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豚鬼戰記〜大日本帝國、豚鬼ノ野望ヲ打破ラントス〜  作者: トンキー
第二章 旅順要塞防衛戦
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第五話 「第二次旅順攻略作戦」前編

【1942年11月・大豚鬼帝国】


「旅順攻略に失敗したようでブヒな。」


大豚鬼帝国の執務室で、豚鬼が低い声で陸軍大将・公に尋ねた。分厚い指で机を叩き、鋭い目が公を射抜く。


「左様でございます…」


公が汗を拭い、うつむきながら答えると、豚鬼の声がさらに冷たく響いた。


「将軍よ…この失敗の責任はどう取るつもりブヒか?」


「そ、それは…」


公が言葉に詰まると、豚鬼が机を叩き、怒気を孕んだ笑みを浮かべた。


「言うブヒ!」


「か、かくなる上は、私が直々に前線で指揮を取り、必ず旅順を陥落させてみせます!」


公が勢い込んで立ち上がると、豚鬼は目を細め、ニヤリと笑った。


「ほう…その気概、気に入ったブヒよ。新型陸上戦艦を貴様に与えるブヒ。だが、これ以上の失敗をすれば貴様の命はないと思えブヒ。」


「はっ!この身が朽ち果てようとも、必ず成し遂げてみせましょうぞ!」


公が胸を叩いて誓うと、豚鬼は満足げに頷いた。


1943年2月、公将軍は新型陸上戦艦『亜寓』に座乗し、戦車二個師団を引き連れて旅順へ出陣した。出撃前、公は全軍に向けて叫んだ。


「全部隊に告ぐ!今回の作戦では我々も少なくない被害を出すだろう!だが、この作戦を成功させねば、我等が大豚鬼帝国の未来は暗いものとなる!我々の双肩に帝国の将来がかかっている!必ず旅順を攻略し、本土侵攻を阻止せよ!全力で事に当たれ!」


「はっ!」

兵士たちの声が響き、公が号令を下した。


「これより作戦を開始する!」


こうして、豚鬼陸軍と日本軍による第二次旅順攻防戦が幕を開けた。


---


【1943年2月・旅順要塞】


「敵襲!敵襲!」


要塞内に警報が鳴り響き、司令部の空気が一瞬で凍りついた。


「何!?また奴らか!?」


司令官が立ち上がり、双眼鏡を手に叫ぶ。


「はい!そのようです!」


副官が慌てて報告すると、司令官は即座に命令を下した。

「戦車連隊を出撃させろ!砲兵隊は戦車隊を援護し、敵の進撃を阻止せよ!」


「了解しました!」


日本の戦車隊は豚鬼軍機甲師団に向け突撃を開始した。九五式軽戦車「ハ号」35輌、九七式中戦車改「チハ改」50輌が轟音を響かせて進軍し、後方では砲兵隊が準備を急ぐ。


「敵戦車を発見!」


「よし、撃て!」


チハ改とハ号の主砲が一斉に火を噴き、正確な射撃で豚鬼軍の軽戦車「通天」を次々と撃破。しかし、数の優位を誇る豚鬼軍機甲師団は進撃を止めず、ついに要塞から20キロ地点まで迫った。


「奴らが来るぞ!砲兵隊、砲撃開始!」


「了解!」


要塞に設置された九六式15cm加農砲と41cm砲が轟音とともに発射され、砲弾が豚鬼軍機甲師団に降り注ぐ。戦車が次々と爆発し、大損害を受けたが、それでも敵は要塞に肉薄してきた。


「敵戦車がすぐそこまで迫っている!爆撃隊に支援を要請しろ!」


要請を受け、九七式重爆撃機20機、九九式双発軽爆撃機30機が要塞付近の飛行場から飛び立ち、豚鬼軍戦車に爆弾を投下。爆発と土煙が戦場を覆い、機甲師団はさらなる打撃を受けた。


だが、その瞬間、地面が大きく揺れ、要塞前方30キロに全長30mを超える巨大な影が現れた。陸上戦艦『亜寓』だった。


「何事だ!?」


「要塞前方に巨大戦車が出現!爆撃隊が攻撃中ですが、50キロ爆弾では全く損傷を与えられていません!」


「何だと!?」


「巨大戦車は要塞に接近中!このままでは要塞が危険です!」


司令官が歯噛みし、叫んだ。


「41cm砲と15cm砲は巨大戦車を狙え!敵戦車隊は爆撃で対処しろ!」


「了解!」


---


【陸上戦艦『亜寓』・艦内】


「敵要塞まであと30キロ!」


艦橋で、公将軍が双眼鏡を手に命令を下した。


「よし!砲撃開始だ!敵要塞を木っ端微塵にしてやれ!」


「了解!」


『亜寓』の主砲が火を噴き、要塞の15cm砲群に砲弾が命中。爆発が響き、砲台が次々と破壊されていく。


「よし、この調子だ!砲撃を続けろ!」


『亜寓』は陸上戦艦の名に恥じない火力で日本軍守備隊を蹴散らし、ついに要塞まで20キロ地点に迫った。


「敵要塞まで20キロ!」


「このまま砲撃を続けて要塞を陥落させろ!」


公が満足げに笑みを浮かべた瞬間、衝撃とともに『亜寓』が爆炎に包まれた。


「何だ!?何が起きた!?」


艦橋が混乱に包まれる中、兵士が叫んだ。


「旅順要塞からの砲撃と思われます!」


「馬鹿な!?我が艦は15インチ砲に耐える設計だぞ!」


「そ、それが…敵要塞砲の口径は推定16インチとの報告です!」


「16インチだと!?そんな馬鹿なことがあるか!そんな砲を持つ要塞など聞いたことがない!」


「で、ですが…」


「もういい!とにかくあの砲を黙らせろ!」


「はっ!主砲発射用意!」


「撃て!」


『亜寓』の主砲が再び火を噴き、要塞に命中。しかしその瞬間、再び衝撃が艦橋を襲い、爆音が響いた。


「怯むな!撃て!撃ち続けろ!」


「了解!」


両者の砲撃戦が始まったが、火力で劣る『亜寓』は徐々に追い詰められ、黒煙を噴きながら数発被弾。艦橋は炎と煙に包まれた。


---


【旅順要塞司令部】


「敵巨大戦車沈黙!繰り返す、敵巨大戦車沈黙!」


見張り員の声に、要塞司令部が歓声に沸いた。


「撃ち続けろ!敵は着実に消耗しているぞ!」


だが喜びは束の間、燃え盛る『亜寓』が再び動き出し、砲撃を再開した。


「馬鹿な!奴は化け物か!?」


「そんなことはない!奴はもう虫の息だ!徹底的に撃て!」


激しい砲撃戦が続き、『亜寓』の砲弾が41cm砲に直撃。砲身が砲架から外れ、砲撃が中断された。


「41cm砲に直撃!砲身が砲架から外れ砲撃不能!」


「何だと!?」


「各員、砲の修理に回れ!」


「了解!」


しかし、41cm砲が修理中の間も『亜寓』の砲撃は続き、要塞守備隊に着実な損害を与えていた。


「砲兵隊より緊急入電!敵巨大戦車は攻撃の手を緩めず、要塞に接近中!至急援軍を要請とのことです!」


「くっ…仕方ない。海軍に支援を要請しろ!」


「はっ!」


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