表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

第4話:「校舎の迷宮と消えた鍵」

朝の風見丘学園は、いつもの賑わいを取り戻していた。しかし、放課後に翔と沙奈が廊下を歩くと、微かな違和感が校舎のあちこちに漂っていることに気づいた。


「翔くん、聞いてください!図書室の蔵書がめちゃくちゃに…」

最初に相談してきたのは、図書委員の佐藤明日香だった。


「そして、保健室からも備品がなくなっているって…」

続いて、保健委員長の声が廊下の端から聞こえた。


さらに教室では、個人のノートが一部消えているという報告まで届いていた。

「複数の場所で同時に事件が…?」

翔は眉をひそめ、瞬間記憶能力でこれまでの校舎の配置や通路を頭に再現する。


沙奈は目の前の部員たちの表情を観察する。目線の揺れ、手の微かな震え、呼吸のリズム。複数の人が焦りながらも、どこか無意識に協力していることを察知した。


「落ち着いて。まずは現場を一つずつ確認しましょう」

翔の声が落ち着かせる。


二人は図書室へ向かう。壁際の書棚、机の配置、床の埃の模様。翔は見たものすべてを頭に刻む。書籍の順序の乱れ、棚の微妙な傾き、床に残るかすかな擦り傷。それぞれの手掛かりが、やがて複雑に絡み合っていることに気づく。


「複数の現場で同じ痕跡があるわ」

沙奈が声を低くする。心理的にも、人々は無意識に似た行動を取ることがある。それが犯人の手助けになっている可能性もある。


翔は次に保健室を確認する。棚の位置、消えた備品の種類、床の埃の偏り。微細な違和感が一つの結論に導く。


「共通点は…ここに通じる通路だ」

翔は秘密の通路を指す。以前、文化祭の事件や地下室の事件で発見した通路だ。複数の事件はすべて、この校舎の迷路のような構造に誘導されていた。


沙奈は部員たちを心理的に誘導する。誰もが知らず知らずのうちに、犯行に協力していたことが明らかになる。手の動き、目線、声のトーン――細かい心理の揺れを見逃さなかった。


「なるほど、これが連鎖していたのね」

翔は微かに笑む。複数の小事件は、それぞれ独立しているように見えて、全て背後で学園の仕掛けが絡んでいたのだ。


最後に、翔と沙奈は「消えた鍵」の存在を突き止める。それは校舎の奥深くにある隠し扉を開く鍵であり、学園のさらに大きな秘密への入口を暗示していた。


「小さな事件のように見えたけど、学園全体に関わる何かにつながっている」

翔が静かに言う。


「ええ、影はまだ動き始めたばかり…」

沙奈はうなずき、夕陽に染まる校舎の影を見つめた。


翔と沙奈の探偵コンビは、今日も学園の迷宮を解き明かしながら、次の大きな謎への足がかりを見つけたのだった――。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