打ち上げ花火?
夜のバーベキューをみんなが楽しむ中、フランは紛争地帯の鉱山を、どうしようかと思い悩む。
「ねえヤーサ、やっぱり面倒な鉱山は返した方がいいと思う」
「旦那様が望まれるなら、すぐ返してきますよ?」
2人の話を聞いて、愕然とした鉱石マニアのツンが、顔色を変えて叫ぶ。
「もったいない!!、せめて1日。1日だけでいいから、採掘させて!!」
ヤーサは、フランにしがみついて懇願するツンを、引きはがしてからため息をつく。
「オリハル鉱山は紛争地帯ですが、旦那様なら問題ありませんから、返す必要はないと思いますが」
「わかった、とりあえず一度行ってみよう。スキル『世界地図』目的地、オリハル鉱山」
「あ~、かなり遠いな。ヤーサどうやって移動する?、やっぱり飛んで行くのが一番かな?」
「天空城ごと移動しませんか?。実は実家からの帰り道に、私の天空城に立ち寄って、ここの近くまで運んで来たのです。オリハル鉱山に行くついでに、私とグーの天空城をドッキグしたいのですが、よろしいですか?」
「それはいいけど、天空城で移動したら何日かかるの?」
「…………移動速度が遅いですから、20日位かと。急ぐのでしたら、ドラゴンの姿で天空城を押して飛ぶのが一番早いですね」
「そうなんだ、…………押して飛ぶのは、疲れるだろうから止めておこう」
「あっそうだ、今更だけど天空城をどうやって移動させるの?。それに、勝手に移動して問題ないの?」
「天空城は、主人の思念によって操縦します。移動については、なわばりに注意すれば大丈夫ですよ」
「空に、なわばりがあるの?」
「ええ、この辺りはお母さまの支配する空です。他の竜王が支配する空に、近づかなければ問題はないですね」
フランとヤーサが話をしていると、ノンが満面の笑みで話しかけてくる。
「お話し中に失礼します。実は、ヤーサ様に贈り物として、巨大花火を打ち上げたいのですが、よろしいでしょうか?」
「花火ですか?」
(暴発しないか心配だから、止めた方がいいかな?。でも、花火をヤーサとグーに見せてあげたいし、どうしよう。実戦で大丈夫だったから、暴発しないよね?)
「ノン、期待しているから、きれいな花火を見せて!」
「はい、フラン様。必ず期待に応えて見せます!」
気合いの入った返事をすると、ノンは花火の打ち上げ場所に飛んでいく。
花火の打ち上げ準備をしていた女性が、飛んできたノンを見つけて駆け寄ってくる。
「ノン様、花火の打ち上げ準備が完了しました」
「良し、間もなく花火を打ち上げる!、各自打ち上げに備えよ!。…………ところで、火薬の量は指定量を守ったか?」
「はい、ももちろんです。何度も確認しました」
「……………………足りないな。やはり、火薬の量を増やそう!。大至急、火薬の量を3倍にしなさい!!」
「えっ!?、ノン様本気ですか?。危険すぎます、止めた方がいいかと」
「グリフォン族のみんな!、フラン様は私たちにきれいな花火を見たいと、期待してくださったのです。ならば、我々は最大限の努力と結果で答えなくてはいけません!!」
「つまり、限界を超えた花火を打ち上げるのです!!。違いますかーー!!」
『違いません!!』
「限界突破の花火を打ち上げるぞーー!!」
『おおーー!!』
ノン達グリフォン族が熱気に包まれている時、何も知らないフランとヤーサ、グーは焼いたトウモロコシを食べながら花火を待っていた。
「旦那様、花火とは何ですか?」
「夜空に広がる、きれいな光だよ…………グー、眠そうだけど大丈夫?」
「…………まだ平気だよ。花火が楽しみだから起きてる」
「そろそろ、花火が」
フランの言葉を遮るように、空中ではなく地上で巨大花火が炸裂し、大爆音と眩しい閃光が周囲を包んだ。
「あの、今のが花火ですか?。すごいですね旦那様」
「あ、うん。そうだね、喜んでくれて良かった」
(ノン達、また暴発させたな。あれで、怪我をしないのだから不思議だよ)
「…………また、壊れた。…………寝る」
天空城が壊れることになれたのか、グーは怒ることなくドラゴンの姿に変身して、砂漠の上に仰向けで眠りにつく。
次回予告
「先輩、空飛ぶ森です!」
「砂漠の天空城とは違いすぎる」
「あれ?、先輩。何か生き物がいますよ?」
「本当だ、猫かな?」
「!?、その猫はもしかして!」




