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太古さんの正体

この世界そっくりのオンラインゲーム、D・W・Dを制作した大手ゲーム会社のプログラマーが、なぜこの世界にいるのか、わからず戸惑っていると、スーツ姿の太古が話しかけてきた。


 「すみませんが、場所を移動して話しませんか?、フランさん」


 「えっ、あ、うん。治療が終わるまで、少し待ってください」


 疑問は多いが、とりあえず怪我人の治療を終えてから、人気のない場所に移動する。


 「お久しぶりです、フランさん」


 「そうですね。前にあった時は、喫茶店でしたか。あの時もらった、真竜王キャラのデータは大変役に立ちました」

 

 「………それは何よりです」


 「あの、質問が沢山あるのですけど?」


 太古は詰め寄って話すフランを、両手で押しとどめて、ゆっくりと話し出す。


 「わかっています。出来るだけ、質問に答えますから。まず、話をする前に、私は人間ではありません」


 「えっ!?」


 「私の正体は、異世界を転移する種族です。種族の名前と本名は、長いので気にしないで下さい。今まで通り、太古と呼んで頂きたい」


 「…………………?」


 「何から話したら良いか、………まずは、一番の疑問だと思っている事を話します。フランさん、実はあなたをこの世界に転生させたのは、私です」


 「えぇーー!!、本当ですか!?」


 「あなたが落雷で、感電死した事をニュースで知りました。以前、生まれ変わったらD・W・Dの世界に行きたいと、言っていましたよね。私は望みを叶えるため、この世界に転生させたのです」


 「落雷で死んだ。…………………じゃあ、このフランの体はどうしたのですか?」


 「私は、ホムンクルスの様な人工生命体を、作り出す知識と技術を持っています。フランの体を作り、以前の体から脳を取り出して、移植しました」


 「…………………」


 驚きすぎて、少しの間放心していたが、立ち直ると手を上げて質問をする。


 「どうして、死んだ僕を助けたのですか?」


 「私がこの世界に似せて作ったゲームを、愛してくれたからです」


 「…………………そうですね。確かに夢中でした」


 「以前、会った時に言いましたが、ゲームに一億円も課金してくれる人が、現れるとは思いませんでした。私の苦労が報われた、あの感動は忘れられません。今回の事は、恩返しと思ってください」


 「太古さんは、何者なんですか?。異世界を転移する種族の事を、詳しく教えて欲しい」


 「異世界を何時でも自由に転移できる、私たちの種族の存在意義は、異世界で手に入れた知識や技術を、他の異世界に持ち込んで、発展させることです」


 腕を組んで熟考したがよくわからないので、再び手を上げて質問をする。


 「具体的には、どういう事なんですか?」


 「例えば、この世界にはラーメンがあります。これは、私が異世界の地球から持ち込んで広めました」


 「なるほど、だからこの世界に日本風の食事があるのか」


 「逆に、この世界の農業技術を地球に持ち込んで、広めた物もあります」


 「じゃあ、なんでこの世界に、ビルとか原子力発電みたいな物は無いの?。地球に魔法が無い理由は?」


 フランの質問に、太古は軽くため息をついて答えた。


 「危険性と、異世界の独自性を保つためです」


 「危険性?、独自性?」


 「例えば、地球に魔法やドラゴンを持ち込んだら、どうなるか想像できますよね?」


 「それは、とても危険だと思う」


 「地球は、魔法が無くドラゴンもいないけど、ビルや原子力のある世界。この世界はビルは無いけど、魔法がある。似ているけど、違う独自性がある。これが、大切なのです」


 「なるほどね。確かに、何でも取り入れるのは、良くないと思う」


 「ただし、例外もあります。種族の中には、悪意を持って危険な知識や技術を広め、異世界を破滅させようと考える者がいます」


 「例えば?」


 「この世界の大昔にあった、マシン国に過剰な知識と技術を与えて、大戦を引き起こしたのは、私たち種族の悪意ある者です」


 太古の話を聞いて、フランは一つの可能性に辿り着く。


 「まさか、今回の竜封石を壊している者は、太古さんと同じ種族?」


 「…………はい、そうです。間違いなく、種族の悪意ある者が犯人だと思います」


 「犯人はどこ?、どうすれば、止められる!!」


 妖狐族を壊滅させた犯人に対する怒りから、スーツの胸倉を掴んで怒鳴るフランに、太古は落ち着いた声で話しかける。


 「待って、落ち着いてください。犯人を見つけるのは、難しいのです」


 「どうして!!」


 「私たちの種族は、姿を自由に変えられるのです。ですから、犯人がどの様な姿をしているか、見当もつきません。鳥や犬の姿をしている、可能性もあるのですよ」


 「人の姿をしていない?」


 「例えばの話ですよ。見ていてください」


 太古はフランの前で、女性やニワトリなど様々な姿に変身して見せた。


 「…………………ねえ、犯人を見つける手掛かりはないの?」


 「悪意ある者は、種族の恥です。私が必ず捕まえますから、安心してください。手掛かりは、掴みましたから」


 太古は、ポケットからキラキラ光る板の様な物を、取り出してフランに見せる。


 次回予告


 「ねえ、ムーチャシー。この光る板、何か分かる?」

 「えっ、これは、なぜフラン様がお持ちに?」

 「犯人の手掛かりらしい」

 「…………………そうですか」

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