サティウス探訪始動
この世界で、生き抜く為に必要な加護は与えたけれど、平和ボケした日本のそれも中学生の二人には、ここは危険な世界だ。
守護神の立場上、余り肩入れ出来ないルールだがあの二人を直ぐに独り立ちさせるのは、どう考えても無理がある。
折角この異世界で、生き抜く気持ちになってくれた二人が、その日に殺されたのでは、余りにも不憫で居たたまれない。
初日、彼等は危険な状態だった。強い獣の集団に殺されそうだった。緊急危機回避策として、彼等の活動圏を安全に確保する為に、地殻を隆起させこの世界で生き抜く為に必要な経験をさせることにした。
この半月で、自立意識は向上した。進化の加護の活用も、サバイバル生活で生き抜ける最低レベルには達した。
そろそろ、本格的な実戦訓練を始めさせる時が来たかな?まあ、やらせて見ないと先に進めないしあの二人、意外とこの世界に順応する才能があるようだ。地殻を元の高さに戻して、二人に冒険を始めさせよう。
「莉沙!さっきの揺れのお陰で、高台が下がったんで俺達この森を抜け出せるかもしれないな。」
「そうだね!加寿にぃ、あの崖降りる方法に悩んでいたもんね。」
「あの崖、30メートル以上有ったんじゃないか?あそこを降りるのシルバー抱えて無理じゃないか!」
「確かに、あたしも降り方が思い浮かばなくて、困ってた。」
俺達は、何故かツキがある様だ。何か問題が生じると、何故か?暫く経つとその問題を解決する何かが現れる。
「莉沙!俺達ツキ過ぎてない?」
「そうだね!守護神も付いてるし!でも、あれ?そう言えば、
進化の加護を授かってから、守護神様現れないよね???」
莉沙に言われてみると、あの日から守護神は、俺達に声を届けて来なくなった。
「寝てるかもな(笑)」
「そうだね!守護神眠そうだったものね(笑)」
「ガウガウ」
シルバーも同意したかのように、俺達に吠えてみせた。
俺達は、初日高台から見えた森の外れを目指す事にして、行動を開始した。
俺達は、森の中をひたすら歩き続けた。幸いなことに、危険な獣に出会うこと無く1時間程歩くと森の開けた場所にでた。
「ねぇ、加寿にぃ。ここの世界の人って、どんなだろうね?」
「何か想像つかない様な危ない化け物以外なら良いけどな。」
「そうだね!加寿にぃみたいな、あたしを大事にしてくれる人達ならいいな~。」
(そう言って加寿にぃを見たら、何?加寿にぃ顔が赤いよ???
えっ!照れてるの???加寿にぃ!何か言葉を返しなさいよ!)
(あたしまで恥ずかしくなるじゃない…)
莉沙もなんだか嬉し恥ずかしで、二人共沈黙が続くのだった。




