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マシン国の暴走

 オートマタの危険性をフランに話すと、聞いていた女性たちが武器を取り身構える。その姿を見たムーチャシーとヤーサは戦闘態勢に入って、攻撃のスキをうかがう。

 フランも攻撃態勢を取ると、相手の女性を注意深く観察する。

 女性たちは、白磁の肌と赤い目が特徴的で少し怯えた表情をしていた。服装は、全員そろいのベレー帽と制服の様な服を着ていて、やや短いスカートからのびる足には黒いタイツを着用している。


 銃の様な物、光を放つ剣の様な物、ロケットランチャーの様な物を構えた女性たちと、一触即発の雰囲気になり緊張感が漂いだす。すると、両手を広げたジーボットが女性たちの前に出て、大きな声で叫ぶ。


 「待つのじゃ!!、今のわしらに敵意は無い!!。本当じゃ、話を聞いてくれ!」


 「えっ!」


 フランが驚いて攻撃態勢を解除すると、ジーボットは女性の方を向いて、強い言葉で武器を捨てるように指示を出す。

 ためらいながらも女性たちが武器を手放すと、殺気立っていたムーチャシーとヤーサが、次第に落ち着きを取り戻す。やがて、2人から完全に殺気が消えると、ため息をついたジーボットが、静かな声で話しかけてくる。


 「ふむ、先ずはわしらの歴史から話そうか、………今から5千年以上前、マシン国と言う人間の国があった。マシン国は機械の開発によって、飛躍的な発展を遂げていたのじゃ。特にオートマタの開発に成功してからは、世界最高の国と呼ばれる程じゃった」

 「じゃが、過度に発展したマシン国は、次第に横暴な国に変貌していくのじゃ。周辺国に対し無茶苦茶な要求をして、断られると即座に戦争を仕掛け、虐殺を繰り返しておったのう。その戦争で活躍したのが、戦闘専用オートマタなのじゃ」


 「戦闘専用オートマタ?。そういえば、あなたは悩み相談専用オートマタと言っていましたよね。違いは何ですか?、詳しく話して」


 ムーチャシーの質問に、ひげを撫でながら頷くとジーボットがゆっくりと答える。


 「本来、オートマタは日常生活を豊かにする為に作られたのじゃ。わしは、戦闘能力など持ってはおらぬ。出来ることは、悩み相談をする事だけなんじゃ。オートマタを戦争に使うため特別に作られたのが、戦闘専用オートマタじゃ」

 「戦闘専用オートマタは強く、マシン国は周辺国を壊滅させた後、世界制覇に乗り出すのじゃが、相手の国もオートマタの技術を盗み、戦争は戦闘専用オートマタ同士の、激しい戦いとなっていくのじゃ」

 

 昔の事を思い返したジーボットは、目を閉じてしばらく黙り込む。


「その戦争を終わらせたのが、ドラゴンなのじゃ。当時、世界を支配していたドラゴンは人間の暴走を許さぬ、と言ってオートマタを攻撃したのじゃが。人間は愚かでのう、ドラゴンを滅ぼして人間が世界を支配すると言い出しおった」

 「戦いは、ドラゴンが優勢じゃったが、人間がドラゴン用の戦闘専用オートマタを開発すると、戦況が変わりドラゴンが追い詰められていくのじゃ。じゃが、結局は人間が負けて、オートマタとそれに関わった者、開発技術や機材など全てが破壊されたんじゃ」


 話を聞いてムーチャシーは腕を組んで考え込むと、ジーボットに質問をする。

 

 「優勢だった人間の負けた理由は?、オートマタのすべてが破壊されたのに、あなた達は何故無事なの?」


 「負けた理由か、………そうじゃのう、簡単に話すと仲間割れじゃ。ドラゴンに勝てると分かったら、戦後の事が気になりだして、仲間割れを始めたのじゃ。そのスキにドラゴンが総攻撃を仕掛けて、勝利を収めたんじゃ」

 「ドラゴンは、オートマタの全てを破壊したのじゃが、例外があってのう。わしらの様に、戦闘能力の無いオートマタは破壊されず、封印されたんじゃ」


 「なぜです、危険なオートマタを破壊ではなく、封印した理由は?」


 「わからん。ドラゴンを追い詰めた、マシン国の技術を完全に失うのは惜しい、と考えたのかもしれんのう」


 ムーチャシーは深く熟考をして動かなくなり、ヤーサが声を掛けても反応しなくなる。やがて、真剣な表情でジーボットに話しかけた。


 「聞きたい事がある、竜封石を知っているか?」


 「…………………知らんのう。それは、なんじゃい?」


 「ドラゴンを封印する石です」


 「う~ん、…………あった!。確か、マシン国で開発された兵器の中に、ドラゴンを封印するのがあった気がするのう。名前は思い出せんが、あったはずじゃ」


 「なら、封印を解除する事は出来るのか?」


 「もちろん、出来るはずじゃ」


 「最後に確認したい、ここ以外にマシン国の技術を、封印した場所はあるのか?」


 「…………………無いとは言い切れんのう、戦争が終わってすぐに隔離されて、何も知らないまま封印されたのじゃ。戦後何があったのか、わしらは知らんのじゃよ」


 ジーボットの答えを聞いて、ムーチャシーは愕然とした表情を浮かべて、うろたえてしまう。

 

 


 

 

 次回予告

「お母さま、どうしたのですか?。そんなに思いつめた顔をして」

「ヤーサ、今回の呪い竜の事件は、簡単に解決出来ないかも」

「とにかく、夫に相談しないと」


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