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囁き少女のシークレットボイス  作者: うみだぬき
夏休みを楽しむために
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39話 期末試験の一個前、中間試験

 透子、佑馬の赤点候補者の二人に勉強の指南をしてから数週間が経ち、期末試験の前身にあたる中間試験が行われた。


「中間試験でまず赤点を回避して、期末試験で必ず赤点を取らないようにしような」

「まぁ今回は赤点取っちゃっても夏休みには響かないし、肩の力抜いてやればいいんじゃない?」

『有咲さん!中間試験も大事なテストですよ!?』


 期末試験の結果によって夏が左右されるのだが、中間試験は赤点を取っても補習などは特にないため、今回は透子たちの成長を確認できる絶好の舞台である。

 かく言う響も、苦手な範囲が試験範囲にまるっきり入ってしまっているため少し不安要素はあるものの、透子たちに比べれば気兼ねなくできる程度の問題だった。



「それじゃあ問題用紙配るぞー、解答用紙配るまで見るなよー」


 最初は国語のテストから開始され、一斉に解答用紙にペンを走らせる。



「止めーペンを置けー」

「まぁそこそこか」


 国語の試験は程よい難易度で八割ぐらいは取れたと思うほどの出来栄えだった。


「響…なんで知らない人間の思ったことを書かなきゃいけないんだ?」

「…あんまり良くなかったんだな」


 佑馬は散々な結果だったようでグロッキーになっていた。

 続いて数学、化学の試験が行われた。どちらも後半に高難易度の設問があり、部分点が貰える所までは式を書いたものの、その後は空白で終わった。


「道元…答えが一つの人生なんてつまらなくない?」

「…ダメだったと…」


 透子は数字や式を見すぎたせいか目がバッテンになっていた。午前最後のテストの歴史ではほとんどの問題が記号式だったのだが、響も唸るほどの難易度で想像通りテスト後に二人がやってきた。


「俺はいつでも前を向いて歩いているから過去は振り返らないのさ」

「うちもアプデが来ないゲームより、今も続いてるソシャゲやる方が向いてるっぽいわ」


 二人の感想を簡潔に要約するのであれば『僕たち、私たちは全く出来ませんでした』ということであろう。

 前半が終わり、英語を残し昼ごはんを食べていた。


「響さん…お二方はもしや…」

「菖蒲の想像であってるぞ」


 二人は何も掴めていない箸を口に運び、虚無を咀嚼していた。


「うちも今回は結構やばいかもなー」

「有咲ちゃん、そう言ってる子はだいたい出来てるんだよ」


 有咲たちは表情を見る限り、そこそこ余裕があるようで話に花を咲かせていた。

 響は佑馬の唐揚げを盗みながら単語帳をペラペラとめくっていた。



 昼休みが終わり、チャイムがなったタイミングでテストが配られる。

 英語は長文とリスニング、リーディングの三つで構成されており、四択の問題も多いため、まぐれで当たる可能性は高いラッキー科目であった。


「響さん、問四答え何にしましたか?私はCにしました!」

「奇遇だな、俺もCにした」



 テストが全て終わり、放課後の教室で試験についていつものメンバーで話し合った。


「テストが終わったが、出来栄えはどうだ?」

「あたしたちには聞かないで…」

「もう終わったことを考えてもキリが無い、違う話しようぜー」

「佑馬君もダメそうだね」


 二人は相変わらず現実逃避をしており、一華にツッコまれていた。大雑把に答え合わせをしたところ、二人を除いたメンバーはとりあえず安心して良い出来栄えだった。



 テストが終わり、次の週の中頃には全てのテストが返却された。響たちは、答え合わせ通り赤点は無く、なかなかの好成績だった。


「で、二人共テストを見せてくれるか?」

「プラシーボが…」

「プラレールの心外だよ!?」

「それを言うなら『プライバシー』な、二人とも『プラ』しか合ってないぞ」


 文句を言いながらも二人は渋々テストを机の上に並べた。


「おぉ…これは…」

「んーやっぱりおバカだったかー」


 一華と違い、オブラートをビリビリに破った発言で二人の体力ゲージをさらに削った。二人は五教科中、二教科赤点回避しており、その他はしっかり赤点だった。

 皆から辛辣な言葉を言われ、椅子に体育座りをする二人に菖蒲が優しい文字で労る。


『お二人共、初めに比べたら急成長ですよ!赤点の教科だって二択までは絞りきれていますし、期末試験までまだまだ時間はあります!一緒に頑張りましょう?』

「菖蒲ちゃーん!大好きー!!」

「女神だ…いや天使か?そんな型にハマる存在じゃないな…新しく『源菖蒲』という枠を作ろう!」


 聖母のような菖蒲を神聖化しようとする二人は、菖蒲の言葉に元気を取り戻し期末試験に対して目をメラメラと燃やしていた。

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