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四方総界縁起  作者: くろよ よのすけ
16/100

16.地上より宙へ

「ここは天井が低い、必要ないものだ」

 レギオンと名乗った魔人は天上を見上げたかと思うと、鎧に刻まれた瞳が一斉に向けられ、跡形も無く吹き飛ばす。

 厚さ数十センチにのぼるコンクリートの塊が何層も重なっているというのに、奴からすれば視線を向けるだけで崩れ去る。

 奴にとっては薄い発泡スチロールを叩き割った、ってところか。


「食らうがいいッ!!」

 そして、ひらかれた上空には視界すべてを埋め尽くす影杭が切っ先を向け、間髪無く射出される。

 飛翔し、風を切る音を引き連れ、レギオンのいる一点を徹底的に殺しきろうとする。

 周囲のことなど関係ないと言わんばかりの一斉射撃。レギオンが現れた時に拓かれた空の罅割れが塞がれたわけではないが、それでも能力の規模は失われてはいない。

 数多の切っ先は鎧へと到達し、大砲を間隙なく発射するかのような轟音を生み出しながら激突を続けている。

「——クッ、防ぎもせずにこれかっ!」

「ええ、悪くはない。だが借りものの力では我等を殺す以前に、倒すことにさえ至らない」

 轟音の中からでさえよく通る、落ち着き払った声が耳に届く。

 黒き影の中、薄らと見える奴の姿は攻撃を一切防ぎもせず、姿勢が揺らぐことなく受け切っていた。蚊ほどにも気に留める必要はないというつもりか。


「これでは目くらましにもならない。攻撃というのであれば、せめてこれくらいは必要だ」

 肩口に刻まれた瞳が朱く輝いたかと思うと閃光が奔る。

 赤外線ライトのようなソレは、放たれた瞬間の余波のみで雨のように襲い掛かる影の全てを撃ち晴らす。

 蒸発とも呼べる光景を観察している暇はない。閃光の標的となった仮面女へと一直線に向かう朱色の死。

「——ッッ!?」

 『四方界』のリソースを攻撃に集中していたせいで回避行動がワンテンポ遅れている。あれでは左目を貫き、肉体も灼き切られる。死体が残れば幸運か。


「ふ———っ!」

「ほう」

 しかしそうはならない。シエが槍を振るうと同時に閃光は軌道を逸らし、空の黒を引き裂きながら掻き消えていく。

「っヅゥ……! 感謝は、せんぞ!」

「かまいません、ここで戦力を失う事こそ愚行。我が槍は主のために振るうものですから」

 余波までは防ぎきれなかったのだろう。獣面は砕け、その下の額からは血を流した素顔が露わになっていた。

「借りるぞ仮面女ッ!!」

 だがそんなことを見ている余裕などない。全身余すことの無い、影杭の大量射出で傷一つつかないというのなら、次は一点集中。


 俺とアイツの『四方界』は似ているが、『領域条件』の範囲が狭い分、俺の方が威力に割り振られている。

(鳩尾の一点——ッ!)

 俺の既に残り少ない『界燐』全てを籠めた攻撃で一点のみを最大出力で打ち抜く。

少しでも威力を上げるために『四方領域』は限りなく狭く、能力の維持ではなく攻撃へ向けられるように。

「っ、ラァアア——————ッ!!」

 弾かれ、床に転がっている影杭を拾上げると同時に二本の投擲。

「四方展開——ッ!」

 第一の到達で術式を奔らせ、第二の到達で術式を完成させる。

「器用なものだがそれでは遅い」

 腕を振るうだけで投げつけた二本が跡形も無く砕け散り、既に接近した俺に対して振り切った腕を裏拳へと変状、うなりを上げながら身体を真っ二つにしようと剛腕が迫る。

 この一撃を防御するための力はない。『領域条件』を達成していたとしても、一度術式が中断された以上、一息ほどの間は必要———。

 あまりに弱く、決定力の欠片も無い弱者。力も早さも異能も、何もかもが足りない。

(それくらいッ、知ってるんだよ——!)

