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妖狐族の生存者

 目を開けたマアハは、意識がはっきりとしていないのか、ぼーっとした表情でフランを見つめ話し出す。


 「フラン様?、どうして」


 「マアハ!!」


 泣きながら抱きしめると、マアハは次第に意識がはっきりとして来たらしく、顔を赤くして言葉に詰まってしまう。


 「あ、あ、あの、フラン様どうして、ここにいるのですか?」


 「嫌な予感がしたから、すぐに追いかけて来たんだ。でも、間に合わなかった。ごめんなさい、僕が伝令を頼んだせいで、マアハを失うところだった」


 「気にしないでください。助けてくれたのは、フラン様ですよね?。………助けに来てくれる事を願っていましたが、本当に来てくれて嬉しい、です」


 「マアハを傷つけた呪い竜は、全部倒したから安心して」


 「そうですか。…………………あっ!、フラン様、この近くに助けた女性が隠れています。ひどい火傷と怪我をしていますので、早く治療しないと」


 「わかった。ネムレス、この近くに隠れている女性を見つけて」


 「了解です」


 少しの間、周囲を探していたネムレスが、女性たちを見つけ戻って来た。


 「発見しました。案内します」


 「ありがとう、マアハはここで休んでいて、女性達を治療してくる」


 案内されて森の中を歩くと、草陰に隠れていた女性3人を見つける。

 1人は背中にひどい火傷を負っていて、もう1人は全身にひどい火傷を負っていた。最後の1人は、胸から大量の血が噴き出し、血塗れで倒れている。


 「ひどい!、早く治療しないと死んでしまう」


 (エアリー、チェンジ!)


 「まずいな、時間が無い。全員まとめて治療しないと、広範囲大回復魔法!」


 瀕死の女性達は、回復魔法で治療を始めたが怪我の治りが遅く、ぐったりして動かない。


 「死ぬな!!、極大回復魔法!」


 必死に治療をしていると、2人の火傷が治り元の体に戻っていく。大量出血していた女性は血が止まり、顔に血の気が戻って来た。


 「…………………なんとか、3人の命を救えて良かったぁ」


 怪我の治った3人の容態を見守っていると、2人の女性が意識を取り戻す。


 「……………えっ!?、生きている?。…………多摩様!、大丈夫ですか!」


 「……………うっ、体が痛い。…………あれ、痛くない?、火傷が治っている。……………あっ、多摩様!」


 意識を取り戻した2人は、フランとネムレスに目もくれず、多摩の傍に近寄って何度も声を掛ける。


 「多摩様!、お願いです。目を開けてください!!」


 「かえで、大丈夫。傷が治り、脈も安定している。だから、すぐに意識を取り戻すはず」


 2人の心配する声に応えるように、多摩の意識がゆっくりと戻っていく。


 「……………うぅ…………………あれ、かえで?、紅葉?…………私はどうして、…………まさか、生きているのか?」


 『多摩様!』


 多摩に抱きついて大泣きをする2人を見て、フランは声を掛けるタイミングを失う。しばらく様子を見ていると、多摩が気付いて声を掛けてくる。


 「あなた達は誰ですか?」


 「僕はフラン、こっちはネムレス。ねえ、体の調子はどう?」


 「フラン?………えっ!、ヤーサシークシー様の旦那様ですよね?。ムーチャシー様から、話を聞いています」


 立ち上がろうとした多摩が、転びそうになったので、傍にいた女性が慌てて支えた。


 「無理をしないで、怪我を治療したけど、体力はまだ戻っていないから」


 「フラン様が助けてくれたのですか?、感謝いたします」


 多摩が頭を下げると、傍にいた2人も感謝の言葉を話す。


 「お初にお目にかかります。私は、妖狐族の族長、多摩と申します。以後よしなに」


 「多摩様の侍女、かえで、です」


 「医者の紅葉だよ」


 かえでは、短くて黒い髪の小柄な女性で、紅葉は、少し長い茶髪の女性だった。

 多摩は、美しい金髪と胸が大きいのが特徴的で、神秘的な美しさを持っていた。

 3人は、妖狐族特有の狐の耳と尻尾を持っており、不安なのか耳と尻尾をせわしなく動かしている。


 「フラン様、ムーチャシー様は、到着なされたのですか?」


 「えっ、こっちに向かっているの?、知らなかった。ネムレス、到着までどの位時間が掛かりそう?」


 「…………最低でも、1日は必要です」


 「あの、フラン様。すみませんが、逃げた妖狐族の子供達を探してくれませんか」


 「もちろん、すぐ探してくるから、動かないで待っていて」


 マアハに子供達を探してくることを伝えると、フランはドラゴンの姿で飛び立つ。


 次回予告


次回は、マアハが多摩を救出した時の話を、書きたいと思います。


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