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ポッチャリでも良いですか?

 私は、恋をしている今年で十六歳になる高校一年生。

 鏡を頻繁に見ながら二重顎を気にしています。目が大きいのですが一重なのが残念。どうしたら、綺麗になれるのだろう。午後の放課後教室で、


「美妃って痩せたら可愛いのにー。顔だって今の半分になると思うよ」

「今は可愛くないっていうの。顔が大きいのは分かっているよ、アズキ」


 私の名前は、美妃。確かにメイクして不細工なのは隠しているけれど、アズキは私の痩せていたときの写真を見て、もとが可愛いという。確かにもてていたけれど、今は太ってしまった。

 それに、私の名前は美妃で、良かったけれど、アズキは可哀想。本当に小豆と書いて、アズキとよむのだから。アズキの名前が原因で、アズキは苛められていた。

 アズキの顔は特徴がある顔をしているが、憎めないし性格は人懐こい。

 アズキとは食べることが大好きな、ポッチャリ仲間だけれど、大好きな人がいるから綺麗になって告白したいと思っている。


「ねえ、美妃、田中裕太の事が大好きなんでしょう?」


 裕太の名前を聞いてドキッとした。


「やっぱり好きなんだ。ずっと美妃の事を見てきたから分かるよ。美妃は、持てないタイプの男の子が好きなんだね」

 

 教室のなかでは数人の生徒が残っている。

 

「私にとってはカッコいいの! アズキとは好みがちがうの! 裕太のことカッコ悪いなんて言わないで! 私は綺麗になる。ダイエット宣言します!」

「ムリ、ムリ。帰りにクレープ食べよって誘ったら食べるに決まっている」


 そう言うアズキには好きな人がいるのかな? 帰りは本当に買い食いはしなかったけれど、アズキが無表情になっていたけれど、でも本気で痩せる。



 美妃には黙っていたけれど、私も裕太のことが好きなんだ。だから美妃悪いけれど、裕太は私が貰うね......。



「いやっ」


 ゴン!


「いたたた、た。痛いなー。あー。夢かー、夢で良かったー。寝相が悪いのはいつもの事だけれど、どうして、何時も逆向きになるかなー」


 そうだ、体重の変化はあったかな、昨夜はなにも食べなかったから少しは減っているはず。


「何で一キロ増えてんの? この体重計壊れているんじゃないの? もう一回計ってみよう」


 何回やっても同じ体重で食べなければ痩せると思ったのに。体重計の数字は、理想体重を十五キロ越えていた。朝食を抜いてみよう。ムリなダイエットは体によくないと聞いていたことがあるけれど、少しでも早く痩せたい。


「美妃、おはよー」

「アズキ、おはよう。はあー」

「どうしたの? ため息なんてして美妃、元気ないね」

「ご飯食べてないんだ」

「えー、痩せちゃうよ。病気になっちゃうよ。美妃、大丈夫?」

「大丈夫。何とか大丈夫なんだけれどね。何だか、十歳年取ったみたいな心境」

「え、じゃ、二十六歳。大人じゃん」


 本当は、昨日の夜に死ぬほどお腹がすいて食べたいの我慢するのが大変だった。裕太のことを思い出して空腹乗り越えた。鏡を見て顎の肉とかお腹の肉とかつまんで、この贅肉がいけないんだって! 自分の事を責めていた。それに、変な夢を見たし本当にアズキが裕太のことを好きだったらどうしようと思ってしまった。

 教室の中には裕太の姿もあった。裕太の姿を目でおうと、アズキが見ているようで目をそらした。アズキとは隣の席だ。


「美妃、裕太くんの事を見ていたね、好きなんだ」


 アズキがにやけている。アズキは何時も食欲があって食事に誘うけれど遊んでいて楽しい。でも、アズキと一緒にいると太るんだ。だから、苦しい。痩せたいのにアズキが食べに誘ってくると付き合いたくなる。アズキといると楽しいから一緒にいたい。でも、痩せたいんだ。ごめんね、アズキ。


