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温泉でさわごう 2

 ヤーサと手をつないで廊下を歩いていると、温泉にたどり着く。

 温泉の入り口でフランは、女湯に連れ込まれる。男だから無理と言ったが、一緒に入りたいと言う、ヤーサの勢いに負けた。

 男の姿で女湯に入るのは迷惑になるので、女性のクイーンに変身すると、ヤーサが文句を言う。


 脱衣所に入ると、グーとポランが楽しそうに、話をしながら出て来た。


 「あっ、先輩。いいお湯ですよ、特に打たせ湯が最高です」


 「お姉さま、先に失礼します」


 グーとポランが仲良くしている姿を見て、ヤーサが少し驚く。


 「珍しいですね。グーは友人を作るのが苦手ですから、あのように笑っているグーを見るのは、久しぶりです」


 大浴場に入ると、なぜか誰もいない。


 (大勢の人がいるのに、なんで温泉に誰もいないのだろう?)


 フランが不思議に思っていると、ヤーサが軽く手を引っ張ってくる。


 「旦那様、誰もいませんから、男性の姿に戻ってください」


 「えっと、その、戻らないとダメなの?」

   

 「旦那様、私の事が嫌いなのですか?。なぜ、距離を取ろうとするのです」


 ヤーサが初めて沈痛な表情を見せると、フランは慌てて答える。


 「ヤーサと過ごした時間は短いけど、好きだよ。初めて見たとき、見とれるくらい美しいと思っていたし、話をしたらすごく好きになったよ。距離を取っているのではなくて、恥ずかしいだけ」


 「私たちは夫婦です。恥ずかしがる必要はありません。ですから、男性の姿に戻ってください。お願いします、旦那様」


 ヤーサが真っ直ぐに見つめてきたので、拒否できなかった。


 ヤーサと長い時間、様々な種類の温泉を楽しんで、浴室から出ると宿が騒然としている。

 宿全体が枕投げの戦場となり、グリフォン族、カーバンクル、メイドの混合チーム(よっぱらい)が激しく枕を投げあっていた。

 物が壊れているので止めようと思ったが、この宿も使い捨ての宿なので、物を壊しても問題ないし、止めるのは無理そうなので見なかったことに。


 ヤーサが、ゆっくりしたいというので、静かな場所を探す。


 遊具施設がある所では、ラミアのミナとデシ―がスリッパ卓球をしていた。なぜか、卓球台がボロボロになっているし、打球音が激しすぎる。

 そっとしておこう。


 宴会場では酔った人たちによる、宴会芸が始まっていた。

 ギルが皿を回して踊るなど、変な宴会芸が多い。面白いとは思えないが、酔った人たちは盛り上がって、声援を送っている。


 宿のどこに行ってもうるさい。


 結局、フランとヤーサは別の宿で、残った料理を食べながら、ゆっくりと過ごすことに。

 しばらくすると、ヤーサが緊張した様子でフランに話しかける。


 「旦那様、今日は新婚初夜ですね。経験はありませんが、知識はあります。…………大丈夫です」


 不安と緊張のため、ヤーサの手が震えているのがわかる。

 フランが近づくと、ヤーサは声を上げる。


 「す、すみません。旦那様、少しだけ時間をください」


 部屋を飛び出していったヤーサが、しばらくすると帰ってくる。

 帰ってきたヤーサは1人ではなく、ポラン、ギル、ツン、グー、リン、ハヤ、ミナ、デシ―、ノン、ブリムを連れていた。


 「旦那様、1人だと不安なので連れてきました」


 「えっと、意味が分からない」


 「ドラゴンは独占欲が強いです。ですが、私は旦那様を独占するつもりはありません。私が認めた女性と、旦那様が仲良くしても怒りません」

 「私が怒るのは、認めていない女性が旦那様に近づくことです。今、天空城を造るために集まっている人たちは、私が認めた人たちですから、仲良くしても大丈夫ですよ」


 「みんなは、それでいいの?」


 ヤーサの連れてきた全員に確認したが、ぜひ嫁にしてくださいと言われた。

 フランは、ヤーサの手を優しく握り、言葉ではなく行動で気持ちを伝える。



 騒がしい夜は一晩中続き、明け方には廊下など宿のいたるところで、倒れるようにみんなが寝ている。

 想像以上に大変だったが、グリフォン族、メイドたちと仲良くなることには、大成功だった。

 

 


 


 次回予告

「先輩、歓迎会で先輩が、知らない事があります」

「えっと、何があったの?」

「先輩とヤーサ様が仲良くするために、メイドたちが裏方として活躍していました」

「次回は、歓迎会に参加した人たちの話です」

「後、ヤーサ様が急に、先輩の嫁になれと言ってきた時の話もあります」

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