不穏な思い
文化祭も無事に終わりその翌日は代休だった。
そして代休が終わると、再び泰宏や莉乃と一緒に四岸学園へと登校する。
その途中で、泰宏は僕にこういう。
「そういや俺達はここで出会ったんだったな」
「そんなに経ってないのにそうやって感慨にふけるなんてね」
「君とはあんなアニメにありがちな出会い方をしたんだ。感慨にふけたくもなるさ」
「そういう物なのね」
僕は悠莉との出会いを覚えていないので、泰宏の気持ちはよく分からない。
それでも、今の生活が長く続ていて欲しいという思いはあった。
泰宏が好きじゃないわけじゃないが、その好きは友人としての物である。
しかし僕は黄桜秋菜として過ごして、泰宏に異性として愛されている。
だから僕はその思いを無下にしたくない。
自分を偽ることでこの結果を招いたなら、行き着くところまで行くしかない。
そう僕が思っていると、僕達は教室に着く。
そして授業が始まり、さらに時は流れ昼休みになる。
僕は泰宏達と食堂に行く。
「秋菜、今日は何にするの?」
「今日は餃子セットにするわ。文化祭で疲れたし」
「なら私もそれにするわ。泰宏は?」
「俺も精を付けたいから餃子セットを頼むか」
そういって僕達が餃子セットを食べていると、莉乃がこういう。
「ねえ、秋菜?」
「どうしたの、莉乃?」
「あなたは泰宏をどう思っているの?」
「大切か大切じゃないかでいえば大切だけど、友人として大切だという感じかな」
「随分回りくどいわね。恵との関係の時もそうだったけど、手記を書く時の癖なの?」
「私は私のいえることをいっているだけよ。回りくどくなるのは、それを短縮することが難しいからよ」
実際は無難にやり過ごすためというのもあるが、秋菜としての立場が表現し辛いのは事実だ。
「良く分からないけど、いいたいことは分かったわ」
「ともかく、餃子を食べよう」
そういって僕達は餃子を食べる。
そして昼食を食べ終わった僕達は教室に戻る。
授業を受けてから放課後になると悠莉と忍、そして祐実が来た。
それを見た僕はこういう。
「どうしたの、みんな?」
それに答えたのは忍だった。
「冷菓が今日の放課後四岸学園に行くと予告したんだ」
「奇襲すればいいのに、何故予告を!?」
「それほど自信があるということだろうから、僕達三人でここに来たんだ」
「となると、雷鳴の歌は使わなくてもよさそうね」