「美妃、おなかが空いたね。私はメロンパン食べる。美妃は、ダイエット中だからチョコで我慢だね」

「アズキ、私はチョコは食べられないよ、ごめんね」

「何で? 裕太くんの事が好きなの? 私よりも?」

「うん」

「美妃、メロンパン食べなさい。無理やり食わしてやる。ほれ、口を開けろ!」

「やめて、アズキのバカ!」


 裕太はかっこいいんだよ。私はデブで不細工なの。お肉がつきすぎているの。お腹の贅肉がつかめるのよ。


「なに、泣いているの美妃」


 本当に不細工なのよ。顔が破裂しそうに肉がついて一口だって食べたくないの。太ももだって出しているのが恥ずかしいぐらい。食べたくないの。なにも食べたくないの。アズキとトイレで話していると、急に目の前が緑色になった。


「美妃、大丈夫? 美妃!」


 目を開けたら後ろに倒れていた。アズキが心配そうな顔で私の名前を呼んでいる。そうだ、目を覚まさなければアズキが心配している。


「大丈夫。ただの貧血だと思う」


 私は、一生懸命に起きても体がふらついている、何で、空腹なんてあるのだろう? 食欲なんてなければ楽しく生きていられるのに。私は、麻痺していた。一日、平均四千カロリーは食べていたのに、たった夕食と朝食を抜いただけなのに、貧血になるなんて。後ろに壁があって良かった。

 昼になって、アズキが心配したのかお弁当を作ってくれた。


「どう、ダイエット中の美妃のために作ってきたお弁当、美味しそうでしょう」

「え、うん。美味しそうだね。でも食べられないよ、ごめん」


 と口を開けた瞬間、アズキが素早く私の口のなかにウインナーを入れた。


「どうだ、美味しいだろう」


(変だ、口の中のウインナーをどうしたらいいのかわからない。吐き出したい。飲み込む事がこわい。喉に詰まって苦しい。死んでしまう、嫌だ! 喉が塞がる、息ができない。体が痺れる)


「どこに行くの? 美妃? どうしたの!」


 必死になってもがいてトイレの便器のなかに吐き出した。

 この日から私は食べるときに不安なになり、食べたものを体が拒否するようになった。日に日に痩せ食べたものを喉の気管は意識的に食べ物を口にすると閉じてしまう。

 アズキは心配して、何かの病気ではないかと病院に一緒に行こうと言ってきた。太りたくない私は躊躇した。


「元気ない美妃なんて、美妃らしくないよ! 病院に行こう!」


 心療内科で話を聞いてもらった。男性の医師が、


「それは、摂食障害。ダイエットをやめれば治る」


 と言われて帰り道、私は泣いていた。アズキが、


「ダイエットやめなよ。今の美妃は、可愛いよ。無理して痩せようとしない方がいいよ」

「私、裕太に告白してみる。降られたら一緒に泣いてくれる?」

「うん、頑張って美妃!」


 次の日。


「美妃、どうだった?」

「うん、あのね。彼氏出来ました!」

「え!」


 私は笑顔で顔を手で隠した。


「ホントに! ホントに! マジでー。良かったねーーー」


 アズキは、泣いてくれた。本気で自分の事のように喜んでくれた。アズキと今は一緒に三人で仲よく遊んでいる。そしていつの間にか裕太の友達の男の子も一緒に四人で遊ぶようになった。

 摂食障害も落ち着いた。そのままの君が可愛いと裕太は私に言ってくれた。私も、今の自分で良いよな気持ちになったけれど、受け入れてくれた裕太のために、少しずつ綺麗になろう思う。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 直接表現ではなく間接表現に関しては非常によいと思う。参考にしたい。 主人公の心理状態の追い詰め方は前作同様鬼気迫る物がある。 [気になる点] ・場面(場所)の転換部が若干分かりずらく…
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