ポラン登場
金属スライム系の種族は、「AGI(速度)」と「VIT(体力、防御力)」が非常に優れている種族である。
その、最上位種族である金属クイーンスライムは、スキル「超神速」によって、他の種族では到達できないであろう速度を出すことができる。
また、VITという面でも、スキル「物理無効」「魔力系攻撃無効」「全状態異常無効」「雷、火、水、風、土、光、闇、攻撃無効」「即死攻撃無効」「クリティカル無効」などがあり、防御力は凄まじく優秀。
ただし、金属スライム系はデメリットとして、HPが異常に低いという特性を持っている。
そのため、固定ダメージを与える武器が天敵で、二~三撃程度で、簡単に倒されてしまう。
金属スライム系種族はこのデメリットのため、攻撃を受け止めるのではなく、速度を活かして攻撃をよけることを基本としていた。
長い銀髪をなびかせて爆走すると、すぐに目的地につく。
目的地では、金髪の女性一人と巨大なカマキリが戦闘を繰り広げていた。
(なにあれ、カマキリ?見たことがない)
女性はマジックキャスターだったらしく、次から次へと魔法を乱発して攻撃していた。しかし、カマキリは強くて苦戦をして、一進一退のようだった。
(本物の戦闘だ!……どうしよう、助けなきゃ。でもどうやって。……大丈夫、僕はレベル100だし、なんとかなる。習うより慣れろ、だ!)
「そいつは僕が相手をする!逃げろー!」
フランの大声に気を取られて、女性の足が止まってしまう。
「超神速!」
最大速度で女性を助けると、一気に敵から離れた場所に移動する。
「え?、あっ……え?、なにが……?、え?」
状況が分からずに、混乱しているような女性に対して、優しく声をかけた。
「安心して、僕は味方。あいつ、片付けて来るから、少し待っていて」
突然いなくなった獲物を探している、巨大なカマキリに対して、ロングソードで切りかかっていく。
「やぁぁつ!、二連撃」
二連撃の攻撃をする、ファイターのスキルで、巨大なカマキリのの死角から攻撃を繰り出す。
「キシャガオー!」
不意打ちの攻撃を巨大なカマキリは回避出来ない。しかし、致命傷には程遠い、多少のダメージしか与えられなかった。
「固!、このカマキリ鉄みたい!?」
怒った巨大なカマキリは、両手の鎌を激しく、振り回してくる。
「スキル、パワーチャージ」
鎌による連撃を、余裕を持って回避すると、一気に敵の近くに踏み込んだ。
「うぁぁぁ!!、十連撃!」
手数が多いのが特徴のソードファイターらしく、反撃をする機会を与えない勢いで攻撃する。
「ギィ……ギ…ギィ……」
断末魔をあげて、巨大なカマキリは地に倒れ、動かなくなる。
「ふぅー、思っていたより、手こずった。…それに、ロングソードが折れたか、まー初期装備だしな」
突然、後方から拍手の音が聞こえる。
「いや~、お姉さん凄いですね。MPがなくなりそうでピンチでしたけど、おかげで助かりました」
拍手が聞こえた方向を見ると、助けた女性が満面の笑みで、駆け寄ってきた。
何を話せばいいか戸惑っていると、女性がじーーと見つめてくる。
「その~、あの~、お姉さんの種族は、金属スライムですよね」
「……そう……ですね。なぜ分かったのですか?」
自分のステータスは『公開』しない限り、鑑定系のスキルを使用しないと、知ることが出来ない。それなのに、すぐに種族を当てられて、不審な気持ちを抱く。
「自己紹介がまだでしたね。私はチャラン家三女ポランです。私の仕」
「ちゃらんぽらん?」
「それはだめ~~!!、傷つくから!、心がイタイイタイと泣き叫んでいるから!、虎と馬が私をいじめるから、やめて――!!」
「私、特技は整理整頓だし、人生計画もしっかりしているから……たぶん」
両肩を掴んで、前後左右に揺さぶりながら、ポランは涙目で叫んでくる。




