風霜ヴェシカパイシス ~全身記憶喪失の俺は神の力を継いだのに無双出来ないので、せめて記憶だけでも取り戻したい~
霜月ハクト、推定18歳。「11月に保護された白い人」が名前の由来。
その特徴は、白い肌、白い髪の毛、そして白い瞳。
幼少期の記憶も真っ白で、本名も実年齢も――本来の自分の「色」も分からない。
今は家庭的な施設で育てられているが、その特徴が災いし、常に疎外感と孤独感と「自分は何者なのか?」という疑問に苛まれていた。
そんなハクトには、一般人には見えないモノが見えてしまう。
それは「璞(あらたま)」と呼ばれる黒い球体で、人にとりついてはその情緒を乱させ、最後は人格そのものを変えてしまう謎の生物。
璞が見える事で生活に直接の支障は出ていないものの、言いようのない不快感が日々の生活に更なる影を落としていた。
進路も決まらぬまま高校卒業を控えたある日、ハクトは連日火事の夢を見るようになっていた。
その事を長い付き合いのカウンセラーに相談すると、それは「過去のハクトの記憶ではないか」と言われ驚く。
いわく、13年前、ハクトが施設に保護されたのと同時期に、近隣の田舎町である神守町(かみもりまち)で火災が発生し、ある親子が行方不明になっているというのだ。
子の名前は神森風遥(かみもりかざはる)、地域の神社の神主一家の一人息子。
状況からしてハクトが風遥である可能性が高く、一度現地に赴いて確認してみないか? と提案される。
自分は本当に「風遥」なのか? 神守町に行けば思い出せるのか?
ハクトは一抹の期待を胸に神守町に向かうも、女性の姿の璞に襲われてしまう。
訳も分からず恐怖するハクトを、手引きしたのは謎の声。
その導きのまま逃げた先には、神守神社があった。
実は神森家はある異種族と手を組み璞を人知れず浄化することを生業とする特殊な「神主」なのだが、13年前に親子が行方不明になって以来、その成り手が現れずにいた。
ハクトはそれを知らぬまま、封印されていた異種族「理(ことわり)」を目覚めさせた。
彼はハクトの事を「風遥」と呼び、追ってきた璞からハクトを守ろうとするも歯が立たず、絶体絶命のピンチに。
選択肢は2つ――彼を犠牲にして逃げるか、神主の力を継承し戦うか――ハクトは、戦う事を選んだ。
そうして璞を無事追い払うも、ハクトは風遥としての人生と重責を担うことになってしまった。
だが、最終的に決めたのは自分。
ならばいっそのことと、ハクトは風遥としての人生を取り戻すことを決意する。
その特徴は、白い肌、白い髪の毛、そして白い瞳。
幼少期の記憶も真っ白で、本名も実年齢も――本来の自分の「色」も分からない。
今は家庭的な施設で育てられているが、その特徴が災いし、常に疎外感と孤独感と「自分は何者なのか?」という疑問に苛まれていた。
そんなハクトには、一般人には見えないモノが見えてしまう。
それは「璞(あらたま)」と呼ばれる黒い球体で、人にとりついてはその情緒を乱させ、最後は人格そのものを変えてしまう謎の生物。
璞が見える事で生活に直接の支障は出ていないものの、言いようのない不快感が日々の生活に更なる影を落としていた。
進路も決まらぬまま高校卒業を控えたある日、ハクトは連日火事の夢を見るようになっていた。
その事を長い付き合いのカウンセラーに相談すると、それは「過去のハクトの記憶ではないか」と言われ驚く。
いわく、13年前、ハクトが施設に保護されたのと同時期に、近隣の田舎町である神守町(かみもりまち)で火災が発生し、ある親子が行方不明になっているというのだ。
子の名前は神森風遥(かみもりかざはる)、地域の神社の神主一家の一人息子。
状況からしてハクトが風遥である可能性が高く、一度現地に赴いて確認してみないか? と提案される。
自分は本当に「風遥」なのか? 神守町に行けば思い出せるのか?
