23.氷の鳥籠②
「………」
「黙るなよ、答えになっちまうぞ」
「否定する」
「それ以上は?」
「教えるか」
「りょーかいなるほど、思ってたよりも複雑そうだな」
余裕を取り戻しきったユーリはくつくつと笑いながら思案している。
「オレの知っているラゥルトナーは潔癖症だ。なのにどうだ、少年と従者ちゃんの存在がそれをおかしくしちまってる」
「貴方が知る必要はありません。我らが主の御心が何よりも深く広いというだけということに他ならない」
「んー、まあその通り。ともいえるんだが…? なんともかんとも、事態は想像以上に面倒くさい方向へ行ってたらしい。それも、大分前からと来た。オレは除け者、さみしいね」
やれやれとかぶりを振る姿は呆れたかのようで、こちらの全部を見透したかのような態度は腹立たしい。
「で、順番だ。俺たちの聞きたいことは教えてくれるんだろうな」
「ああいいぜ、少年と同じように是か否の単位でなら答えてやろうじゃ——」
「完璧に答えると言っていたはずですが」
「——っかァー…ッ。しっかたないなぁ従者ちゃんはぁ! 一つだけだぜ少年っ!」
「………すまん」
「いえ…、ヨナギ様のお役に立ててよかったです……、ハイ…」
コイツ、いちいちこっちの緊迫感を破壊してくるのはどうにかならないのか。シエに話しかけられただけで異様にテンションが跳ね上がってる。
大抵のものはとりあえずそのまま受け入れる性格のシエの方が引いてるくらいなのだ。傍目に見るその馬鹿さ加減は並大抵のものじゃない。
「なんでここでそれほどの力を扱える。大方、さっき地面に打ち込んだ楔が関係してるんだろうけどな」
「流石少年。ああその通り、あれを打ち込むと一定範囲と時間だけ能力元通りってな。オレが作った、器用だろう?」
「…器用だなんてもんじゃない、作っただと? お前が?」
「ふっ、ああそうだ。これでもナイギの歴史一の才能を持つとさえ言われたり言われなかったりしてるんだぜ。ただまあ作るのに時間が掛かるのがネックだな。ヌイちゃんに一個使っちゃったから、正直今回使ったのが今のところ最後だ。おかげで次に来ようもんなら今度こそ死んじまうね」
息をついてやれやれと大仰にポーズをとっているユーリの姿は輪郭以外がぼやけていて、話にある効果時間が切れてきているというのが目に見える。
「…さぁて、雲行きも怪しくなってきたしお別れの時間だ。従者ちゃんともっとお話ししたかったがそうもいかない。死んじまったらそこまでだからな、とっとと退散させてもらうとするよ」
雨雲が覆い始めてきた空を見上げ、もう話は終わりだと背を向けるユーリ。
あまりにもマイペースなその行動に一瞬呆気にとられるが、シエはそれを許しはいない。
「待ちなさいっ、逃がすわけにはいきません——っ!!」
「追ってきてくれるのは男冥利に尽きるが…、残念だが従者ちゃんの能力じゃオレを追っかけられないよ。攻めに転じるには受け身すぎるからな」
「く———っ」
力は弱まってきているはずなのに、それを感じさせることの無い幾重もの氷の防壁が築かれる。
シエは『四方界』によって広範囲攻撃を可能としているが、あれはあくまで防御のための能力だ。迫りくる脅威に対しては力が増幅するが背を向ける相手に対しては弱まるという裏の面も持っている。
侵入した時のように、鳥籠の壁を破壊した『破界』を扱うにしても円を刻みつける必要があり、防壁の向こうで立ち去ろうとするユーリに追いつくには足りない。
「追いつけないな…、今回は行かせるしかない。……、———」
「……っ、はい、分かりました」
氷壁の影となったユーリがさらに薄く、遠くなっていく。もう、追いつくことはできない。
「じゃあな少年、従者ちゃん。次会う時にはちゃんと準備してくるからさ、色々話を聞かせてくれよなー」
だが、その理由はすでに過去のものだ。
——なぜならば、この手には破壊の力を宿し、血に塗れた刃が握られているのだから。
「四方展開、破創混成領域——『滅刃』!!」
ゆえに氷の防壁など取るに足らないガラス細工。剣の一振り、そこから放たれた閃光は世界から消えゆく影を狙いすまし、氷壁を“切り刻みながら”突き進んでいく。
「ふ…ッ!」
剣から溢れる刃状の界燐を引き連れながら、開かれた道を一直線に直走る。
崩れ落ちる氷壁、破壊しようとも人の通ることのできないほどに狭さならば防壁としての機能を果たしているのだとしても——。
「援護任せた——ッ!!」
「ハイッ!!」
彼女の前では無意味だろう。
既に地面に描かれた真円、その中央に立つ少女の能力によってかつて氷壁だった破片は吹き飛ばされ、主の道筋を創り上げる。
攻撃ではない、主へ迫る破片からの守護なのだから彼女の力はいかんなく発揮されている。
「逃がすわけないだろうがっ!!」
最後の防壁を抜けた時、そこに居たユーリは輪郭さえもぼやけた影法師でしかなった。
つまり、それほどまでに存在自体が“弱まっている”ということにほかならない———。
このままこの世界から逃がさなければそれだけで消滅するのだから、わざわざ指をくわえながら見逃がす理由も無い。
