第二話:幼女の説明
「市川大和さん。聞こえてますか?」
大和が声のしたほうに顔を向けると、眩しいひかりの中に幼女が立っていた。
(これは夢だ)
大和は即座にそう思った。
なにしろ、辺りは一面真っ白で何もなく、目の前に幼女が立っているという現実にはありえない状況だからだ。
「ここは夢の中ですが夢ではありませんよ」
幼女がよくわからないことを言って、ニコッと微笑んだ。
(心を読まれてる?サトリか?サトリなのか?てゆーか眩しいんだけど)
「あ、眩しかったですか?すみません、気が利かなくて。
それから心を読んでるわけではないですよ。夢の中なので、自然と伝わってしまうだけです。
普通に会話も出来るので、言葉にして話してみて下さい」
幼女がそう言いながら眩しいひかりを消してくれた。
「えーと、君は誰なの?てゆーかなんなのこの状況は?夢の中だとか夢じゃないとか意味不明なんだけど」
とりあえず目の前の幼女からは悪意が感じられないので、大和は普通に今がどんな状況か聞いてみることにした。
「そうですね、突然のことで市川大和さんには、わからないことだらけだと思うので簡単に説明させていただきます」
そう言って幼女は今の状況を話してくれた。
幼女いわく、自分は天界に住む神族の一人でエムと呼ばれている。
神族なので現実世界では大和に簡単に会うことはできないらしく、夢の中を利用して会いに来たらしい。
そして大和にやってほしいことがあるそうだ。
「どうです?状況がわかっていただけました?」
幼女が、いやエムがそんなふうに優しく聞いてきた。
「はぁ、そうですね」
大和はなんて答えたら良いのかわからず、曖昧に返事をしてみた。
神族てゆーか神様みたいのがいきなり夢の中にでてきて、はいそうですかと普通に会話がてきるほど大和は夢見がちな人間ではなかった。ましてや相手は見た目10才くらいの幼女である。大和が他になんと返していいのかわからないでいると、どうやらエムはこんな状況が慣れてるらしく説明を続けてきた。
「まぁわからないなりに話を聞くだけでも良いので聞いて下さい」
さらに幼女神様エムが話すことをまとまるとこういうことらしい。
大和にやってほしいことというのは、とある異世界に行ってほしいとのこと
そこは魔物やら魔族やらがあふれるファンタジー世界で
そこに行って死なないように生きてほしいと
別に魔族や魔王やらを倒して世界を救ってほしいとかではなく
ただその世界で人生をまっとうしてほしいとのことだ
「どうです?」
エムが当然いくでしょ?みたいな感じで聞いてきた。