表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

第5話:「学園の影と封印の真実」

放課後の風見丘学園は、静まり返っていた。夕陽が校舎の窓から差し込み、長い影が廊下を斜めに伸ばす。だが、静寂の奥には、これまでの小さな事件の連鎖が潜んでいた。


「翔くん、沙奈ちゃん!今度は図書室と保健室、教室でも…」

部長の小林陽菜の声が、廊下の奥から響く。息を切らしながら駆け寄ってくる彼女の手には、今度の事件に関わる複数の報告書が握られていた。


翔は深呼吸し、頭の中で校舎全体を一瞬で再構築する。

文化祭の展示物紛失事件、部活日誌事件、地下室の封印事件、複数同時発生事件――すべての痕跡が、複雑に絡み合っていることを記憶の中でつなげる。


「複数現場が連鎖している…しかも、単独では解決できない規模だ」

低くつぶやく翔の声に、沙奈は目を細める。


「人の心理、行動、そしてこの校舎自体…全てを読まなきゃならないわね」

沙奈は微細な仕草や表情を読み取り、複数の人物が無意識のうちに事件に関わっていることを察知する。


二人はまず図書室に向かった。書棚の並び、床の埃の偏り、机の微妙な傾き。翔の瞬間記憶能力は、校舎全体の情報と瞬時に結びつき、誰がどの順で通ったかを推測する。


「ここにも共通の痕跡がある…秘密通路、そして地下室への動線だ」

翔は壁の微細な傷や埃の跡を指し示す。沙奈は部員たちを観察し、心理的に微妙な矛盾を突き止める。誰もが知らず知らずのうちに手助けをしていたことが分かった。


次に向かったのは、地下室。以前封印された箱を発見した場所だ。扉の前に立つと、微かに空気が違うことに翔は気づく。箱の置かれた床の埃の形、手の跡、微妙にずれた石板の位置――それらすべてが複雑な暗号となり、事件の解明の鍵を示していた。


「ここで全てがつながる…翔くん、準備はいい?」

沙奈がささやく。二人は深呼吸し、慎重に扉を開く。


地下室は暗く湿気が漂う。古い箱や資料が並ぶ中、影が動いたような気配がする。翔は微細な床の跡と光の反射から、「影の人物」の存在を察知する。


「奴はまだこの学園に潜んでいる…だが、全ての事件は、この場所に収束する」

翔は静かに言った。


沙奈と共に箱の周囲を調べると、暗号と仕掛けが完全に解明される。複数の小事件の連鎖、そして人々の無意識の協力――全てが計算されたトリックだったことが明らかになる。


箱の中には、学園の古い歴史や秘密、封印された資料がぎっしり詰まっていた。

「小さな事件のように見えても、学園全体の過去や影の存在に迫るものだった」

翔が微笑む。


沙奈も窓の外に伸びる影を見つめ、静かにうなずく。

「ええ、影はまだ動き出したばかり…次はもっと複雑な謎が待っているわ」


夕陽に照らされる校舎の奥で、二人の探偵コンビは、新たな事件への兆しを感じ取った。

学園の影は、まだ完全に姿を現してはいない――しかし確かに、動き始めていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