「例の『楔』を使い切ったなら、もう『四方界』も使えないだろうがッ。ここで倒す!」
「………マジかー。少年…、嘘は良くないぜー…」
「知るか!」
落胆しているくせにひらひらと剣を回避しながら、周囲から氷によって創られた槍や壁そのものが襲い掛かる。
だが、さっきまでよりもずっと弱い。振るう度に剣から溢れ続ける光の刃は本来の間合いを超えた攻撃を可能とし、変化し続ける間合いにユーリも対応しきれていないでいる。
「っかぁー! なんだよなんだよ、そういうことかよっ。そういうの卑怯っていうんだぜ!? こちとらもう戦う力も無くなってきたってのにさぁ、ほっといたら死んじまうくらい弱っちいんだぜオレ!!」
「それが事実であるならばますます逃がすわけにはいきません」
そして、その行動はシエによって打ち滅ぼされる。
どれほどの些細な行動であろうとも、彼女の前では防がれ、無に帰していくのだから。
「くぅーー!! そりゃそっちからしたら何も間違ってねえわな、あーあー、従者ちゃんに追いかけられたいとは言ったけど出来ればもっとロマンチックな——」
「黙ってろ!」
「ぐ——っ」
光刃が影法師をわずかにとらえる。
肩口を切り裂き、薄く血しぶきを上げさせた光刃は留まることを知らず、光刃の中ほどから新たな光刃が生み出され、更に襲い掛かろうとする。
「クッソ、武器で囲うとかじゃなくて武器から武器出てくるのはズルいだろっ!」
「お前のも似たようなもんだろうがッ!」
「はっはっはー、確かになっ! にしても、これはズルいぜ少年…っ!!」
既に、剣本来の間合いなど意味を持ちえない。
振るう度に生み出される『界燐』の光刃は敵に襲い掛かるがそれだけにとどまらない。斬撃となった衝撃波から新たな光刃が生み出され、全くの別方向から襲い掛かるのだ。
近接武器である剣、その間合いの超越と防御、回避を阻み続ける。彼の持つ本来の『四方界』が姿を現した——!
□ □ □
攻勢に転じた少年の基本的な剣戟でありながら、不規則に放たれる斬撃を第六感で回避しつつ氷籠の主は考える。
(ったく…少年の能力相手なら先手さえとれば完封できると踏んでたんだが…、まさかの隠し玉だ。あの剣、よっぽどの代物だな。異様なまでに『界燐』の奔りが良い。世界に数本レベル、ってところか…)
少年、ヨナギがどこからか手にした剣、あれはヤバイ、すさまじくヤバイ。いうなれば国宝、神器の類だ。その剣に対してヨナギはある細工というか仕込みをしている。
(武具に対する徹底的な順応、いや最適化か。どおりで『界燐』が少ねぇのに動きがいいわけだ、あの剣使うならそっちの方が全然効率良い)
ヨナギは、天才のオレから見ても強い部類だ。
それは街中に結界の仕込みがあったとはいえ、レギオンを追い返したのだから間違いない。だが、『四方界』を扱ううえで必須エネルギーである『界燐』の保有量が異常に少ない。
『四方界』覚えたてのガキにも劣るくらいだったから不思議だったが、ようやく合点がいった。
「少年っ、お前その剣に何割埋め込んでる…ッ!」
「言うかよマヌケ、此処で死ぬにしても情報はやらん」
(ったく、しくったなぁ…。攻撃しようにも従者ちゃんに防がれてるし)
さっきとはまるで正反対、調子こいてた過去の自分を心の中で馬鹿にするが今更仕方ない。だが、オレとしてはそんなことよりも、改めて少年に興味が湧いてきた。
コイツ、剣に自分自身の『四方界』の術式を組み込んでいやがる。
要は特定の武器を使う時だけパワーアップって代物なんだが……。この方法をラゥルトナーが用いるなど”本来あり得ない“。
「ハハハハ——、やっぱりそうだな? そうなんだな? どうにもおかしいと思ってたんだ。ラゥルトナーがその方法を使うだなんてあり得ないもんな! いやいやいいぜ、オレは気にしねえ! むしろ気になってたことが一つ解消されてスッキリってやつだ!」
理解した、納得した。ヨナギ・アマナ、お前は——。
「黙りなさい——」
「あ…?」
理解して、納得して、気が付いたら胸を貫かれていた。
うん、そりゃ従者ちゃんには心奪われてるさ。
少年に健気に尽くしてる姿は可愛くて仕方ないし、なによりも心が綺麗だ。透き通る瞳、少しくすんだ灰色の髪なんか見てると幸せにしてやりたくてたまらなくなる。
しっかしなぁ…? 物理的に貫かれるのはちょっとキッツいなぁ…。
「これで、終わりです。例えナイギの次期当主であろうとも物理的な死は免れません。それに、このまま動きを封じ続ければそれでお終いでしょう」
「…ぁ、あー……。まあ、確かに? ソイツは正しいけど、さ。そこは少年が決着付ける流れだろう…?」
思わぬ命の危機に少年に意識を割き過ぎていた。
援護に回っていたはずの少女が背後をとっていたのに反応が遅れちまった。なんたる不覚、おかげで体に穴が増えた。
そりゃあさ、言い訳させてもらえるなら? 『楔』の効果が切れたせいで正直なんもしなくても死にかけというか、今だって視界は真っ暗、耳も水の中って感じでだいぶ遠く聞こえるわけだし?