 そうだ、知っているからこそ、この場に立っている。弱者たるこの身を犠牲に為し得る結果を手繰り寄せる。


 見開いた瞳———、そこに映る怪物の姿。そこには無限の闇が混じりこむ塵の混沌のみ。その混沌が俺に対して死を与えようとしている。

 死を眼前とすることで瞬く間に見るモノ全てが遅くなっていく。剛腕が空気中を漂うホコリさえも消滅させる威力を持つことを見せつけられ、触れるだけで死に至ることを再認識させられる。

「———……ッチァ——ェ!」

 声を喉から絞り出せ。死に呑まれればそれで終いだ。諦めるな、まだ、まだ死に至るまでには一手足りない。

 この後の体勢だとかは気にしていられない。この一撃のみを避けきることに全霊を懸けろ。ここを乗り越えなければ勝機は無い。


「ガ、ァアアァァーーーッ!!」

 振るわれる鉄槌の恐怖を潜り抜け大きく一歩を踏み抜く。それでも振るっただけで発生する衝撃波までは回避できない。

「我が槍は———主の為にこそ……ッ!」

「———っ」

 俺の願いにこたえて振るわれた槍は、弾いた剛腕の衝撃に耐えきれず中ほどから圧し砕けていた。これでもう、この瞬間に助けてもらうことはできないが、一撃を叩き込むための一歩へは間違いなく繋がっている。

(悪い、シエ———)

 頼ってばかり、助けられてばかりなのは情けないことこの上ないが、俺は事実弱いんだから謝るほかない。

 まともにやって勝てるかどうかも分からぬ、正体不明の灰鎧の魔人。全能力が未知数、欠片のみの発露で圧倒する規格外。

 けれどまだ、瞬間的に最大火力を叩き込むことさえできれば勝機はある。

 魔人の懐に入り込み、拾い上げた三本目を力の限り突き立てる。固い音を響かせて受け止められる。人の力でこの鎧を突破することはできない。

 その事実をまざまざと見せつけられた。分かり切っていたこと、分かっていたことだ。決して届かぬ領域。

 生中な覚悟では奴の油断を引き出すことすら無理だというのならば。

 だからこそ、この魔人に対して覚悟を見せつけてやらなければならない———!

「やれェ———ッ!!」


「なんだそれは 馬鹿ね 面白い 凶人だ 蛮勇という 自殺志願者———

 ———意識統合、……理解に苦しむ」

 老若男女、様々な声が鎧から反響している。

 “レギオン”

 領域の意をもち、軍勢と呼ばれたその銘。

 おそらく、その名の通り奴は軍勢だ。数え切れない人間が混じり込んだ。

 そんなに大量の眼が付いてて、それぞれがそれぞれ周りが見れたとしても。

「俺の後ろまでは…ッ、…見えないだろうが———ッ」

「———」

 全身から血を流す俺の姿は、多少の予想を超えていたらしい。

 しかも、それを為したのはナイギの襲撃者、仮面を失った名も知らぬ女。奴が困惑するのも無理はない。

 なぜなら、俺は数分前まで敵であり、命を取り合っていたはずの勢力の人間に自らを巻き込む攻撃をさせたのだから。

 朱き閃光によって引き裂かれた空の下では、仮面女の『四方領域』は十全に機能しない。その中で放つことのできる限界量を掃射し、その内の数本が俺を貫いていた。

「が…ふ———っ!」


「気にくわんが…使わせてやる! そのままに死ねェッ!」

 好き勝手言っているが知ったことじゃない。俺の身体を貫きレギオンへと到達した影杭は、仮面女の言葉により所有権を俺へ移される。

「小細工を」

「———ぐ、があぁあっ!?」

 再度放たれる閃光が仮面女を襲う。狙いは甘く、直撃はしなかったらしいが見ている暇はない。

 あと、一本。それだけあれば囲われた領域が生み出せる。一撃を放つことができる。

「だが、まだ二本目だ、これでは貴方の『領域条件』にはまだ足りな———」

「いえ、これで……達成されますっ!」

 俺の背後ではない。奴からしての意識の外、やみくもに掃射された無駄うちとも呼べる数ある中の一本。

 全く関係ない方向へ射出されていた影杭が弾かれたように急激に方向転換、またしても俺を貫きレギオンへ到達する。そこには砕かれていたはずの槍を修復した槍を持ったシエの姿。

