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調査に出発

 慌ただしく準備をして出発の時が来ると、フランとネムレスの見送りに、みんなが集まって来た。


 「ヤーサ、僕がいないと宿を使用出来ないけど、大丈夫?」


 「ええ、大丈夫ですよ、心配なく。私の天空城にある屋敷がありますし、食料、建物、共に用意してきましたから」


 「あの、話の途中で失礼します。フラン様、伝令としてマアハをお連れ下さい」


 ヤーサと話をしている途中で、ノンがグリフォン族の女性をフランの前に押し出す。


 「フラン様、マアハは飛行速度に優れているので、伝令に最適です」


 「そうなんだ。えっと、マアハよろしくね!」


 気軽に声を掛けたが、マアハは緊張して表情が硬く、浮足立っていた。


 「は、はい!。足手まといにならないよう、頑張ります!」


 「旦那様、目的地の場所は分かりますか?」


 「マップスキルがあるから、迷子にならないよ。まずは、デスカの地上絵の調査に向かって、次に竜封石の一つを守っている妖狐族の集落に、異常がないか調査をして来るよ」


 「そうですか。何かありましたら、伝令を忘れないでくださいね?」


 「ああ、分かった。異変があったら伝令を出すから、助けてくれないか。調査をする場所が二箇所だから、少し時間が掛かるけど心配しないで」


 「はい。あと、お母さまのなわばりを描いた地図を渡しますから、確認して飛んでください。なわばり以外を飛ぶと、他の竜王と問題になりますよ」


 フランは見送りのみんなに話しかけると、ドラゴンの姿に変身し、ネムレスとマアハを背に乗せて飛び立つ。


 デスカの地上絵を目指し、高速で飛んでいると、マアハが気まずそうに話しかけてくる。


 「すみません、私も飛んだ方が良いですか?」


 「飛ぶよりも伝令のために、体力を温存する方が良いから、気にしないで。それより、振り落とされないように、しっかり捕まっていてね」


 「はい!、分かりました」


 「ネムレスも、しっかりと捕まっていて。速度を上げるよ!」


 「了解です」


 休む事なく飛び続け、翌日の昼近くに無事到着した。

 地上に降り立つと、ネムレスはすぐに周囲を警戒したが、何も無い荒野の様な場所に、生物の気配は感じられない。


 「あの、フラン様。ここは草も生えていない荒野ですけど、何を調査するのですか?」


 「確か、上空から鳥の絵が見えるから、探してくれないか?」


 「分かりました。……………………………………あっ!、鳥みたいな絵がありました!!」


 「それじゃあ、鳥のくちばしに案内して!!」


 案内された場所に辿り着くと、マアハが不思議そうに聞いてくる。


 「この場所に意味があるのですか?。何も無いですけど」


 「古代竜がこの下に、何かを埋めたらしいよ。…………ネムレス、この辺りを調べてくれない?」


 「了解です」


 ネムレスの赤い瞳が強い光を放つと、周囲をくまなく見回す。


 「確認終了、地下に人工物を確認」


 「本当にあったんだ!。それじゃあ、今から穴を掘るから離れていてね」


 ドラゴンの力で豪快に穴を開けると、あっという間に大きな黒い箱が現れた。フランが近づいて確認すると、ジーボットたちがいた部屋と同じ物だと気付く。

 縦横、15メートル位の黒い正方形には古代竜の文字が刻まれていたが、フランには読めない。

 

 「う~ん、読めない。ネムレスは、この文字読める?」


 「了解です、…資格無き者は立ち去れ、強き竜のみ立ち入りを許す。以上です」

 

 「強き竜?、どういう事なんだろう。僕は真竜王だけど、ダメかな」


 考えても答えが出ないので、とりあえず前回と同じ様に、壁に手を当てて魔力を注入してみた。すると、壁の一部が消えて入り口ができる。


 「えっ!?、開いちゃった。…………………とにかく、中に入ろう」


 箱の中は薄暗かったが、夜目がきくため問題なく行動できた。中には、大きな石碑が1個あるだけで、他には何もなく、隠し扉を探したが見つからない。


 「オートマタは無しか、……………少し期待外れかな?。ねえ、ネムレス、この石碑を読んでくれないかな?」


 表情を変えることなく、石碑を見つめたネムレスが読み始める。


 我は真竜王、バハム、強き竜に思いを託す。

 マシン国、オートマタの存在を、君は知っているだろうか。おそらく、詳しくは知らぬであろう。マシン国との戦争で、多くの竜を死に追いやったオートマタの存在は、抹消しなければならないから。

 生き残った竜たちは、『全ての技術と歴史を抹消せよ』と、考えている。だが、我は一部残そうと思う。理由は、マシン国を操った真の敵がいると、考えているからだ。

 マシン国はたった50年位の間に、異常な発展を遂げた。特に、オートマタと言われる兵器は、1年で開発されたと考えられる。

 人間と言う種族は賢いが、これほど短期間に進歩するだろうか。我は、マシン国の人間に入れ知恵をした者がいると考える。

 真の敵について、少し気になる事がある。

 入れ知恵をした者は、戦争が負けそうになると、『また戻る』と、言って空飛ぶ船で消えていったらしい。

 また戻ると言うなら、未来でオートマタが作られるかもしれない。我はそれが心配だ、未来でオートマタと戦うなら、対抗手段が必要だろう。よって、マシン国の技術を二箇所に封印した。

 封印した場所を石碑に記すが、出来れば使用する未来が来ないことを祈る。



 石碑の内容に驚いたフランは、頭が真っ白になって立ち尽くす。


 


 次回予告

「マアハ、今すぐ妖狐族に伝令を頼む!!」

「ネムレスと僕は、妖狐族の集落に行く前に、封印した場所に行くから、遅れると伝えて」

「分かりました、妖狐族の集落に向かいます!」

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