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『最終話』


 最終回です。



『最終話』



 ここは、とある公立高校


「であるからして、三好長慶は……」


 どうやら、歴史の授業中のようだ。

黒板には、判りづらい関係を紐解こうと難解な解説が書き込まれている。

はっきり云って判りづらい。


「日本の歴史の中で、室町時代ほど毛嫌いされる時代はない。何が起こったのか誰もわからないからな」

教師が、本人的には最大限わかりやすく生徒に説明している。


 それでも判らないのが、室町時代なのだ。

大和時代以前ならば、資料が少ないものの色々とロマンもかきたてられる。

が、室町時代は一見すると訳の分からない資料でいっぱいだ。

しかも、内容が偏っていたりして判別しづらい。やたら、誇張が多い。

何を考えているのか判らないうえ、行動が矛盾していてややこしい。


 たとえるなら。牛丼が食いたいのに牛丼より50円安いカレーを買ってきて、それをわらしべ長者のごとく牛丼にたどり着くまで交換するみたいなノリだ。 最初から潔く、牛丼を買えといいたい。


 しかも、スターが不在でまるで華がない。

かくいう私も、正直言うとかなり心許ない。

何故か金閣寺に住んでいる将軍義満と、一休さん。それ以外は、蜷川にながわ新右ヱ門さんぐらいしか思い出せない。



「もし、執権.三好長慶が天下を取らなかったら、先生だって歴史の教師にはならなかったと思う」

 きょうしは、しみじみという。


「わははは」 「せんせ~何それ」 「ふふ、おかしい」


 さて、授業のつかみは上々のようだ、生徒に歴史を教えるのは何かと大変なのだ。

難しいが、やりがいのある仕事だと、歴史の教師.十河一馬は思っている。

(おいそこ、”そごう”だ、”とかわ”ではないぞ)

ご先祖様の苦労を後世に伝えることは、子孫として重要な責務なのである。



「では、山田。 なぜ、三好長慶が天下を取れたのか、その要因を言ってみろ」

一馬は、窓際の後ろの席で”ぼ~っ”としている、山田を指名した。


「はい、僕は三好長慶は転生者だったと思います。それか、親父さんの元長が生きていたとか?」


”がたっ”

ギャグのように教卓を倒しそうになる教師そごう


「三好長慶の行動には、不審な点があります。法華宗を使ったり、いい人の方の細川を押し込めたりするのには幼過ぎると思います。それに、当時まだ弱小だった毛利と交渉するのも先読みが過ぎると思います。そもそも、考え方が異質です」


「な、何を言っているのかな? 山田。お、おかしいぞ……」


十河は異常に、動揺している。

(無理もあるまい。その件は三好一族そごうらが、ひた隠す秘密なのだから。)


「せんせ~、山田は、『小説家になろまいか』の読みすぎで~す」

山田の友人、北星矢が手をあげて答える。


「星矢! 何だよ、俺は真面目に答えているぞ………」


「嘘つけ、昨日読んだ、『天下人しっけんになっちゃったっ!! テヘッ』 に影響されたんだろ?」


「ち、ちがうぞ、俺が書いている『天下を取るのは、この俺さ』で、いろいろ調べているんだい」


「あ~テンプレテンプレ」とはやす、きた


”キン~コン~カ~ンコ~ン”

ちょうどチャイムが鳴った。



「コホン、まあなんだ~。三好長慶の事績は、テストで必ず出るから、しっかりと覚えておくように」

十河は、そう締めくくり授業を終える。


「起立~」



三好長慶が作った世界は、今日も平和であった。






― エピローグ ―



「『小説家になろまいか』 かぁ……」


俺は、『蠱毒の王』や、禁書『長慶伝』 が、好きだったな……。


「どうしたんですか? 十河先生」

職員室のマドンナ、岩成 桜女史が、コーヒを両手に尋ねてきた。


「あっ、岩成先生。 ああ、どうも」

差し出されたコーヒーカップを受取り、軽く頭を下げて礼を言う。

こうばしい香りが心地よい。おそらくは良い豆を使ったんだろう。


彼女は、私の隣の席に座った。 (そこが彼女の席だからだ、文句があるか?)



「いえ、『歴史カテゴリ交流企画 』の、どの小説が良かったかという、想い出話でして」


「そうですね~、どの作品も愛がありましたね。皆さんまるで時間がなかったのが、残念でしたけれど……」

そういって、カップに口をつけた。  (いかん、やわらかな唇に目が奪われそうだ)


「主犯と従犯ひさまさがふざけまくったあげく、エタりまくりでしたからね」


「十河先生。作者が生きている限りそれは、”一時保留なのです”。 推敲中なのですよ。たぶん……」

そう言いながら、憂いを帯びた顔で目を伏せ、珈琲の薫りにひたっていた。


彼女のおすすめは、『長慶、違いを判る男になりたい 』だった……。


コーヒ好きかっ!



 ちなみに同僚の秋鷹 遊亭ゆうとのやつのおすすめは……。

『 ドキッ! 有名武将がほぼ転生者の戦国時代の話 ~スキルもあるよ!~』

だった……。

お前、タイトルで作品選ぶなや!    (注:内容も秀逸です。)


”ガラッ”

「失礼しま~す、北星矢です。 十河先生、お願いがあります」

俺が受け持つクラスの生徒、北がやってきた。


「どうした?」

 ああ、この高校は、職員室の一角に生徒が使えるPC端末が置いてあるんだ。

まあ、システムを任された俺と、文芸部担当の岩成先生、それと、『なろまいか』好きの生徒が専有しているのだが……。

早い話、北と山田だ。 岩成さくら先生は渡さんぞ。



「先生、『天下をとるのは、この俺だっ!』 ~天下人になろう~ 』も忘れないでください。山田が泣きますよ」


……宣伝かっ!


「星矢、べつにそこまで真剣にならなくてもいいよっ。それより、僕が知らないうちに『三好長慶に憑依した件』なんていう作品が出ているよっ。見逃してた」

 北の背後で山田 れいが、何やら言っている。


「お前、エタッていたからな」

「む~っ、それを言わないでよ、僕にだって都合があるんだから。そのうち書くよ」


「あ~はいはい、エタエタ乙」

「もう! 何としてでも書き上げるぞ!! みててよ北星矢っ」

おまえらホント、仲いいな。


「みなさ~ん。コーヒーが入りましたよ!」


「ありがとうございます」 「わーい」 「ミルクミルク」




 さて、それじゃあ他の作品の投稿を頑張りましょうかね。





『歴史カテゴリ交流企画』 出品作


『天下をとるのは、この俺だっ!』 ~天下人になろう~


                         これにて、おしまい。


                            ひさまさでした







 こういう終わり方ですいません。

ラストは『交流企画』らしく作品を紹介しながら終わろうと、当初から考えておりました。 

作者の先生方の名前も一部混ぜ込んでおります。 



 一応、年表は長慶の死まで作ってあります。いずれ書く日もありましょう。

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