「ッグ……が…ァ…ッ!」


 自身の主を傷つける行為でありながらも受け入れ、行動してくれた彼女に感謝を。シエのおかげで、最後の一手へと通じる道が成ったのだから。

 悲しんでいるだろう彼女の姿を見ている暇などない。謝罪と感謝はこの後に。

「い……ク、…ぞ…ぉ…おぉぉォオオオ———ッ」

 俺自身の手で打ち込んだ第一、仮面女によって撃ち込まれた第二、シエによって捩じ込まれた最終、第三の到達で生まれた、人間の瞳ほどの小さな領域。

 影杭の切っ先は狙いすましたかのように極小の領域を現出し、俺の持つ残り少ない『界燐』で発揮できる最大威力を生み出すための『四方領域』を形成する。


 ——今、ここに『領域条件』は達成された。

 発動の為の条件を達成された異能が、守護者たる者の意志を以って発揮される———!

「四方ォ、展、開……ッ!!」

「————ッ!?」

 叫びは喉を食い破り、標的ごと喰らいつくすかの如き凶暴性を孕みながら襲い掛かる。

 軍勢たる灰の鎧の中心において創造された極細の光槍が、慈悲など一切なく不浄の輝きによって撃滅せんと、混沌たる魔人、レギオンを圧倒的な力で貫いた。



  □ □ □



 どのようなモノにも限界はある。

 終わりというものは気が付いた時には傍で待っている。


「………」

 空から現れた単体の軍勢、混沌の魔人。

 彼等のことは遠い昔の友人、とも言えないのかな。そう言い切るにはいささか立場が離れてしまったから。

「彩音、大丈夫かい?」

「……は…ぃ、———ふぅ…ハァ……」

 階段を降りて行った先、床へ敷かれたカーテンをシーツ代わりにして横になっていたのは皆方彩音という一人の少女。

「ごめんね、私達がもっとはやく戦いを終わらせられていればよかったのだけれど」

「——はぁ……、はぁ———、たた、かい……?」

 きっと、熱に浮かされた彼女では私が何を言っているのかは理解しきれないだろう。それが一目でわかるほどに衰弱しているし、苦しんでいる。

「彩音はスゴイね、この状況でヨナを送りだしたんだから。きっと私なら甘え切ってしまって手を離せないでいる」

 傍へ腰を下ろし、彩音の手を取る。熱く、握り返す力も弱かったけど、それでも小さな手の平からは私への返答が返ってきた。

「でももう、大丈夫だよ。もうすぐヨナたちが彼等を何とかしてくれる。今は酷く苦しいだろうけど、もうちょっとだけさ。ほら、頑張って」

「——————ぅ………ん」

 微かに、ほんの微かにだけ掌に力が籠められる。死んでしまいそうな病熱の中で彼女もまた戦っている。

そうか、それが分かってよかった。


「羨ましいよ、彩音はワタシでは出来ないことをしてのけたんだから。本当に……、感謝してもし足りないほど」

 嘘なんてない。初めて出会ったあの日、一目見た時から、キミで良かったと思ったんだ。

 だから、もう少しだけ頑張ろう。あの子たちならきっと、どんな相手がやって来ても打倒してくれる。

「そうだろう? シエ……、ヨナ……」

 呟きは何処へ消えていくのだろう。

 それは私自身にも分らない。でもね、出来れば伝わってほしいだなんて思うのは……。

「ワガママかな? ……フフッ」

 耳を澄ますと、戦いの音は静寂へと変化していく。

終わりは、近い。



 □ □ □



「…………」

「——————」

 灰の鎧へ開いた小さな小さな空洞。胴を貫き、生物であれば致命傷足りえる極点域の槍撃。

 界燐は尽きた。俺の力では光の糸で編み込まれた槍はもう維持できない。吹き荒れる風が光槍を撫でていくたびに糸は解け、粒子となって消え去っていく

「———」

 声が出せない。静かな息遣いでさえ穴だらけの身体に鞭を打ってくる。シエの肩を借りなければ立ち上がることも難しい。『四方界』による肉体強化さえ、界燐の尽きた状態では発動もできない。

「———ヨナギ様っ」

 シエの声が聞こえる。停止しているとはいえ、まだレギオンが死んだかどうかわからない以上、有事に備えて彼女は円陣の中から出ることはできない。

(俺の方から、シエの方へ向かわないと……っ、ぐ…ぅぅ……)

