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珍獣の森

 猫と遊んでから森の中を散策すると、角がある大きなうさぎと出会う。

 

 「先輩あのうさぎ、白角ウサギに似ていませんか?」


 「珍しいウサギなの?」


 「はい、珍しいですよ。薬の材料になる角が目的で、乱獲され絶滅したはずなんですが」


 近づこうとしたが、うさぎはこちらに気づくとすぐに隠れてしまう。


 「あ~、逃げられちゃった、残念。…………あっ!、木の上にいるのは、まぬけ鳥かな?」


 「あそこの木にとまっている、茶色い鳥の事?。変な名前だね」


 「しー、静かに。逃げられちゃう」


 ポランは鳥に気づかれないように、身をかがめ声を潜めて話しかけてくる。


 「先輩、早く隠れて。鳥に気づかれますよ」

 「本物のまぬけ鳥だ、すごいです。そうだ、カメラを持っていますか?」


 フランは、収納袋に手を入れてゴソゴソと探す。

 カメラを見つけてポランに渡すと、喜んで写真を撮りだした。


 「まぬけ鳥は、いつもまぬけな事ばかりしている鳥なんです。そのせいで、絶滅したと言われる珍しい鳥なんですよ」


 しばらく観察していると、まぬけ鳥は飛び立つが、木の枝にぶつかって地面に落ちてきた。

 心配になり様子をうかがうと、まぬけ鳥は起き上がって森の中に走っていく。


 「先輩、ヤーサ様の天空城はすごいですね。珍獣に会えるなんて、幸せ過ぎですよ~」


 「そうだね、きっとヤーサが保護をしていたんじゃないかな?」


 ポランは他にも動物がいないか、周囲を見回す。


 「う~ん、他にも動物がいるようですね。次は、あっちの方に行ってみましょうよ!」


 フランの手を引っ張り、軽い足取りで森の中を進んで行く。

 多くの珍獣や絶滅した動物との出会いに夢中で、散策を楽しんでいると日が暮れた。


 日が暮れて周囲が暗くなってきたころに、短足猫を抱っこしたアーニとみーちゃんが2人の前に現れる。

 アーニは地面に猫を下ろすと、フランにきれいな礼をしてから話し出す。

 

 「フラン様、散策は楽しめましたか?。そろそろ夕食の時間ですよ」


 「わかった、グーの天空城に帰るよ。ところで、その猫は何?」


 フランが質問をすると、アーニが猫を抱っこして見せてくる。


 「すみません、紹介が遅れました。この森の警備を担当している猫です。名前は『けだま』と言います」

 

 「初めて会った時にすぐ懐いたんだけど、本当に警備が出来るの?」


 「それは、フラン様達にはヤーサ様の匂いが、染みついているからです。けだまは、ヤーサ様の匂いがする者を攻撃しません」

 「ですが、ヤーサ様の匂いがしない者に、けだまは容赦しません。安心してください」


 けだまは一言鳴くと、アーニの腕の中から飛び降りて、薄暗い森の中に帰っていく。


 ヤーサと夕食を食べるために宿で待っていると、宝箱を3個持ったヤーサが宿に入ってくる。


 「ヤーサどうしたの、その宝箱は何?」


 「旦那様、今日は楽しかったですか?。この宝箱は開けられなくて、倉庫に眠っていた物です」


 「開けられないの?」


 「罠レベル10です。さすがにドラゴンでも無理ですよ。旦那様なら、開けられますよね?。お願いします」


 「了解、すぐに開けるよ」

 (ネコマ、チェンジ!)


 ネコマの姿に変身したフランは、慎重に罠の解除に取り掛かる。


 (最高難度の罠だから、気を引き締めてやらないと)


 時間をかけて慎重に罠を解除すると、1個の宝箱が開く。

 宝箱から出て来たのは、薄い本だった。表紙には半裸の女性が描かれており、鑑定しなくても大人の本だと気付く。

 フランが対処に困っていると、本が突然消える。


 「あれ?、本が無くなった」


 「旦那様どうしたのですか?、本なんて無かったですよ。幻覚でも見たのですか?」

 「そんな事より、次をお願いしますね」


 ヤーサは、怒りの笑顔を浮かべてフランを見つめた。

 


 次回予告

「先輩、大工職人のミナさんが、お願いしたいことがあるそうです」

「なんだろう?」

「私もよく分かりません」


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