感情は理不尽だけど
早乙女はステージのすぐ横にいた、特別警備という名目の為ステージのすぐそばまで近づく事ができる、地下の駐車場の柱が2つ破壊されたが、柱も多いし、特に客にバレた様子はない。
追いついた山村は「早乙女さん、首相に言った事、訂正してくれないかな」弱々しい声で言う。
「どうせ、私達は国家機密を知っているから別に取り下げようが取り下げまいが、同じよ、むしろ、私たちを消せば、闇が世界中にバレる事を教えてあげたから私達の安全性は高まっているんじゃないの、そんな事より特等席みたいな所で、ライブ見れるわよ、あんたも一緒に楽しみましょうよ」
「僕は君みたいにメンタルがどうかしてないんだ、楽しめる訳ないよ」
「別に犯罪犯した訳じゃないし、大丈夫よ
」
(オメェのやってる事十分脅迫だよ!)山村は心で叫んだ。
「まぁ、アンタはメンタルが弱すぎると思うけど、それは普通に思う事だわね」
普通に思う事と言った早乙女にまともな人の感覚が分かるんだと山村は何とか首相に対して早乙女の発言を撤回させようと焦っている中でも意外に感じた。
「でも、聞いていたら、一瞬でも楽しめるかもしれないじゃない」
「一瞬楽しんだって」
「アンタに私が思う、少し良いこと教えて挙げようか、よくこの世は理不尽って色々な人が言うけど、人の感情も理不尽なの、思い通りにならない、そんなまともに向き合ってもどうしようもないものには、理不尽に向き合った方がいいんじゃない、今だったら不安をほっといて、このライブ楽しむとか」
「君は僕のように悩んでばかりいる人間の苦しさが分からないからそんな事が言えるんだ」山村は強めに言葉を発していた。
「アンタ、ウジウジ悩むから不幸と思ってる見たいだけどそれが本当に不幸だと誰が決めたの、世間の常識からでしょ、そんなアンタの幸せに何の責任も持たない、漠然としたもの言いなりになって幸、不幸を決めるの、さっきも言ったように感情は理不尽なのよ、人が、どんな酷い人生だったと言っても、自分が幸せだと思えば、それは幸せでしょ」
「そんな事思える訳ないよ」
「それならば、アンタがそんなに不安が強いのは、頭が回るからでしょうから、その頭を少し自分の気持ちを軽くする様に使ってみたらどう」
「何度も試したけど無理だよ、すぐに元通りになる」
「でも、一秒くらいはマシになるんでしょ、元どうりになってもまた考えれば2秒はマシになるじゃない、その一瞬を少し増していくことは可能でしょ、そしたら僅かでもマシになるんじゃない」
「僅かに、なったって…」山村がいい終わる前に、2人がいるステージ横から反対からディアフォードがステージに出て来た。
「ほら、本物よ」早乙女は曲が始まる前からテンションが爆上がりしている。
ドーム中が凄まじい大歓声に包まれている
、横ではしゃぐ早乙女やこの歓声を送っている観客たちを見て、俺もこんな風にに心から楽しめたならなぁと山村は思う、でもさっき早乙女に言われたように、一瞬でもこの時間を楽しめればいいかなとも今は少しは山村は思う、後に面倒な事があるわけだが、一瞬でも楽しもうか、そう考えたとき、曲の演奏が始まった、知っている曲だ、横ではしゃぐ早乙女とドームの大歓声に導かれるように、山村はいつの間にか、この世界のスーパースターのパフォーマンスに見入っていた。
第二章終わり
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