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囁き少女のシークレットボイス  作者: うみだぬき
バレタインデー
226/239

226話 いつもの展開

 久しぶりに響の部屋が大所帯で埋められていた。

 旅行から数日後、春休みを退屈に過ごしているメンバーが続々と集まってきた。


「っおぉ!これが響殿のお部屋であるか!!」

「美神ちゃん?来てそうそう布団に潜り込むのは良くないかも」


 初めて来たはずなのだが、寸分の狂いもなく、最短距離で響の部屋に向かった美神は、永流から引っ張り出されていた。


「笹倉ってもう課題終わったってまじ?」

「うん、暇だったからね」

「うっそ、ならなんであたしは終わってないん?」


 自ら行動に移さなければ終わるはずもないのだが、そんなことも露知らない透子は、不思議そうにしている。

 そんな中、菖蒲は机の上にドンと袋を置くと、皆の注目を集めた。


『皆さんお待ちかねのお土産タイムです!』

「っやったぁ!菖蒲ちゃん大好きー!」

「俺も半分選んだんだが?」


 菖蒲の時とは反対に、透子には『あ、そうなん?あんがとね』と質素に感謝をされた。


「…じゃあ、俺コーヒーでも入れてくるかな」

「しょーがないなー、うちも手伝ってあげるよ」


 透子からのダメージを察してくれたのか、有咲は椅子からスタっと立ち上がると、キッチンにお供してくれた。


「ねぇ響っち?なんか言うことないっ?」

「ん?あぁ、手伝ってくれてありがとうございます有咲様」

「うちにどんなイメージ持ってんのよ」


 有咲はチッチッチと下を鳴らしながら、違うと言わんばかりに指を揺らす。


「うちが聞きたいのは、()()()()()()だよ」


 有咲の人をからかう特有の間が流れる。


「二人きりの温泉旅行、なんにもなかったとは言わせないよ?」


 電子ケトルが急かすようにカチッと音を鳴らす。


「っほら、お湯も沸いたしまた今度ということで…」

「うちから逃れられると思わないでよね」


 有咲はコーヒーをみんなの元に運び終わると、響を一瞥したあと『っそーいえばっ』と話を切り出す。

 菖蒲は誰よりもお菓子を頬張りながら、写真を佑馬たちと共有していた。


「響っちの口から旅行の話聞きたくない?」


 悪ノリを察したのか、永流もそれに大きく頷く。

 佑馬は、何も分かっていなさそうにワクワクと目を輝かせていた。


「道元、文化祭の時も言ったけど菖蒲ちゃんに何もしてないよね?」


 冷や汗が額を流れる。


『っ透子さん何を言ってるんですか!?そんなことある訳…ないじゃないですか…』

「響殿の貞操が…」


 一華になだめられる美神から、絶望にも似た視線を向けられる。


「とりあえず響君、()()聞かせてくれるかな?」


 唯一の助け舟の洋太は『ごめん』と呟きながら、逃れるように目を逸らした。

 何故かいつもこの展開になるのは何故なのだろうか。

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