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偽名の使い手


 そうこうするうちに昼食を食べ終わった僕達は、文化祭の準備に入る。

「村人の名前と姫の名前は決めたのか?」

「ええ。泰宏はテッドで秋菜はレーニアよ。姫には偽名もあるの」

 僕も『黄桜秋菜』という偽名を使っている。

 なので偽名を名乗るお姫様はますます自分自身と重なり、それにどきりとさせられる。

 僕が彼女と違う点は、身分だけでなく性別を隠していることだ。

 ともかく、僕は念のために莉乃に質問をすることにした。

「レーニアの偽名は何なの?」

「彼女の偽名はチェルシーよ」

 それを聞いた泰宏はこういう。

「レーニアもチェルシーもいい響きだ。莉乃はやっぱりセンスがあるな」

「ありがとう」

 そういう二人に対し、僕はこういう。

 ともかく、舞台に向けて練習しよう」

 僕がそういうと、他の二人もそれに賛同して練習を始める。

 どういう劇になるか楽しみにして欲しいので内容は省く。

 しかし、泰宏も他のみんなも生き生きとしていた。

 それを見ていると僕だけが、いや『三葉恵』が置いていかれている気がした。

 だからといって僕は立ち止まってはいられない。今の僕は『黄桜秋菜』なのだから。

「劇の練習も終わったし、出店のメニューも考えよう」

 比奈がそういった時、確かに劇の練習は終わっていた。

 だが彼女が最初にそれをいったので、僕はこういわずにいられなかった。

「もう。比奈は食い意地がはっているんだから」

 男である僕が呆れるほど、とこのケースの場合はいえない。

 さんざん書いたと思うが、僕は少食なのだ。

 だから僕が呆れるのは、例えば泰宏が呆れるのとは訳が違うのだ。

「うう……このクラスに食い意地張ってる女子はいないの?」

「いるわけないじゃない」

 莉乃は比奈をあっさり切り捨てた。

「まあ、居ないなら居ないで切り替えるしかないわ」

「その意気よ」

 彼女が一転して比奈を励ますのを見ると、二人の仲良しの秘訣はいいたいことをいうことだと思った。

 ともかく、話題がそれそうなので僕はこういう。

「で、メニューはどうするの?」

「オムライスにメロンソーダ、そしてパフェ。この三点は定番だな」

「なら、パフェにはチョコとバナナを使ったら?」

 僕はメニューを提案した泰宏にこう助言した。

「餅は餅屋っていうし、それでいい」

「私も異存はないわ」

 麗那がそういうと、他の生徒も出店が決まった時のように賛同して行く。

 こうして、出店のメニューは順調に決まって行くのだった。

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