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レプレッションのメンバー候補(2)


 エアリム・ルークス。

 西雲学園国際学科に通う三年生。

 イギリスとアメリカ人の祖父母とイタリア人と日本人のクウォーター。

 性格についてはさわり程度しか知らない。

 幼少期から海外でキッズモデルをしていたのでかなり高飛車。

 自信家で、神野栄治に出会うまで当時イギリスでは自分がトップモデルだと自負していた。

 噂ではライバルを裏から手を回して蹴落とし、地位を盤石にしたとかなんとか。

 しかし、神野栄治という日本人モデルが来てから彼の生活は一変。

 ライバルらしいライバルがいなかった彼は、最初こそ日本人という小柄な彼を馬鹿にしていたがスキャンダルもない完璧な生活をする彼にすっかり心を射抜かれた。

 モデル暦は長いものの、エアリムにとって『完璧なモデル』は神野栄治以外に存在しないと結論を出したらしい。

 また、神野が同性愛者なのもオープンなので、そこもお気に召したそうな。

 

(まあ、これだけ綺麗なら……イケると思うのが普通……なのかな?)

 

 と、淳も見上げてしまう。

 いや、アンニーズも身長は185センチは固い高身長。

 そんなアンニーズと劣らない長身が、ついに淳たちの真横に立つ。

 どこを切り取っても間違いなく美しい金髪碧眼の超美人。

 

「アー。アナタ知ッテルヨ。エアリム・ルークス」

「そう! ねえ、聞いてた話と違うんだけど〜? カイセイってやつじゃなかった? お前あれだろ、カズサのところのやつだろ。なんでいるの?」

「あれ? 聞いてませんか?」

「聞いてるけどー! お前じゃなくてどうせならカズサが来ればよかったじゃん! 僕、美しいものが好きなの! お前よりカズサの方が美しいじゃないか!」

 

 キャラ、濃……。

 淳、さすがに圧倒されて言葉が出なくなる。

 色々なキャラの濃ゆいアイドルを見てきたが、その中でもトップクラスに濃ゆい人種だ、エアリム・ルークス。

 出会い頭にこれはひどい。

 

「ええと、お二人は日本にまだ不慣れなところがあると聞いていたので、社長に頼まれて……」

「知ってるってば!」

「え、ええ……?」

 

 知ってるのにいきなり『聞いてた話と違う』って言ったのかこの人。

 想像以上にやばいな。

 

「カイセイってやつと、お目付け役にエージが来るって言うから来たのに!」

 

 ああ、そういう意味か。

 そこそこ早い時間に待ち合わせ。

 仕事に行く前に神野がお目付役として頼まれていた。

 

(……この人を呼び出すためかぁ……)

 

 さすが社長。

 わかっておられる。

 

「うるさ。お前さあ、日本では騒いでいい場所が限られているって前に教えたよね? 頭鳥なの?」

「エージ!」

 

 はあ、と心底面倒くさそうに近づいてきたのは神野栄治プロデュースの花房魁星。

 ブランド物のダメージジーンズにウニクロの黒いシャツ、多分神野の私物のサングラスとネックレス。

 靴もあまりお高くはないスニーカー。

 多分神野的にもっと高いモノで固めたかったのだろうが、魁星が卒業後の一人暮らし資金が削れるのを嫌がったのが目に浮かぶ。

 これでもかなりお互い妥協し合ったらしい、双方の不満顔。

 

「も~、どこにいたの~? エージがいるっていうからトレーニング行かずにこっちに来たのに~」

「うるさいって。声を押さえるってことができないの? お前そんな簡単なこともできないわけ?」

 

 辛辣。

 

「相変わらず僕に興味なさすぎない? 僕ほど君に相応しい美貌の持ち主はいないと思うのだけれど?」

「何回も言っているでしょ? 俺は同年代がいいの。歳の差があっても三歳以内。同業モデルも却下。だからお前は俺の恋愛対象外ね」

「だから! 僕がアイドルになるって言っているでしょう! アイドルならモデルじゃなくなるから同業でもない! つまり、あなたの恋愛対象になりえますよね!?」

「年齢のことスルー?」

「まだギリギリ三歳差ではないですか!」

「四歳差でしょ。子どもには興味ないの。とくに精神的なガキは本当にマジでない。あと、お前シンプルに筋肉足りない」

 

 神野栄治、結構がっしり筋肉ムキムキタイプがお好み。

 実はこれ、結構神野栄治ファンの中では有名。

 ガチ恋勢はまず『同性愛者』で大半が撃沈するが、男性のガチ恋が現れても『ガチムチマッチョが好み』で半数が撃沈する。

 それでも一部は筋肉を鍛え始めるが、トドメに『俺より背が高くて高収入で犬好きで好き嫌いがなくて俺の作ったものに文句言わず美味しく食べてくれて、一緒にトレーニングして世界一大事にしてくれる包容力のある人』で結構脱落する。

 いきなり面倒くさい女みたいなこと言い出すので。

 

「筋肉なら今鍛えてるよ! だいたい、君の収入だって僕より低いし僕の方が君より八センチは高いし、犬だってLoveだし! 君の作るものならなんでも美味しく食べるし一緒にトレーニングもするし世界一大事にするよ!」

「本当にうるさい」

 

 あ、この人ガチじゃん。

 淳にとって神野栄治は神。

 信仰対象。

 ガチ恋勢をそれなりに見てきたが、エアリムほどのガチ勢は初めて見たかもしれない。

 

(一晴先輩は……あれは栄治先輩担だからガチ恋とは違うしな……)

 

  まあ、とりあえず神野にその気がまったくなさそうなのでファンとしては一安心、か?

 別にエアが嫌いというわけではないけれど。



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