(え、マジ? これで死ぬのオレ、流石に冗談キッツイぜオイ。なんだかなぁ、雲行き怪しくなってきたとこからヤな予感してたんだよなぁ。いや、まず最初に少年を試してたせいで無駄に時間食った上に怒らせたのが悪かったか? ……それかぁー…、なるほどなぁー…)
「ハァーーーッ!!」
「……ぁー」
初めっからお茶でもしましょう、ってフレンドリーに行くべきだったと後悔しつつ、眼前に迫るのは少年の放つ光刃。これくらったら体バラバラで済むかな。余波で散り散りになりそうな予感がひしひしと。
(まあもしもそうなったらなったで頑張るしかないんだけど……。いやぁ、そこまでいったら何ともならんかなぁ)
「———ッ、コイツは!?」
「ヨナギ様! こちらへ!!」
けど、どうにも体がバラバラになる事態は避けられたらしい。五感も鈍くなってきているが、それでも五体満足なのは感じる。
「何をしておられるのですがユーリ様。いなくなったと思えばこんな場所で死にかけているとは、なんとも情けない。それでも我等を率いる身分ですか。恥を知ってください」
そして、そこに立っていたのは我が家の新入り、ヌイちゃんだった。
黙って出てきたが、どうにも感づかれたらしい。それともうちの子達のノリについていけなくて独断専行かな? ま、なんにせよだ。
「…お、ヌイちゃんじゃん。ナイス、今のはマジでナイス。いやぁ、今のはちょっと、多分に、劇的にヤバかったから助かったぜ。今度一緒に風呂入らね——、っておいおい杭を向けないでくれよ、2割はジョーク——あ、痛い痛い、刺さってる刺さってるっ」
「…それほどに軽口が叩けるのであれば問題ないですね。帰還しますよ」
「はいはい、じゃあおぶってってくれ。致命傷受けてるから」
「………はぁ…」
「逃がすと思うのか?」
既に外敵は射程内。久方ぶりの剣戟は錆びついてはいるが、それは奴らの弱体化を鑑みれば同じ事。仕留め切れない理由ではない。
「当然思っていない、だが問題も無い」
立ち去ろうとする獣面の女戦士、ヌイ。
彼女は非情に辟易とした表情を晒してはいるが、その行動に無駄は無かった。ユーリの立つ地点のみを空白とした影杭の一斉掃射。シエも攻撃に転じていたせいで防ぎきることは敵わず、次撃を考慮して回避を選択せざるを得なかったのだ。
着地の寸前、地面に拳大の丸い球が転がったかと思うと、周囲すべてを覆うほどの煙が立ち込めた。
「——くっ、シエっ! 払えるか!?」
「もう遅い」
この一瞬、その隙をついてヌイはユーリに肩を貸して退避している。
気配を探ろうにも煙には『界燐』が混ぜ込まれていて、ヌイの気配が全方向から薄く感じられる。姿さえ見えていれば一撃で決められただろうが、これでは逃げる時間を稼がれる。
まばらに飛んでくる牽制の影杭から位置を割り出そうにも、時間が足りない。不測の事態を警戒し、シエと背を合わせて防御を行う。
「ヨナギ・アマナ、私もこの馬鹿な男のせいで困らされてはいるが、恩はある。ナイギにとって必要な存在であることにも変わりはない。貴様との決着を次に持ち越すことは腹立たしいが…。ここは退かせてもらうぞ」
「えぇ…もうちょっとやさしくしてくれても罰は当たらないぜヌイちゃーん、ってか結構胸おっき——げふっ!」
どこからか響く様に聞こえる声、それは段々と遠くなっていき、煙がはれた時に残されていたのは氷の鳥籠、その残骸。
「じゃあな少年、従者ちゃん。今回はそこそこヤバかったが、今度はそうはいかないぜ。とはいっても『楔』無くなったから次来るの結構先だけどさー、アテ」
「敵に情報を与えないでください馬鹿ですか」
逃がした、既に奴らは世界から立ち去る寸前なのだろう。声は揺らぎ、空に響く様に俺たちへと伝わってきた。
「あと少年、その『四方界』と『剣』のことは黙っておいてやるよ。そっちの方が面白そうだ、ついでにラゥルトナーのこともな」
「………」
「ははは、そう構えるなよ。男同士だろー? 信じろよ、——じゃあな」
「いい加減黙っていてください、殴りますよ。ヨナギ・アマナ、こちらの馬鹿が邪魔をしたな」
「えぇー? いいじゃんよー、オレの周りの男共ひねくれてるやつしか——あ、ちょっと傷口抉るのヤメ———」
その言葉を最後に声と気配は完全に消え去った。
残されたのは鳥籠の残骸とボロボロになった公園、そして俺たち二人だけだった。
「はぁ…逃げられたな」
シエによって重傷を負っていたはずのユーリの言葉からダメージは感じられず、あのまま斬り捨てていたとしても本当に倒せていたかどうかは分からないままに。
