表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソング・バッファー・オンライン~新人アイドルの日常~  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』
6章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

492/553

『岩戸』へ


「じゃあ新大陸に行くには、交換武器じゃないとダメなんですか」

「まー、それはそう。その方がいい。俺も途中までしか育ててなかったから結構苦労したんだけど、新大陸に武具スキルツリー用SP(スキルポイント)経験値増加アイテムっていうのがあってね。それをエルミーのアイテムドロップ率上昇歌バフで死ぬ気で集めまくって今なんとか」

「あれは……地獄だったね。久しぶりにあたしも『このゲームやば』って思った」


 すごい、重度のゲーマー二人が虚無の表情だ。

 相当クソファームだったんだろう。

 しかし新大陸、聞けば聞くほど面白そうである。

 そう、『SBOソング・バッファー・オンライン』、普通に面白いゲームなのだ。

 本業が忙しくなければもう少し潜ってちゃんと遊びたい。

 そういえば綾城と婚約者さんも出会いはゲームだったという。

 別に自分も“彼女さん”がほしいわけではないが、ゲームの中での出会いというのもまた、人生で大きな転機になることもある。

 実際、エイランとエルミーはゲームの中で出会ってそろそろ四年らしい。

 腐れ縁と言っていたけれど、きっとこの先も一緒にゲームしていくことだろう。

 こんな出会いがあったらいいな、と少し憧れる。


「えっと、では『岩戸』に移動しましょう。いつまでも、くっちゃべってたら時間なくなりますしね。それで、星光騎士団の人が六人?」

「はい。ごたちゃんはこのあと予定があって」

「で、俺とナツメとエルミーか。もう少しレベル高いところに行ってもよさそうだけど」

「レベリングのキャリーでしょぉ? 『岩戸』でいいよぉー。新大陸行けないなら『岩戸』が一番レベル高いダンジョンでしょーしー」

「っスね!」

「ああそうか。じゃあパーティー組んでー」


 はーい、と全員でパーティーを組む。

 六人+三人の合計九人でもパーティーが組めるんだ、と鶉が呟く。

 そういえばこの子ソロプレイヤーだった。

 

「一応ギルドが最大二十人。パーティー人数最大十人。レイドパーティー連携システムがあって、レイド戦なら十パーティー連携可能だよ」

「それって実質百人でレイドボスに行けるってことですか……!? ヤバすぎません!?」

「確かに、なんでこんなにパーティー連携できるんだろう?」

 

 エイランが丁寧に説明してくれた内容は、正直淳も知らなかった。

 むしろ反応は鶉寄り。

 歌バフの存在で、レイド戦はさほど難しいものではないはず。

 それなのにパーティー連携が必要か?


「噂だと『大陸ボス』がいるからだって聞いたな。新大陸にはいるみたい。中央地下と上空。ダンジョンボス五体分の体力とバグか? ってレベルの攻撃力と防御力。倒せるように設定されてないって。色々聞くね。実際に見たことはないけれど」

「えー、そんなのいるんですね」

「新大陸で噂になってるよねー。あたしもまだ見たことないんだけれど、中央地下神殿でガーゴイルの石像を見つけて、それがガードブレイク設定の並外れた体力が表示されてたって。天空にも浮島があって、『望遠鏡』っていう敵ステータスが見られるやつを向けたら浮島中央にガードブレイクが上から下までびっしり四回分設定してあるバケモンのHPが見えたとかなんとか。浮島なんて行き方もわからないし、姿も見えない。ただバケモンみたいなHPだけが見えて、多分あれは大陸ボスだ、とかそんな噂だけ流れてる感じ」

「やばいですねー」


 ガードブレイクとはワンメーターのHPを破壊しても次の体力ゲージが表示されるやつだ。

 あれが四回分。

 さらにそれが何段もある。

 四回分だけでも心折れそう。


「歌バフありでも体力削るのキツイですね、それ」

「そうそう。だから多分そのぐらいレイドパーティー組まないとダメなんだと思う。あれだよね、去年のレイドイベントでアイドルがステージで歌ってサーバーに歌バフをかけてくれた結果、そのぐらいヤバい敵で大丈夫って思われたんだろうね、運営に」

「えぐい……。つ、つまり、レイド戦用ってことですか?」

「多分? 詳しくは公式発表を待つばかり? でもなんか新大陸はその敵をどうやって倒すかとか、どんな敵なのか、とかで盛り上がってるね」

「行きたーーーい!」


 叫ぶ淳。

 なんだそれ、地味に情報が取れるがそれ以上は不明という一番もやもやする考察が捗るやつ。

 ゲーマーたちはそういうの大好き。

 淳もゲーマーというほどではないけれどオタクの生態としてそういう情報焦らしプレイ大好きである。


「行こう! 音無くん! 君はあと少しで新大陸に行ける!」

「はい! 行きたいです!」

「レベリングに行きましょう! 音無先輩! オレ、音無先輩の歌バフがあれば『岩戸』のダンジョンボス単身で倒せると思うので!」

「強すぎない?」


 力強くそう言ってくれるエイランと、拳つきでなんかとんでもないこと言い出す鏡音。

 レベル、あと12だ。

 あと12でレベル100。

 新大陸まであと12。

 全員でエルミーの持っている定点テレポートでシックスソングから新大陸に最も近い最高レベルのダンジョン『岩戸』へと向かった。


「今回のダンジョンでレベル12、上がりますかね?」

「どうだろう? ダンジョンボスの『五頭蛇』を八回くらい倒したらいけるんじゃないかな?」

「レベル100ってそんなに遠いんですか!?」

「レベル90以上は結構経験値必要だね」


 わちゃわちゃとそんな話をしていると、光の輪が展開。

 輪を通ると、景色が薄暗い岩山のど真ん中に変わる。

 見上げると長い岩に囲まれた高所。






◇◆◇◆◇


大変申し訳ないのですがSBOの更新、またちょっとお休みします。

早く終わらせたいがために日々の執筆SBOに時間を費やしすぎてしまってお仕事の方が進んでないのがまっっっずい。

お仕事優先させますすみません。

再開できそうになりましたらTwitter x垢でお知らせします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【宣伝】
『不遇王子が冷酷復讐者の手を掴むまで』(BL、電子書籍)
5cl9kxv8hyj9brwwgc1lm2bv6p53_zyp_m8_ve_81rb.jpg
詳しくはヴィオラ文庫HPまで

『国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!』アンダルシュノベルズ様より発売中!
g8xe22irf6aa55l2h5r0gd492845_cp2_ku_ur_l5yq.jpg
詳しくはホームページへ。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