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オンナノコの秘密

 冷菓が逃げたのを見た泰宏はこういう。

「逃げられたか」

「そうみたいね」

「とりあえず、一緒に帰るわよ」

 莉乃がそういうと、僕達は四岸学園の寮へと向かうのだった。

 そして寮の中で彼らと別れ、僕は『黄桜秋菜』の部屋へと入る。

 そこが、黄桜秋菜として僕が住んでいる部屋だからだ。

 昨日と違い、今日はやけにセンチだと思うかもしれない。

 だが、今日は色々なことがあり過ぎたのだ。

 せめて手記ぐらいはセンチメンタルに浸らせてほしい。

 ともかく四谷冷菓の行動についてはメールを報告書の代わりとした。

 なので手記はその詳細ということになる。

「ふう。とりあえず今日はここまでだね」

 そういって僕はメイクを落とし、寝間着に着替えだのだった。

 そしてその翌朝。僕は身支度を整え、パソコンを立ち上げメールを見る。

 そこには二種類の楽譜が書いてあった。

「雷鳴の歌と、沈黙の歌?」

 沈黙の歌はかつて場の力が暴走した際にそれを止めたといわれる歌だ。

 その楽譜を託したということは、冷菓が場の力を暴走させる可能性があるということになる。

「つまり、私が冷菓へのカウンターというわけね」

 僕はそう自分にいい聞かせ、泰宏の部屋へと向かう。

 するとちょうど泰宏と莉乃が部屋から出たところだった。

「秋菜、今日は早く起きたのね」

「昨日のことを報告した返事を見てたのよ。あれは私も予想外だったから」

 僕は真実を明かした。

 下手に隠すとボロが出かねないからだ。

「しかし転校生がスパイだったなんてな。莉乃に脚本を書いて貰ったらいい作品になりそうだ」

「残念だけど私が手記として今までの出来事は纏めているの。中身は見せないけどね」

 それを聞いた莉乃はこういう。

「日記に見せかけて手記を書いていたってわけね。中身は無理に見ないけど、中々徹底してるわね」

「俺は日記にしろ手記にしろ女の子のプライベートを勝手に除くような真似はしないさ」

 莉乃に続いて泰宏がそういったのに対し、僕はこういう。

「二人ともありがとう。おかげで勇気が湧いてきたわ」

「かなり大げさね。でも嫌いじゃないわ」

「二人とも、そろそろ時間だから出るぞ」

「そうね。行くわよ」

「莉乃、置いてきぼりは駄目よ」

「分かってるわよ!」

 莉乃がこういうと同時に、僕達は学校へと登校しに向かう。

 こんな奇妙な三角関係はいつまで続くのだろうかと、僕は通学路で思うのだった。

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