あの男、ユーリ。態度はともかくその実力はやはり底知れない部分がある。
「ん…、雨か……」
奴らの去った空を見上げていると、頬に冷たい感触が落ちてきた。
どうやら雨が降り始めたらしい。ポツポツと落ちてくる雫は次第に勢いを増してきて数分を数える間もなく本降りへと変わってきた。
「あ…、申し訳ありませんヨナギ様。今は傘を持っておらず…」
「気にするなよ、駆け付けてくれただけで十分すぎるくらいだ、…本当に助かった。とりあえず氷の影に入ろう、あのアホが作ったヤツでも雨除けにはなる」
「は、はい…っ」
壁は俺たちの攻撃でボロボロだが屋根はついている。雨も急すぎるし多分通り雨だから氷が自然に溶ける前には止むだろ。
中に入るとひんやりとした空気が纏わりついてくる。軽く濡れた身体が凍みつくが外にいるよりかはマシだ。
「はぁ…本当…、一体何だったんだアイツら。急に来て勝手に襲ってきたとおもったら満足して帰ってったぞ。…あの様子じゃ、戦ってても倒せたかどうかは怪しいな」
「……はい」
「シエも大丈夫だったか、まさか口説かれるとは思わなかったけど」
「……そ、そう、ですね」
「ん? どうしたシエ、……ってそりゃそうだな。…悪かった」
「…いえ……、先ほどは、その…私に問題がありましたから……」
「お前は、悪くない…」
「………」
情けのない、絞り出すような声は雨音にかき消されそうになりながらもシエに伝わってくれたらしい。俺に向けた瞳は揺らぎ、返すべき言葉が思いついていない。
そして、それは俺も同じことだった。
「………」
「………」
それきり、二人して雨音の中黙りこくってしまう。
何て言えば正しいのか。俺には俺の考えがあって、シエにはシエの考えがある。それは間違っていないことで否定したくはない。
だが、自分の中でどうしても超えることのできない一線がある。
超えること自体に危険があるのではない。超えた先に起こることが予測できなくて、したくないからその手前に大量の障害物を設置している。
でも、それすら意味がないことも分かっている。所詮俺が勝手に定めた道筋など、他者からすれば何の意味も無い滑稽な自分ルールに過ぎない。
ああ——、嫌だな…。すごく怖いよ……あやね。
「あ……行けませんヨナギ様、お身体が冷えてしまいます…っ」
「いいんだ」
ついてこようとするシエを手で制すと、緊張からか強張り熱っぽい体を冷やすために雨にあたる。
どうしていいのか判断つかずオロオロしているらしいシエの様子を感じ取りながら、握ったままの剣を見つめて話始める。
「…怖かったんだ」
「え……?」
「これまで戦えるのは俺だけだったから。俺がなんとかしさえすればどうとでもなったんだ。それなのにシエが来て、リアも来て、ナイギだけじゃなくてレギオンなんてのもやってきた」
「はい…」
「どいつもこいつも自分勝手に動きやがって、正直これまでやってきたこと全部が無駄にされた気分だ。捨てたと思ってた“コイツ”も戻ってきちまった」
雨粒が白と金の刀身を伝っては地面へ堕ちていく。
ずっと昔、血に濡れていたこの剣、俺としては捨てたつもりだったがリアの言い分では預かっていた、か。よくもまあ自分を殺そうとした武器に対してそこまでの態度が取れるもんだよ。
「過去からは逃げられない、いつか追いついてくることは分かってる。その小さな積み重ねが今になってどうしようもなくなってきてる。俺の手の内だけじゃあもうどうしようもないくらいに」
「………」
だから結局のところ、俺が嫌がっていることなんてどうしようもないことだ。ただ、そう、自分の手の内から引き金が失われることが怖かった。
俺一人いれば解決できる事態が急速に悪化し、それは今なお加速の一途を辿っている。
「だから、これ以上どうしようもないことになるのが怖かった。皆方に伝えるべきことの多くを、お前のためだって理由で口を閉ざしてるのもそれだ。
——自分勝手が過ぎるだろ? そのせいでシエも傷つけた。本当に、どうしようもない」
見上げた空は雲に覆われて、あったはずの光も遮られている。
全身を打ち付ける雫は夏だっていうのにひどく冷たくて、剣を握る指先は止めようのない震えに襲われていた。
「だから、すまなかった。お前を縛る理由なんてありはしなかったのに。…俺は、シエの優しさに甘えてた。どこまでも俺の意思を尊重してくれると、勝手に思い込んでた…。自立した、一人の人間だってことを理解してなかったんだよ」
