ポランが仲間になった!
顔を近づけて揺さぶられているため、相手の顔がよく見えた。
(あれ?、額に赤い宝石がある。)
「二度とその名前で呼ばないでください。私はポラン、『ポ・ラ・ン』です!!」
「コホン、私の仕事は魔物学と種族学の学者です。種族学者のスキルで、他者の種族がわかるんですよ。レベルの低い私では、一部しかわかりませんけど」
「あなた、学者さんだったんですか?。僕はフランと言います。ケガとか大丈夫でしたか?」
相手が危険ではないと思い、右手を差し出す。差し出された手をポランは、嬉しそうに両手で握りしめてくる。
「あの、もし良かったらステータスを、公開してくれませんか?。もちろん私のステータスも公開しますから」
ポランの提案に、少し考えてから答えた。
「ええ、いいですよ。減るものじゃないですから。『ステータス公開』」
表示されたステータスを見て、ポランは目を大きく開いて叫ぶ。
「き、き、金属クイーンスライムだーー!!。あわわわ、初めて本物を見た、実在していたんだ」
パニックを起こしながらも、ペタペタと手や髪を触ってくる。
「落ち着いて下さい、僕は逃げませんから」
「そんなこと言われても、ウルトラスーパーレア(USR)種族ですよ。一生出会えなくてあたりまえ、奇跡が起きたら出会える。あの金属クイーンスライムですよ。落ち着くなんて無理です!。LUC(幸運力)極振りしてよかったーー!!」
狂喜したポランが、力一杯に抱きしめてくる。
「ちょっと待って、喜ぶのは分かるけど、僕は女性じゃなくて男性だから、離れて下さいよ」
「えっ?、なに言ってるの?」
(メインキャラ、チェンジ!)
「……!?……?……!!、お姉さんが、お兄さんになったーー!」
仰天して腰を抜かし、ペタンと座り込むポランに、手を差し伸べた。
「驚かせてごめん、大丈夫?」
「今日は、一生分驚いた気がする。その姿、まさかサブキャラですか?」
「そうだよ、正確には男性の姿がメインキャラクターで、さっきの女性姿がサブキャクターだよ」
ポランは驚くのに疲れたのか、大きなため息を吐く。
「サブキャラを持っているなんて、昔いた英雄くらいだと思ってました」
「ちなみに、サブキャラは20キャラ持っているよ」
「20!!」
ポランは石のように、固まってしまう。
しばらくすると、遠くの空を見ながら、感情の無い声で話しかけてきた。
「20ですか……そうですか……そうなんですね……私の知る限りでは、2キャラ所持が最大だったのに……それを20ですか……あっ!、イ-グルバードが飛んでいる、かわいいなあ」
自分の世界に逃げ込んで、考える事をやめてしまったポランの頭に、軽くチョップをする
「ふぎゃ!……あっすみません、すみません。えっとお兄さん、お姉さん?、なんと呼べばいいでしょう」
「僕は男だよ、フランと呼んで」
笑顔で話しかけると、凄い勢いでポランが土下座を始める。
「一生ついて行きます!、フラン師匠!!」
(私の極振りしたLUCが叫んでいる、「この人から離れたらダメ絶対!」。うん、私もそう思う)
「えっ?やだ。僕は弟子とか要らない」
「じゃあ、先輩と呼んでもいいですか?、それとも兄貴と呼びますか?」
(先輩と兄貴かぁ、う~ん。まあ、師匠と呼ばれるよりはいいか)
「じゃあ……、先輩で」
「雑用でも何でもしますから、お願いします先輩。あっ、私のステータスを見て下さい!、絶対に役立ちますから。『ステータス公開』」
名前 チャラン・ポラン
メインキャラクター レベル69
種族 女性 「獣人 レベル10」
「カーバンクル レベル10」
職業 (ノ-マル)魔術師 レベル8
(ノ-マル)学者 レベル10
(ノ-マル)魔物学者 レベル4
(ノ-マル)種族学者 レベル2
(ノ-マル)ラッキーガール レベル10
(ノ-マル)スーパーラッキーガール レベル10
(レア)ミラクルラッキーガール レベル5
装備 幸運の杖 幸運の戦闘用白衣 幸運の革靴 幸運の指輪
容姿 150㎝ B82 W58 H80
髪色 金色 セミロングヘアー 額に赤い宝石
(うわー、LUCを極振りしないと修得できない、ミラクルラッキーガールだ)
土下座を続けるポランを取り敢えず、優しく引き起こす。
「一生ついていくとか言う前に、そもそもポランはどうして、こんな森の中にいたの?」
「はい、先輩!。私は出会った魔物を自動的に記録してくれる『魔物大図鑑』を完成させるために、魔物を探す旅をしています」
ポランは、布のリュックサックのような物から、分厚い本を取りだしてみせてくれる。
「まだまだ、完成には程遠いですけど、いつかこの図鑑を完成させる事が夢なんです」
(出会った魔物を記録する図鑑か、D.W.Dにもあったな)
「一つ気になったんだけど、確かミラクルラッキーガールは、魔物などの敵と遭遇する確率を大幅に下げてくれる、常時発動スキルがあったよね?。ポランは魔物に会いたいの?、会いたくないの?、どっち?」
「あーー!!、盲点!。とんでもない盲点だったーー!!。どうりで魔物がほとんど現れ無いわけだ!」
ポランは頭を抱えて、ゴロゴロと地面を転がる。
転がり続けるポランを押さえて、頭にチョップを二度した。
「ふぎゃ!……先輩、痛いですよ~」
涙目になり、うずくまっているポランを見ていると、放っておくのが不安になる。
(こんな、残念な人を放っておくとか出来ない)
「ポラン、実は僕にはこれといった目的がないので、趣味の旅行にでかけようと思うんです。世界を自由気ままに、旅をしたいなと考えいるんですけど、ポランもついてきますか?」
「もちろんです!、何処までもついて行きます!」