ハクトは一抹の期待を胸に神守町に向かうも、女性の姿の璞に襲われてしまう。
訳も分からず恐怖するハクトを、手引きしたのは謎の声。
その導きのまま逃げた先には、神守神社があった。
実は神森家はある異種族と手を組み璞を人知れず浄化することを生業とする特殊な「神主」なのだが、13年前に親子が行方不明になって以来、その成り手が現れずにいた。
ハクトはそれを知らぬまま、封印されていた異種族「理(ことわり)」を目覚めさせた。
彼はハクトの事を「風遥」と呼び、追ってきた璞からハクトを守ろうとするも歯が立たず、絶体絶命のピンチに。
選択肢は2つ――彼を犠牲にして逃げるか、神主の力を継承し戦うか――ハクトは、戦う事を選んだ。
そうして璞を無事追い払うも、ハクトは風遥としての人生と重責を担うことになってしまった。
だが、最終的に決めたのは自分。
ならばいっそのことと、ハクトは風遥としての人生を取り戻すことを決意する。
序章
僕と君と思い出の場所 ~炎上~
2025/07/31 08:58
(改)
一章 冬、霜月ハクトの真っ白な未来に色がつく話
目覚めの悪い朝は濃い灰色
2025/07/31 09:02
心の夜明けを感じる時は瑠璃色
2025/07/31 09:08
スマホを持った夜は黄檗色
2025/07/31 09:12
命の危機を察知した瞬間は紅緋色
2025/07/31 09:19
絶望と希望の色は、紫紺に一筋の黄金
2025/07/31 09:22
様々な色が迷い、混ざりきったら榛色
2025/07/31 09:25
覚悟を告げた光風の色は、輝く白と若緑
2025/07/31 09:30
明日の行方が変わった日の空の色は、昨日と変わらぬ茜色
2025/07/31 09:35
長い一日の終わりを見つめる、黒檀と橙色
2025/07/31 09:38
友と語る未来の色は、灰黄緑と灰桜
2025/07/31 09:42
旅立ちの日、その胸の内に秘めた色は――
2025/07/31 09:46
二章 新人同士の奮闘記録
初日朝 説明と契約
2025/07/31 09:53
初日昼 追憶と理想
2025/07/31 12:08
初日夜 歓迎と拒絶
2025/07/31 18:31
初日夜 理と記憶
2025/07/31 18:37
2日目朝 13年前の真実を知る
2025/07/31 19:50
2日目昼 継承の儀式を行う
2025/07/31 19:57
2日目夕方 祖母と夕飯を食べる
2025/07/31 20:01
2日目夜 頭の中を整理する
2025/07/31 20:05
2日目夜 “父親”と再会する
2025/07/31 20:09
3日目昼 神主と理の関係性は、
2025/07/31 20:13
3日目夜 主と陽使の関係性は…
2025/07/31 20:17
三章 最初の町、最初の神主
待宵の月が昇れば独り立ち
2025/07/31 22:07
揺らぐ心は朧のごとし
2025/07/31 22:14
望月の影に潜むる璞の
2025/07/31 22:20
謀りの夜半に我は疲弊す
2025/07/31 22:25
理の想いを繋ぐ感情は
2025/07/31 22:31
すれ違い往く十六夜の朝
2025/07/31 22:42
立ち止まりわが身顧みる感情に
2025/07/31 22:51
寄り添う白と一輪の桜と
2025/07/31 23:05
四章 春の終わりに考えるおめーの事
機能解禁:擬態
2025/08/01 08:36
友人来訪:検知
2025/08/01 22:55
看過理由:困惑
2025/08/02 22:27
父と一緒に考える璞の事
2025/08/02 22:38
陽使と一緒に考える璞の事
2025/08/02 22:45
情報収集:再戦
2025/08/03 17:41
町民再会:依頼
2025/08/04 09:34
標的確認:奸計
2025/08/04 09:42
現場で考える璞の事
2025/08/04 09:49
(改)
璞を浄化して考える事
2025/08/04 09:56
璞について分かった事
2025/08/04 10:02
起動間近:逆月
2025/08/04 10:07
五章 神主の憂鬱は梅雨の如し
持ってはならなかった興味
2025/08/08 08:50
平和に終わるはずだった休日
2025/08/08 09:00
璞主催のゲームへの強制参加
2025/08/08 09:10
風霜分離、そして
2025/08/08 09:20
○○をやめたいと思った日
2025/08/08 09:30
雨が降って固まるもの
2025/08/08 09:40
厚い雲間から、月光が一筋
2025/08/08 09:50
神主を支える人たち:朝から昼にかけて
2025/08/08 10:00
神主を支える人たち:夕方
2025/08/08 10:10
神主を支える人たち:夜
2025/08/08 10:20
狛犬の懸念も梅雨の如し
2025/08/08 10:30
対抗手段は精神世界の中に
2025/08/08 10:40
たとえ暗闇に閉ざされたとしても
2025/08/09 19:40
独りじゃ駄目でも、2人でなら
2025/08/09 20:40
梅雨明けはすぐそこに
2025/08/09 22:53