この期に及んで背を向けながら訥々と語る姿はどう見えているのだろう。
自身を慕ってくれていることを盾に、強く言いつけさえすれば従ってくれるだろうといった甘えはもう意味をなさない。
シエはシエの意志を持ち、進むべき道の先を決めることができる一人の人間だ。彼女の傍を離れていた、俺の様な人間が制御しようなどあまりにも浅はかだった。
「だからもういいんだ。シエが伝えるべきだと思ったのなら俺はそのことについて何も言わない邪魔しない。だから、最後に一つ頼むよ——」
「…なんでしょうか」
「いや、なんだ、…大したことじゃないんだ。もう少し、一人で雨に当たってたい。…先に帰っててくれ」
「………」
「だからって傘を持ってくる必要も無いからな。雨もどうせすぐ止むと思うし、気持ちの整理付け終わるまでだ。あとそうだ、玄関にタオルだけは置いといてくれ。濡れたまま歩き回って雑巾がけだなんて、お互いに面倒だろうからさ」
声には自分で考えていた数倍の空元気が含まれていて、頼みという名の要望。シエを一人の人間として認めなければならないと思いながらも、従者として甘えてしまっている現状に変わりはない。
だが、こうでも言わなければシエはずっと待ち続けるだろう。それは、もうすべきではないと思ったから。
「…行ってくれシエ、その後のことはお前の心に従ってくれればいい。
助けに来てくれたこと、こんな俺を主だと言ってくれたことは純粋に嬉しかった。——ありがとう」
「……ヨナギ様…、………」
鳥籠から降りた時、コツリと足音が舗装された道を鳴らす。その音は飛び去ると、鳥籠の残骸の前には俺一人が残された。
——そうなると、思っていたのだけれど。
「申し訳ありませんヨナギ様、その指示は聞けません。この不出来な従者には罰をお与えくださりませんか」
「罰? お前何を——」
立ち去ることなく隣に立った彼女は、同じように雲に覆われた空を見上げながら雨に打たれる。
「風邪ひくぞ、せめて雨の当たらない陰に——」
「良ければ私もヨナギ様と同じように、雨にあたらさせていただけませんか? 主の苦しみを理解できずして何が従者と言えましょうか」
「………シエ」
「ヨナギ様、私は確かにヨナギ様に拒絶された時にひどく動揺しました、悲しいと感じました。ですが、それは当然なことなのですね。ヨナギ様の仰る通りに、私にヨナギ様を縛り付ける権利など持ちえません。…ヨナギ様はお優しいので、勇気をもって意見を伝えれば譲歩していただけるのではないかと、…そう思い、甘えていたのです」
珍しく、はっきりと自分の意見を伝えるシエの口元は薄く微笑みながらも悲しみが混じり込んでいた。
「ですが、それではダメなのですね。相手のことを知っているからと言って、自分が勇気を出したからと言って、それは相手を想うということにはなりませんでした…。だからヨナギ様を傷つけてしまったのです。…本当に、申し訳ありませんでした」
雨に打たれながら頭を下げるシエの姿は決して弱弱しいものじゃなく、確固たる意志を持った上での行動に他ならない。
「……よしてくれ、シエ。俺なんかに頭を下げるな。間違っているのは俺で、正しいのはお前なんだ。お前が主と慕ってくれる奴っていうのは、これまでずっと逃げてきて、今回も逃げようとしていただけの情けない男なんだ。だから———」
「出来ません」
「シエ」
「ヨナギ様は私の主なのです。それはヨナギ様が何を言おうとも変わりはしません。
暗闇の中にいた私の心を救い、導いてくれたのはアナタなのです。ですから…っ、ですからどうかそんな悲しいことをおっしゃらないでください…っ。私はヨナギ様と共に歩みたいのです。他愛のない挨拶や、食事の感想を伝えてくれるだけの日々でも構いません。戦いの中で支えることが出来たのならそれこそ本望なのです…っ」
感情の昂ぶりから赤く染まった頬を伝う雫、それが雨なのか涙なのかは分からない。
「だから、だからどうか、ご自身を貶めるようなことをおっしゃらないでください。私にとって、ヨナギ様は何より大切な主なのです。それはこれまでも、そしてこれからも変わることはありません。ですからお願いです。私に貴方の傍で共に歩ませてくださいませんか」
「———」
『自分を貶めるようなことを言うな』
それは自信を持たないシエに言った言葉だった。
能力を持っているはずの彼女が、一歩踏み出そうとしない一因を少しでも解決したかったから掛けた言葉。
そうか、気付けば立場は逆転していた。
彼女は強いと言いながら、その実信じていなかったのは誰か。
