さあ、旅を始めよう!
巨大なカマキリが暴れたので、森の中に鍛冶をするには丁度良い、開けた場所ができている。フランはその場所から、ポランに声をかけた。
「ポラン、今から鍛冶をするから離れていて、熱いよ」
(ラミ、チェンジ!)
名前 ラミ
サブキャクター12 レベル100
種族 女性 「ラミア レベル10」
職業 (ノ-マル)見習い職人 レベル10
(ノ-マル)鍛冶職人 レベル10
(ノ-マル)上級鍛冶職人 レベル10
(ノ-マル)最上級鍛冶職人 レベル10
(ノ-マル)錬金術師 レベル10
(ノ-マル)上級錬金術師 レベル10
(ノ-マル)最上級錬金術師 レベル10
(ノ-マル)料理人 レベル10
(レア)至高の鍛冶職人 レベル5
(USR)錬金術式鍛冶職人 レベル5
装備 ハンマー 布の服
容姿 156㎝ B85 W54 H89
髪色 オレンジ セミロングヘアー
下半身がヘビ
「うわ!、今度はラミアだ」
キャラチェンジで次から次へと、変化する事についてポランも慣れたのか、騒ぎつかれたのか分からないが、大騒ぎしなくなる。
「良し、鍛冶を始めますか。まずは、スキル『鍛冶場創造』」
森の中に、轟音と共に石造りの鍛冶場が出現する。
激しく鉄を叩く音と、金属をこする様な加工音が森の中に響き渡る。
「出来た!」
「お疲れです、先輩。それは何という武器ですか?」
「アイアンソード+6、素材が悪かったから、鍛冶レベルが高くてもこれが限界」
出来た剣を、興味深そうに見つめてくる。触ろうするが、やめて話しかけきた。
「+付きの武器は、価値が高いんですよ。それを簡単に作成してしまうとは、先輩は鍛冶職人で大金持ちになれますね」
「それもいいけど、僕は自由人でいたいな。いろんな場所に旅行して、絶景とか秘境を見てみたいから」
軽く笑って話しかけると、ポランは少し考えてから。
「絶景というなら、ここからだとマイアガラの大滝が一番近いですね。先輩行って見ますか?」
「うん、じゃあ最初はそこに向かいますか!」
ポランと夢中で会話をしていると、辺りが薄暗くなってきた。
「先輩、もうだいぶ暗くなって来たし、取り敢えず火を起こして、今晩の用意をしないと。夜の森は、危ないですよ」
周りに落ちている木を集めたりして、ポランはキャンプの用意を始める。
「ポラン、そんなことしなくても、大丈夫だから。僕に任せて」
「まずは、鍛冶場使用終了!」
フランが鍛冶場に声をかけると、音もなく鍛冶場が消える。
(メインキャラ、チェンジ!)
(場所は、鍛冶場があった場所でいいかな?)
「スキル『宿創造』」
地面を揺らす衝撃音と共に、小さな木造二階建ての宿が出現した。
「な、な、な、なぁ!。家、家、いぇーー!!。家が現れた!?」
あごが大きくはずれた様な、変顔をしたまま、ポランは固まった。
「家じゃなくて、旅人スキルで作成した宿だよ」
「はぁ…………本当に、何でもありですね」
「この宿は、優秀な盗賊系の職業でも、簡単には侵入できないんだ。それに、並みの城壁よりも堅いから、森の中でも安心だと思うな」
「宿、開店!」
宿の入り口に、フランが声をかけると、扉が静かに開いた。
「さあ、ポラン中に入って」
ポランが戸惑いながら中に入ると、フランがそれに続いて入る。
木の匂いがする木造宿の中は、明るく過ごしやすい適温だった。
とても快適そうな空間で、ポランはここが、森の中だと言う事を忘れそうな思いを抱く。宿の中をウロウロ、キョロキョロしているポランに優しく声をかける。
「ポラン、宿の中で自由に過ごしていいけど、外に出ないでね。自動的に鍵が掛かって、開けられるのは僕だけだから」
「先輩、お風呂はありますか?。私しばらく、入っていないんですよ」
「お風呂あるよ!。それと風呂場の近くにある箱に、汚れ物を入れて蓋をしめると、洗浄魔法『クリーニング』が発動して綺麗になるから」
「最高じゃないですか!。私、お風呂に入ってきます」
スキップをするような、軽い足取りでポランはいなくなった。
「ポランが、お風呂に入っているうちに、夕食を作りますか」
スキルで作成したこの宿は、一夜限りの使い捨てではあったが、食料品や生活用品が置いてあるため、旅の生活が格段に楽になる。そのため、スキル「宿創造」は非常に価値が高いとされた。
また、USR職業「伝説の旅行者」は、「宿創造」の最上位スキル「極上の温泉宿創造」を使用出来たが、巨大なので、ゲームでは滅多に使用はしなかった。
「夕食は、野菜炒めとサンドイッチにしよう」
(ラミ、チェンジ!)
