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自分がなりたくない人がいるなら自分の事好きかも

「私にはね、検体になった、少年犯罪者を追って亡くなった兄がいたの」早乙女は神妙な面持ちで言う。


 「兄は、主に少年犯罪を扱う、フリーの記者をしていて、更生していない元少年犯罪達が次々と失踪している事を不振に思い、検体にされていると言う事に行き着いた、この事実をマスコミに公表しようとした所、政府に気づかれ、兄は謎の死を遂げた、いや消された」


 山村は何故、早乙女が元少年犯罪者たちが、検体に使われたという推測に辿りついたのかわかった、早乙女の兄が追ってたのだ、元少年犯罪者を検体にしていた事には意に介していなかった西本の表情が早乙女の兄が亡くなったと言った後、明らかに動揺してるのが、分かった、恐らく、西本の中で、凶悪事件を起こし、何も罰も罪の意識も持たない人間には非情な事が出来るが、それ以外の人には出来ないのだろうと山村は思った。


 「何か君のの兄が殺されてと言う話に証拠でもあるのか」明らかに西本は罪悪感を感じたくない様子で早乙女に言う。


 「証拠をあなたに突きつける事はしないわ

信じたくないならそれでいい、でもあなたに少しでも罪悪感を感じる心があるなら私、、いや被害者の遺族の話をちゃんと聞いてちょうだい」


 西本は黙り込んだ。


 それを見て早乙女はさらに話始めた。


 「私の兄は馬鹿が付くぐらいお人好しでね

、反省してない凶悪少年犯罪者達を放っておく事ができず、何度も反省する様に説得をしていた、そこで、ある一人の無罪になった元凶悪少年犯罪者を説得する事が出来たの、兄嬉しそうに、その時高校生だった私に話していたわ、ちゃんと被害者とその家族に謝罪しに行くと言ってたとね、しかしその後その少年犯罪者が、失踪した、心配になった兄は元少年犯、の行方を探す内に、他にも元少年犯が失踪してるのがわかり、元少年犯達を脳の検体にしてる事を突き止めた、その際、私達家族に自分に万が一の事があったらと遺書を残していた、どこで検体の実験をしてるかは分からなかったけど国が関与していると言う事を書き記していた、それで私が、焼却炉で人間の焼けた後の匂いが染み付いているのと脳の実験をしているという事でさっきあなたに聞いて見たの」


 「科学の進歩、いや真面目に生活を送っている人を守る為にもこの実験は必要なんだ、現に組織は被害を出す為、チート能力者の実験に成功しているじゃないか」自分に言い聞かす様に西本は声を振り絞って言う。


 「そう言う考えならそれで言いわ、だけど理不尽に家族を失った、遺族の気持ちを考えて、私達家族がどんな辛い目に合ってきたか

、子供、大人問わず全ての凶悪犯罪者とアンタ達に言いたいわ、被害者とその人を愛する人達の人生を少しでも考えて、そして苦しみを想像してみて」早乙女は叫ぶ様に言った、


 こんなに早乙女が我を失った様に感情を絞り出すのを見るのは山村は初めてだった。


 西本は言葉を失い、膝から崩れ落ちた、それが西本にとって今まで、罪の意識を大きく感じていたのを誤魔化していた、そしてそれが崩れ落ちた事を意味していると山村は感じた。


 それを見た早乙女は、冷静な表情になって「アンタを責める気はないわ、ただこれ以上犠牲者や私たちの様な目に合う人を出さない為にも研究を続けなさい、それがアンタにできる償いだと被害者の一人として言わせて貰うわ」


 言うと早乙女はスタスタと研究室を後にした、西本が命を断つのではと心配している山村だが、西本は項垂れているが、西本は小声で弱々しく「私のことは大丈夫だから、あの娘を追ってやってくれ」


「ですが、あなたを放っておいたら…」


「私はこれからの人生償いのためにも研究を続けるだからあの娘の後を追って側にいてあげなさい」


「では、失礼して」西本が命を断つ事は今の発言を聞いてなさそうだが、早乙女の心が山村は心配だった。


 走って早乙女に追いついた山村だったがかける言葉が見つからない、すると前を向いていた早乙女が振り返って「何、しけた顔してるのよ」いつもの声色で言う。


 言葉が出て来ない山村を見て、早乙女「アンタさっきの話気にしてるんだ、あれ全部嘘よ」


山村は何が起こったかよく分からなかった。


 戸惑う山村を見ていたずらっ子の様に笑いながら早乙女は「全部作り話、私一人っ子だし両親は元気に暮らしてるわ」


「ついていい嘘といけない嘘があるでしょ」山村は弱々しく返す。


 「あの学者の居直った顔がムカついたのよね、でもアイツが悪人の脳とは言え脳の検体をするのに何も思って無いわけじゃない事は、私程度の心理学の勉強した人間でもわかる、自分で自分をサイコパスだと演じて洗脳してるなと悪人に対してでさえそうなのだから、真人間が心のダメージを受けていると突きつけたらすぐにダメージを受けるとね、それにこの国で研究させる枷をつけたのだから、私のお手柄よ」


 「君のどこか真人間なんだ、君見たな人間にはなりたくないよ」山村はつい強い口調で言った。


 早乙女はそれを見て「アンタ私の方を自己肯定感が高いとか抜かしてたから、自分の事が嫌い見たいだけど、自分がそうなりたくないと思える人がいるって事は自分の事が好きなんじゃない、じゃあ私は疲れたから帰えるわ、報告書まとめて置いてね」


 山村は自分が自分の事を好きなんじゃないと言われて気付いた、そう言えば、今、自分を嫌いじゃない、また直ぐに嫌いな感情に苛まれると思うけど、少なくても今この時は嫌いじゃない、自分の事を少しでも好きな時間があれは、それでいいかな、自身満々に生きるのは無理でも、そんな自分を少し褒めてやってもいいじゃないかと思っていた。


 第一章終わり



 

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