俺を慕ってくれている少女に背を向けていたのは一体誰だったのか。
(そうか———)
ようやく気付いた。俺もシエも同じだったのだ。
どうすればいいのか分かっていない。
進むべき道、達成すべき目的でさえ、分かっているはずなのに、その壁があまりに大きすぎるから。
あやふやな現状では不安になるのは当然のことで、それさえ圧し潰そうとしていた。
「それじゃあ、確かにダメだよな……」
これまでのことなど、問題から目を背け、輪郭だけを見て分かったつもりでいただけに過ぎない。
人が一人で抱えられる量などそう多いものではないだろうに、シエもいて、リアもいた。なのになぜ俺は一人で抱え込もうとしていたのか。
「そんなこと、気付けないのはやっぱりダメな主だよ。俺は」
「…ヨナギ様……」
眉尻を降ろして悲しみに満ちた表情をとるシエ。暗闇の中、どうすればいいのか分からずに一人取り残された幼子のようでしかない姿。
初めて出会った時と全く同じその姿は確かにあの時と一分の変化も無い。だというのに、俺の心の方は変わっていたらしい。
「ひゃ…っ」
「…悪い、驚かせた……。でも、もう少しこうさせてくれ。その顔を見るのは忍びないし、それに今のは違うんだ」
雨で濡れそぼった少女を抱きしめ、安心させてやりたくて頭に手をやる。
「…違う、ですか?」
抵抗もせずそのままのシエは俺の肩に額を当てながら問いかける。この距離だ、いくら雨が強くなろうとも互いの声を聞き逃すことは無い。
「自虐、っていう意味では一緒だろうけどな…。なんというか、うん、気付かされた。シエはずっと俺の後ろをついてきてくれてたのに、隣に立とうと頑張り続けてくれていたのに、ちゃんと見てやれてなかったんだ。それは流石にダメだろう?」
「わ、私は傍においてくださればそれで…。ヨナギ様がヨナギ様らしくあってくだされば、そのお姿を傍で見られたのなら、それはそれで十分なのですから…」
「お前…、あんなにハッキリ共に歩みたい、って言ってたのにギリギリで引くなよ。さっきの勢いはどうしたんだ?」
「むむぅ……、そ、それでしたらヨナギ様も先ほどまでのお、落ち込みようは消えてしまったのでしょうか? とても喜ばしいこと、ですが…」
「ん、そう、かな?」
「はい…、顔は見えませんが、その…。いつものヨナギ様の声がします」
冷静になってきて平静を取り戻してきたのか。腕の中のシエは顔を上げることなく、俺の肩に押し付ける頭を強く当ててくる。心なしか耳が赤いのは気恥ずかしいからか。
そして、それの方はそんなことに気づけるくらいには回復してきたらしい。恥ずかしがっているシエの姿を愛らしいと思うし、からかいたくなる。
「なぁシエ、顔を、上げてくれないか」
「…は、はい、少々お待ち、クダサイ。…ハイ」
おずおずと、首を縮こませながら顔を上げるシエはさながら巣穴から外を覗く小動物だ。その小動物は腕の中に捕えていているのだから、当然距離は目と鼻の先で、涙に潤んだ瞳と赤く染まった頬が視界一杯に現れた。
「まず最初に、ひどいことを言ってすまなかった。そして、来てくれてありがとう。シエがいなかったらどうなってたか分からない。本当に感謝してる」
「い、いえ…っ、それはヨナギ様の従者として当然のことをしたまでです…っ。…リア様とアヤネには心配と迷惑をおかけしてしまいましたが…」
「それは大丈夫だろ。シエを怒る奴なんていない、むしろ叱られて当然なのは俺だ。もしもアイツらが怒り出したなら俺のせいだから、ちゃんと叱られる」
「でしたらその時は、私もご一緒させてよろしいでしょうか…?」
「止めとけ止めとけ、それなら叱られ終わった後に菓子でも出してくれた方がずっといい」
冷たい雨の中、伝わる熱は確かな物で。抱きしめた少女と互いに熱を感じながら言葉を紡ぎ続ける。
「それに、俺の言いたいことはそういう事じゃなくてだな…」
「…? ヨナギ様?」
目線を逸らす俺を覗き込むようにするシエは心配そうな様子で、また何か失言をしてしまったのかと不安らしい。
「ああいや、大丈夫だ。ちょっと逃げ腰になった」
シエが勇気を出して自分の意志を示したのだ。ならば彼女が主と慕ってくれている俺が何も言わないわけにはいかないだろ。
「その、だな。面と向かって、改めて言うのは少し、照れるんだが…。
今日、助けられたのはユーリからだけじゃない。馬鹿な俺が、馬鹿な俺に気づくことが出来たこと、そのきっかけをくれたことに、何よりも感謝しなくちゃいけない。
