりを見て、これを与えたであろうあのクズ女神をとにかく恨んだ。


(ちくしょう!ならエルのユニークスキルはどうだ!どうせあのクズ女神のことだ、エルのユニークスキルもネタスキルだろ!)

そう思いながら俺はエルのユニークスキルの項目をタップし、詳細を見た。

だが、それを見て俺は膝から崩れ落ちることになる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『先見の目』

ときどき未来に起こることを予知することができるユニークスキル。任意で使うことはできないが、未来予知で仲間を救うことができるかもしれない。

〈効果〉

ときどき数秒先の未来を予知することができる。(任意発動不可)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(不確定要素強いけど充っ分有用なユニークスキルじゃねぇかこんちきしょうめ!!!なんなんだこの落差はよぉ!!!?)

俺はユニークスキルの有用さの格差にショックを受けた。

この明らかに不公平な格差に俺のクズ女神への怒りは頂点に達していた。

(あのクズ女神を殴れるなら気が済むまで殴り続けたい…………!!)

そんなことを思っているとエルから声がかかった。

「コーイチ、君が変なリアクション取るたびに周りから凄い変な目で見られてるよ?」

「え?あ……………………」

エルの言う通り、俺は他の冒険者たちから何か変人を見るような目で見られていた。

俺は急に恥ずかしくなって思わず顔をうつむかせた。

そして、そんな中、空気が読めない通知がひとつ。

《他の冒険者から変人を見るような目で見られ、恥ずかしい思いをしました。ULP(アンラックポイント)を2獲得しました。》


(おおい!!?天の声空気読めぇぇぇぇぇぇ!!!)

お読みいただき、ありがとうございます!面白いと感じたら、高評価を是非ともお願いいたします!!m(_ _)m

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