文化祭の舞台裏
そして、文化祭二日目の朝になった。
僕はいつものように準備をして、泰宏と莉乃を待っていた。
するとチャイムが鳴り、僕はそれに応える。
そうして泰宏達と合流した僕は学校へと向かう。
しばらくして教室に着いた僕は彼らと一端別れて保険室に向かう。
そこで着替えていると、先生がこういう。
「で、舞台の時はどうするつもりなの?」
「いくら矯正してるといっても、小児ガンの治療跡が分かれば、私の正体がバレかねないわね」
「分かっているなら、対策してるの?治るからって気にしてなくても特徴になるし」
「だからドレスの下にチェルシーの時の衣装も着てるの。ドレスは透ける物でもないから時間短縮の名目を使ったわ」
僕はそういってから保険室を出て教室に戻る。
「昨日は可愛いだったけど、今日は美しいわね。正直いって羨ましいわ」
「莉乃も充分魅力があるんだから、元気出せよ」
泰宏がいうように、莉乃には魅力がある。
しかしその魅力が素朴さなので、彼女はそれを気にしているようだ。
男である僕だが、そういうことは何となく分かるのだ。
ともかく、僕達は二日目に行われる舞台のある体育館へと向かう。
そしてそこでは様々な出し物があった。
そして僕達の劇が始まろうとしていたので、とりあえず移動する。
そして準備してから、泰宏が飛び出す。
「俺の名はテッド。俺達の村は貧しかったが、誰かが餓死することはなかった」
泰宏の台詞が、劇の始まりを告げる。
だが幕はまだ開いておらず、それは僕の目の前にあった。
「貧しいなりに幸せな生活をしてたし飢餓の時は国の補助もあったから不満もなかった」
「でも、そんな日常はある日突然に崩れさった」
泰宏がそういうと僕の目の前の幕が開く。
僕の背中には王宮を意識させるセットがあった。
「いい加減王宮の食事ばかりも飽きたし、どこかの村の手料理を食べたいわ」
僕がそういうと、騎士長役の人間がこういう。
「それでしたら、料理長にお願いしたらいかがでしょうか」
「料理長は『レーニア姫にそんな低俗な物は食べさせられません』とか抜かすのよね」
「だからといってまさか、村にお出になるつもりじゃないでしょうね!」
「お父さまの許可は出てるから、目立たいようにガードしてくれない?」
「……そこまでいうなら、お付き合いしましょう」
騎士長がそういうと一旦幕が閉じ、場面が切り変わろうとするのだった。