ありがとう、シエ。お前がいなかったらどうなってたか分からない」
「……ぃ、ぃえ…、いえそのようなっ、そのようなことありませんっ。私は、いつもいつもヨナギ様にご迷惑ばかりをおかけしてしまって……。お恥ずかしいばかりなのです…。今日、ヨナギ様が立ち上がることができたというのならそれはヨナギ様お一人の力で——」
「んなわけあるか。俺はそんなに強くないし、いつも助けられてばかりだ。その中で一番頑張ってくれてるシエに対して自分勝手な八つ当たりしたのが本当に情けないんだ」
「———」
「シエはいつも俺に助けられた、救われたって言ってくれるけど、それだけじゃないんだ。…助けられていたのは、俺もだ。お前が屋敷にやってきた日から今まで、シエの存在があったから救われたこともたくさんあるんだ」
「…そ、そんなご冗談を———」
「嘘じゃない。誓ってもいい」
「………それ、は…その、ぅ」
思いがけない言葉に視線だけで落ち着きの無さを体現したシエだったが、背中にまわしていた手を頬に添え、額同士を当てると、その瞳を真っすぐに見つめる。
「ひゃ——っ!?」
「シエ、俺はお前が大事だ。それは従者としての在り方を是としてくれてるからだけじゃない。共に戦ってくれて、至らない所を補佐してくれて、日々努力してくれている。そんなお前が、大切じゃないはずなかった。今日の事、許してほしいとは言わない。だからこれから先、見ていてくれないか」
「……見ている、ですか?」
「ああ、きっとこれから先もくじけたりする時があるかもしれない。でも、もうシエの前でそんな姿は見せない。シエが俺の従者として全霊を尽くしてくれているんだから、俺もシエの主として胸を張れるようにする。お前にももう恥をかかせたりしない。だから、見ていてくれないか? シエが見てくれている内は、頑張っていられる気がするから…」
「ヨナギ様……、……。いいえ、それはできません」
「…っ、そうか。そりゃ、都合がよすぎる———」
「その内容では、ヨナギ様は私がいる限り無理をし続けることになります。それではいけません、私はヨナギ様が笑っている姿を見ていたいのです。だからせめて、ずっと頑張り続けないでください…、辛い時は、辛いと言ってくださいっ」
「——、……」
「そうでなければ、その言葉を受けることはできませんっ。い、いくらヨナギ様の言葉でもダメなものはダメなのですっ!」
頬を膨らませて目をギュッと閉じるシエの姿は駄々をこねる子供の様なのに、その想いは俺への信愛を基にした純粋で真っすぐなもので——。
(…ああ、まったく、自分の逃げ道を無くすために頼んだのに。…そんな顔されたら、どうしようもないだろ…)
そんな姿を見せられたらいやでも肩の力が抜けてしまう。
止むことなく大粒の雨が降り続ける空の下。
見上げた先に星はなく、また色も存在しない。時折、瞳を打つ雨粒にまぶたをしぱたかせては瞬きを繰り返す。
「…シエ」
「な、なんでしょうかっ! お叱りでもなんでも仰ってくださいっ、しっかりと受け止めて改善しますっ。も、もちろんヨナギ様に問題がある場合は私からもご指摘させていただく場合も——!」
「ありがとう」
俺に対して真っすぐ向かってくれる彼女に何と言っていいのか、それが考えてみてもいい言葉が思いつかなくて。
だから結局は単純な一言だけだ。これしか思いつかなかったし、他にふさわしい言葉も出てこなかった。
「——は、はい…、こうえい、です」
「なんだよ、その顔。変なもん見るような目で見やがって…」
顔を合わせてお礼を言ったというのに、シエときたら目をぱちくりとさせて締まりのない返事を返してきた。
「い、いえ。その、ヨナギ様のお顔が、晴れやかだったので…。つい…」
「ん、そうか? そりゃあ…悪かった。俺なりにちゃんと反省はしてるつもりなんだが…」
ポーズというわけでもないけど、シエに反省が伝わらないのでは意味がない。相手がいる以上、心だけの問題として片づけるわけにはいかないだろうから。
「いえ、ヨナギ様はそちらのお顔の方がずっと素敵です。私にとっては何よりも」
「そこまで行くともうちょっと他にも楽しみ見つけてほしいくらいだが…。でも、ちょっとは許してくれたみたいで安心——」
「それはこれからのヨナギ様次第ですっ! 一人ですべてを解決なさろうとせず、私達を頼ってくだされば、ですっ!」
「…あ、ああ…それは、はい…、善処します……」
「はいっ、よろしくお願いしますっ!」
「ははは……」
「よ、ヨナギ様っ、なぜ笑うのですかー!」