料理人を修得しているラミの能力によって、簡単に料理が出来上がる。
(メインキャラ、チェンジ!)
「ラミアだと、台所が狭く感じるのが欠点だな。まぁ、贅沢な悩みだよなあ」
料理が出来てしばらくすると、お風呂から出て来た。
湯上りで、顔を赤くしたポランが、美味しそうな匂いのする料理を見つけて、嬉しそうに歩いてくる。
「美味しそう、久しぶりにまともな食事が食べられる」
ポランが、席に座るのを確認してから、食事を始めた。
「もぐもぐ……はぐぅ……うぐ…………おいひぃ……まひょもな……ごひゃん」
口に一杯の食べ物をいれて、飲み込む様に食べ続けるポランに、水を差しだす。
「ゆっくり食べないと、のどに詰まるよ」
凄い速さでポランが食べたので、食事はすぐに終わってしまう。
「ポランは今まで、どうやって森の中で食事をしてきたの?」
「それはですね、まーあれですよ。基本食べられそうな、草とか木の実などですよ。たまに、獣を倒して肉を手に入れてましたけど」
「運の良さに救われた、と言う事か。あっ!、食事の量は足りた?」
「いえ、お腹いっぱいです。久しぶりに、お腹いっぱいになりました。先輩、ありがとうございます」
お腹が満たされて満足したのか、ポランは少し眠そうにあくびをする。
「眠くなったら、二階の空いている部屋で眠るといいよ。僕はお風呂に入って来るから」
「先輩、お背中洗いましょうか?」
「な、な、なにを言っているの?。一人で入るから、来ないで」
「女性の姿になれば、恥ずかしくないじゃないですか、私の希望はネコマタでお願いします」
ポランの頭にチョップをしてから、急いでお風呂に向かう。
お風呂場で、体を洗っていると、ポランの言葉が頭の中に浮かんできた。
(フランの体だけ洗うのではなく、サブキャラたちの体も洗った方がいいのだろうか)
(いやいや、自分の体とはいえ、女性の体だしなぁ。でも、間違いなく、サブキャラたちは自分の体なんだよな)
(突然、女性の体に変身できる様になるなんて、考えた事もなかったしな。しかも20キャラ)
「良し、考えるよりも行動だ!!」
三時間後
ベットの上で、フランはぐったりしていた。
「つかれた~、よく考えたらサブキャラは、全員ヒューマン以外の種族のため、洗う所が多いし、女性の体を洗うのも初めてだから、時間がかかりすぎた」
(そうだ、眠りにつく前に、やることがあった)
趣味の日記を毎日寝る前に、書くことが習慣となっている。異世界に来たからと言って、日記を付けないのはおかしいと思い、部屋の本棚から日記帳を探し出す。
「白紙の日記帳があった!」
厚い白紙の日記帳があったので、使用することにした。
日記を書くために、壁にかけてある魔法のカレンダーを見ると、春の月5日と表示されている。
「春の月5日かぁ。D.W.Dでは、春の月、夏の月、秋の月、冬の月。それぞれ90日で、1年360日だったから、こっちの世界もそうなんだろうな」
「さあ、今日の日記を書こう。……いや、日記じゃないな、旅行記だ!。『フラン旅行記』を今日から書いていこう」
フラン旅行記 1日目 1年目 春の月5日
今日、理由は全く分からないが、なぜか異世界にいる。ゲームの世界に、迷い込んだ感じがする。
1億円も課金した、サブキャラを使用出来て良かった。ただ、女性の体になるのは違和感があるが、サブキャラを全員美人女性にして良かったと心から思う。間違って、おっさんとか老人キャラにしなくてよかった。
運良く?、異世界に来たのだから、世界中を旅してまわりたいと思う。長い旅になるだろうが、ポランがいると、楽しい旅になりそうだ。
ゲームとは違う、現実として魔物と戦うのは少し怖いが、メインとサブ全員レベル100だから、大丈夫と思いたい。
残念なのは、強力な武器と防具を失った事。早く素材を集めて、強化しないと心配だ。
うん、よく考えると、この世界にきて良かったと思う。
さあ、旅を始めよう!!
「出来た、これで良し」
旅行記を書き終わると、凄まじい疲労感で、深い眠りについた。
次回以降予告
「先輩、いよいよ旅の出発ですね、はやくこの全滅の森から出ましょう」
「えっ!この森は『全滅の森』というの」
「そうですよ、熟練冒険者が簡単に全滅するから、全滅の森と言うんです」




