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04従弟と弟と暗殺者

「ってことがあったのよ。アクシスもユーデクスも仕事のし過ぎでおかしくなったのかしら」

「それは彼らに失礼だろう、従姉どの」


「そ、そうね。ちょっと失礼だったわよね。きっとわたくしの聞き間違いよね」

「そうかな、従姉どの。それじゃ、俺の話しも聞くか?」


「え? ま、まさかリヒター。貴方まで変なことを言いださないわよね」

「いいや、ソプラ。お前にとっては変なことさ。もういつからか分からないが俺はお前が好きだ。そうだな、はっきりと自覚したのはお前が女王になった時のことさ。どうして俺はお前の隣にいないんだろうって思った。そしてお前を抱く夢を見るようになった。夢の中ではお前が俺を愛してくれて天国だ。でも目覚めるとなんて馬鹿なことをって落ち込むのさ。俺はお前が好きだ、愛してる。だから抱きたいし、お前からも愛されたい」


「ご、ごめんなさい!!」

「謝る必要はないさ。でもお前にハーレムを作る気があるなら、俺もそこに入れてくれ。お前を抱きたいし、愛し合いたい」


 わたくしは騎士団長室を飛び出した、お行儀が悪いけどスカートで走る。昔、お行儀の時間に怒られたように走る。何かから逃げたい、何からアクシスから、ユーデクスから、リヒターから、もう訳が分からなくなって私は王宮の庭のお気に入りの場所へ逃げ込んだ。そこは薔薇の花に囲まれていて、ちょっとやそっとじゃ見つからないところだった。でもそこへ私を探しにきた者がいた。


「姉上、政務をサポってなにしてるんです?」

「…………レオナルド、わたくしもう何を信じていいか分からないの」


「どうかしましたか、もしかしてあの馬鹿王子や魔法使い、叔父上と何かありましたか!?」

「皆がわたくしを愛しているって言うの。貴方は違うわよね。レオナルド」


「――――ッ!? ……いえ俺も一緒です、姉上、貴女を愛しています。他の者がどう言ったかは知りませんが、少なくとも俺は真剣に姉上。いえソプラ、貴女を愛しています。貴女が姉になってくれた時は誇らしかった。貴女の夫になる夢を見はじめるのにはそうかかりませんでした。貴女と夫婦になって生まれる可愛い子ども、いや子どもがいなくてもいい。貴女と愛し合えるだけで俺は幸せです。どうか、姉上。いいえ、ソプラ。ハーレムの一員でもいいから俺を愛してください」


「貴方まで!? もう今日の政務はおしまい!! わたくしは居室に戻ります!!」


 信じていた弟からも愛の告白を受けたわたくしは居室にもどってベッドに突っ伏した。彼らの言った愛してくれという言葉が頭をぐるぐると回る。でもわたくし結婚は怖いし、彼らを男として見たことがなかった。そのまま夕食も断ってベッドで夜までふて寝しているとキラーが現れた。そうしてふて寝している、わたくしの頭を優しく撫でてくれた。


「もう今日は大変なことがあり過ぎたのよ!!」

「……知ってる」


「さすがキラー、王宮のことはなんでもお見通しね」

「そうできるように自分を訓練したからな。それで誰の求婚に応えるんだ?」


「誰の求婚にも応えないわ!!」

「そうか、良かった。それじゃ、俺を選んでもらえるのかな?」


「まさか、キラー。貴方まで……」

「そのまさかさ。大体な、暗殺対象を生かしておくなんて裏の世界じゃ大問題だったんだ。お前も生かす代わりに別に何人死んだと思う。二十人は超えてるぜ。でも俺もお前を好きになっちまったんだから仕方がない。ああ、俺は欲しいものは我慢しない主義だ。だからこうやってお前に近づいても怒られない距離まできた。なぁ、こっそりでいい。俺を愛せよ。俺一人を愛さなくてもいい、それでもいいから愛してる人間の中に俺も入れてくれ」


 そういってキラーはベッドの上のわたくしを抱きしめてきた。温かい体温が伝わって彼もいきているんだなぁって思った。でもキス以上を求められたら抵抗した。キラーは無理強いするつもりはないみたいで私の隣に横たわって私の頭を優しく撫でていた。そうされると気持ちが良くて、わたくしはいつの間にか眠ってしまった。そうしてその翌日、私はそれぞれ改めて愛の告白を受けた。


「母上、いえソプラ様。僕は貴女を愛してます」


「ソプラ様、貴女を愛しています。魅了の魔法を使いましょうか?」


「従姉どの。いやソプラ。愛してるぜ、いつでも俺のところへ来い」


「姉上、俺は貴女を本当に愛しています」


「暗殺者はな、無理強いはしないが獲物を逃すこともない。愛している、ソプラ」


 これに対する私の返事はこうだった。愛していると跪く彼らを腕組んで見つめて、女王らしく高慢にこう言い放った。


「そんなにわたくしに愛してほしかったら、わたくしを惚れさせてごらんなさい!!」

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