表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

154/553

店舗準備


「サイリウムは『灯火ボンボンの軽光』と『鉄ウナギの鱗』×十枚で、着色は着色料で可能。せーの」

 

 と、モニターにアイテムボックスからタップで移動し、セットして『実行』をタップ。

 するとポン、とサイリウム[赤]が作成された。

 

「わあー。本当にできたぁ」

 

 アイドルグッズを自作できる。

 推しうちわは自作できたけれど、サイリウムや缶バッチは業者じゃないので自作はできない。

 特に“推しぬい”――推しを模したぬいぐるみ。

 そして推しフィギュア――推しを模した人形。

 一度後藤に「綾城先輩や神野様に似せたSDとか作れます?」と聞いたところ、かなり困ったように眉尻を下げられたあと、首を横に振られ、そっとSDのカタログを差し出された。

 SDに触れられるのは嫌なのかなぁ、と思いつつ差し出されたSDのカタログを開いて目玉が飛び出たのは言うまでもなく。

 あまりの価格並びにガタガタ震えながら脂汗を流しつつ後藤を見上げた。

 無言で再び首を横に振られる。

 要するに「高額なのでお薦めはしない」という意味らしい。

 SDはアレだ。美術品だ。

 SDを嗜むのは富裕層と愛ゆえに人生を捧げる覚悟のある者だけだ。

 他にもアイドルグッズは幅広い。

 チェキ、カード、手帳カバー、カードケース、筆記用具、ポーチ、鏡などのコスメグッズ、推しイメージのアクセサリーなどなど。

 最近は缶バッチを敷き詰められるリュックやカバンも人気だ。

 淳のような男が持ち歩くのなら、手帳カバーやカードケースが好ましい。

 しかしながら、作りながら思ったのだが――

 

(これって推しの許可が必須なのでは?)

 

 推しの顔やサイン入りのグッズは、少なくとも公式グッズでしかあり得ない。

 そういうものは肖像権が関係してくるため、個人で楽しむ以外――たとえば販売なんてしようものなら、権利侵害で訴えられる。

 

(ってことは推しうちわで、名前の入ってないものとかを作って売るしかない……?)

 

 色々な色のサイリウムを作り、お客さんが推しのイメージカラーのサイリウムを選んで買う、とか名前の入っていない推しうちわを作って展示しておくしかない。

 今更ながらガックリはしたけれど、推しうちわ自体が今までなかったことを考えると推しうちわを作れると思えばかなり改善したと思う。

 

「とりあえず色々な色のサイリウムと、推しうちわを作ってみよう。……あと、チェキ」

 

 チェキカメラ。

 推し、または推しとの写真を撮ってすぐにプリントし、写真をお持ち帰りできる最強グッズの一つ。

 そんなことをしなくても、手で四角を作ればスクショが撮れるのだが、チェキの強みはその場でプリントした写真に推しからサインを書いてもらえる点。

 スクショでは、不可能だ。

 

(つまりサインペンも必要ってこと――!)

 

 というわけで数種類の色のサインペンも作成。

 作ったドルオタグッズは店舗に並べて、値札に金額を設定していく。

 まだ開店していないのだが、ひとまず商品はいくらあってもよかろう。

 カタログにチェキカメラがあったので、三台ほど作ってそれも並べる。

 そしてメインとして取り扱うのは推しうちわ。

『一生押推す』『愛』『好き』『ウインクして』『バッキューン♡して』『愛してる』『ハート♡作って』『ファンサして』『○○担』『○○箱推し』など、名前を入れたい人には追加で依頼をしてもらうということで。

 

「うわー! お風呂から上がったら一気にお店っぽくなってるー!」

「チコ、おかえり。とりあえずこのくらい作ってみたよ。どうかな?」

「最高〜! ……でも、名前とかは入れないの?」

「お客さんによって推しは違うから、購入時に推しの名前を入れてもらうようにしようと思って。あと肖像権があるから、推しの顔や名前入りのグッズは控えた方が無難かなと」

「あ、そっかー。サインとかも公式以外は捏造になっちゃうもんね。そっかぁー……。確かにそれじゃあ、応援用のグッズを作って売るのが無難だね。ってことは他に作れるのは……(たすき)鉢巻(はちまき)、はっぴと旗、推しリュックとか?」

「うん、その辺だよね」

 

 推しの缶バッチを敷き詰めるリュックは、チコが「任せて」と言う。

 しかし(たすき)や鉢巻系はともかく、はっぴは“上着”の装備品なのでは?

 そして旗。

 旗はライブに持って行けるサイズしか作れないだろう。

 部屋に飾るレベルのものは、公式グッズでないと

 

「アイドル応援グッズに囲まれてるだけでテンション上がるぅー」

「わっかるぅー」

 

 これでいつでも推しを応援できるぜー、とニタニタしながら無難なグッズを作成していくドルオタ兄妹。

 適当に貯めてきたなにに使うかわからなかったアイテムが、ここで利用できるのも楽しい。

 

「あ、うちわ用のアイテム足りなくなっちゃった」

「サイリウム用のアイテムも……。狩りに行こうか」

「行こうー!」

 

 他のアイテムもほしいし、もう少しレベルを上げれば別の職業も解放される。

 主に中位職。

 しかし二人だけなのも寂しいので、フレンドを検索してみる。

 知り合いでログインしているのは――

 

「フレンドで、誰かログインしてる?」

「うーん、誰もいないなぁ――ん?」

 

 ポコン、と情報が更新される。

 フレンドの一人がログインした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【宣伝】
『不遇王子が冷酷復讐者の手を掴むまで』(BL、電子書籍)
5cl9kxv8hyj9brwwgc1lm2bv6p53_zyp_m8_ve_81rb.jpg
詳しくはヴィオラ文庫HPまで

『国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!』アンダルシュノベルズ様より発売中!
g8xe22irf6aa55l2h5r0gd492845_cp2_ku_ur_l5yq.jpg
詳しくはホームページへ。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