頬を膨らませて顔を背けるシエの姿はまさに『私怒ってます!』とでも言いたげで、事実その通りだろう。素直な性格とはいえここまで分かりやすいジェスチャーを披露されるとなんだかなごんでしまう自分がいる。
「いや…シエらしいなって思ってさ…。うん、どうにも俺たちはダメな主とダメな従者だからさ。お互いに誇れるようになっていこう。
具体的にどうすればいいかなんてのは良く分からないけど、シエがいれば大丈夫だろ」
自分を貶すようなことを言わないように。なんてのは一つの理想だが、やっぱり難しいからな。少なくとも今はダメな主ということで、この先成長できるようにしないとな。
「そこまでの信頼をしていただけるのは嬉しいのですが…。い、いえ、その様な弱気ではいけませんね。不肖シエ、ヨナギ様一の従者として研鑽を積み、何処へ出しても恥ずかしくないように努力いたしますっ!」
「はは、そうだな。俺もシエを連れていてもおかしくないようにしないとな。
…うん、本当に今日は助けられてばっかりだ。礼はちゃんとする、その前にまずは雨宿りでもしよう。結局最後まで付き合わせちまった」
冷たい雨の中、腕の中の温もりを手放すのは惜しいがこのままだとシエの身体にも悪い。まずは帰って、体を温めないと——。って、あれ?
「シエ、手を放してもらわないと動けないんだが…」
「は、はいっ、その通りですね。分かっております、はいっ!」
「あ、ああ。そうだな…」
そうは言いながらも一向に離れようとせず、俺の背に回された手は離れようとしては元の場所に戻ってを繰り返している。
「あの…シエ?」
「わかっております、分かってはいるのですが…。えぇと、そのぅ…」
「離したくない、って?」
「……はぃ…」
上目使い気味な視線と共に放たれる言葉は弱弱しかったが、恥ずかしさからくるものであって、意見を伝えるという部分は実践されていた。
そして、従者の意見をちゃんと聞かねばならない立場として、今日一日迷惑を駆け続けた男として断れるわけもなく。
「そうだな、なら悪いんだが。俺の方がもう少し雨に打たれたい気分でな? もうちょっとだけ、付き合ってくれ」
「…はい。ありがとうございます——」
そう言うと、頭を胸に押し当ててくるシエの濡れそぼった灰の髪に手を置いて雨の音を聞く。
さっきまでは確かに、身を打つたびに体の芯まで冷えるような冷たい雨だったはずなのに。今だけは瞳を閉じて身を委ねてしまう。
雨降る中、二人だけの時間はいつまで続いていたのか。それは良く分からない。
最後の一滴が降り終わった後、二人してびしょ濡れになった俺たちが帰ると、タオルを持った皆方とリアに迎えられた。
自分で出来ると言っているのに髪を拭かれる様は犬のよう。自分がされることがなれていないシエはあわあわとしていたが、風邪をひくといけないからとすぐ風呂へ連れていかれた。
「聞きたいことか、言いたいことがあるならちゃんと聞くぞ。今回の、シエの件については十割俺が悪い」
「んー。ま、それはいいよ。シエが気にしてないみたいだ。それに仲良く雨に打たれるくらいには二人の仲も回復したみたいだしね」
「そうそう、それより夜凪くん大丈夫なの? 襲われたんでしょう?」
シエのことで二人からも怒られるかと思ったが察してくれているらしく、シエの様子からして問題なしと判断してくれたらしい。
問題なのはユーリ。これは当然であり、最重要事項。
「シエのおかげもあって追い返す…、いや逃げられたのか。まぁ、無事は無事だよ」
「ヨナの口から詳しく聞かせてほしいな。シエお風呂で一回休み、順番に聞かせてもらって後でまとめよう」
「ああ、…その、シエと別れた後、ユーリが急に現れてな———」
ユーリ戦その1、一旦の決着となります。
1.夜凪の四方界
ユーリの口にした通り、夜凪は自身の四方界の術式を剣側にも埋め込んでいるので、この剣を扱っている状態に関してのみ、少ないエネルギーで四方界が発動可能です。
『滅刃』については夜凪の領域条件である”自身の武器の間合い内部”という条件を、”自身の攻撃によって発生した武器(光刃)の間合い内部”と置き換えています。半分以上イカサマですが、条件は満たしているので発動している状態です。
2.シエと夜凪
今回で、二人の間に起こった確執も溶けました。
このような状態をあまり長く引っ張ったとしても、読んでいただいている方もつまらないかと思うので、展開的に必要でなければ個人的には出来れば早めに切り上げたいところです。




