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演劇の台本

 そうこうするうちに昼食を食べ終わった僕達は、教室に戻る。

 文化祭の準備はそこで行なわれるからだ。

「というわけで私達は演劇をするわ」

 教室に戻ってしばらくしてそういったのは麗那だった。

「演劇か、誰が台本を書くんだ?」

 そういう泰宏に対し、莉乃がこういう。

「それは私よ」

「意外ね。とてもそうは見えないのに」

「莉乃は親が脚本家だから、親に書き方を教えられたんだ」

「そうだったのね、泰宏」

 僕もそこまでは知らなかったのでただ関心するしかなかったのだった。

 かくいう僕はラノベ作家を目指していて、手記でその技量を磨いているのだが。

「で、タイトルは?」

「『オーバーラヴァー』よ。主人公の村人が知らずに姫様への恋心を抱いちゃう物語なの」

「ベタだけど、だからこそ文化祭に向いている物語ね」

「それだけじゃないわ。恋人の秘密を知った時、主人公はそれでも変わらないかがテーマなの」

 自らを隠した人物への恋、それは泰宏にも当てはまる。

 そして秘密を知った時、泰宏は変わらずに僕を受け入れるかは分からない。

 これだけ僕の境遇と被る要素があると、偶然とはいえどきりとさせられる。

「で、誰が主人公で誰がヒロインなの?」

「泰宏が主人公で秋菜がヒロインよ」

 莉乃のこの発言には飲み物を含んでいだら吹いていたかもしれない。

 確かに僕が単なる語り手ではないのは分かる。

 だが、ヒロインとしての要素を満しているんじゃないかと忍や悠莉には指摘されなかった。

 もっともこの手記は泰宏を主役として書ているので、彼に恋されている僕はヒロインかもしれない。

 もしそうだとするなら、僕は物語の中心に存在するいわゆるメインヒロインの立ち位置に立っているのだろう。

 男である僕がその立ち位置であるというのを認めるのは癪に触る。

 だけど世間には男の娘という言葉もあるから、それは認めざるを得ないだろう。

「で、出店は何にするの?」

 何はともあれパニックを悟られるわけにはいかないので、僕は話題を出店に移すことにした。

「出店はファンタジー喫茶がいいわ」

 そういったのは比奈だった。

 僕はその提案にこう返す。

「異論はないけど、コンセプトはどうするの?」

「連合王国の王子様やお姫様が別の国の王子様やお姫様を接待するっていうのがコンセプトよ」

「いいコンセプトだな。それで行こうぜ」

泰宏がそういうや否や、他の生徒も賛同して行くのだった。

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