 だが、まだだ。


 光の糸は解けて消えた。

 孔の空いた鎧は完全に貫かれ、小さいながらに向こうの景色が見ることができる。

「や、っぱり……、人間じゃ、ないな……お前——」

「それは心外だ。人間だとも、数多ある世界に存在する何物よりも。純然たる人間だ」

 苦しむ様子などない、窮地における最大火力を叩き込んでやったってのに、その声色からはわずかな悲痛さえ伝わってこない。

「——っ、ヨナギ様ッ!!」

 シエの声がやけに遠く感じる。駆け出そうにもあの場で槍を振るうしかない従者の方が、悲痛の声を上げていた。

「悪い、シエ——」

「謝罪であれば後程いくらでも。貴方達の主たるラゥルトナーも送り届けよう」

 瞳が朱く輝くことは無い。手を振り上げ、振り下ろすための単純動作を実行する。

 ここまできて。否、ここまで来たからこそすでに能力を使う必要などない。逃げることはできず、シエの防御では手刀を逸らすのが限界。

 掠ればそれだけで死傷なのだ、焦る必要も無いのだから。

 ああ、シエ、……悪いな。お前には面倒を掛けたってのに。


「さようなら、心残りがあるのなら。貴方の口から名を聞いておくべきだった」

「———」

「———、……っ!」

 レギオンへ槍が投げつけられ、金属同士がぶつかる音と火花と同時、駆け出す足音。

 俺をかばうっていうのか、やめておけよ。どっちにしても『四方界』を扱えない状態じゃ奴には到底及ばない。

『四方界』が使えていてこれで、身体に風穴空けたのに足搔こうとしてる。お前に心配させるのは当然だろうな。

 本当、どうかしてる。

 だから———、ゆるせ。あとでちゃんと謝るよ。

「一人には、しない——」

「これは、また大仕掛けを」

「奥の手は、残しとく…もんだろ」

 それはいつか教えられた戦い方の一つだった。

 足搔く姿への呆れか、それとも生存へ向かう意思への感嘆か。どちらともとれぬ息をつき、攻撃を中断するレギオン。

 その姿からはもはや抵抗の兆しはない。

「ヨナギ様——ッ!」

 駆け寄ってくるシエは界燐の波濤によって足止めを喰らう。もう、こちらに近づけない。


「行くぞ——」

 励起していた術式を起動する。

 それは最後の最後、世界の終わりにでもならなければ使うつもりの無かった極大術式。巨大な円陣、その内部に張り巡らされた多数の点を繋ぎ形どられた、この街一つを覆う『四方領域』。

 シエの力を借りた感知用。ああその通りだ嘘はない。だが、それ以外にも使えるというだけの話。

 元々、俺が仕掛けていた多数の罠用の術式。

 それらはいつでも起動できるように武器を埋め込んでいた。そして一つ一つのつながりは無い、孤立していたそれらをシエの刻んだ巨大な円陣を利用して同一内包化。

 それらは巨大な円陣、紋様となり、俺の触れた武器を内包した『四方領域』と化した。


「よくこれほどの数を。もしや全て使い切るつもりで?」

「当然…、だろ……っ。お前相手にこの程度、だなんて意味はない——!」

 先ほど撃ち込んだ光槍などの比ではない。

 奥の手も奥の手、“あの男”を殺すための最後の手段だったが仕方ない。

「お前、も…ォ、ここに居られるのはもう限界だろ……っ。とっとと、出ていきやがれぇえェ!!」


 地上に生まれた黒闇へ反逆する星霜。

 街中が四方八方で光を放つ、一つ一つは小さな輝きだが尋常ではない数だ。自分でも呆れるがその数はこの街の地上が天を照らすばかりに輝いていた。

 その輝きがこの場において収束し、レギオンを中心に光の柱を立ち上らせる。

「吹き、と……ベェエエエエ!!」

 遠くから見たならば光柱の正体は、数え切れぬほどの武具の奔流。

 先刻の光槍だけではない、刃を持つ武器から節操無しに無作為に、選び取られ投げ出された輝刃たち。

 一つ一つの威力は奴からすれば蚊に刺された程度。だが、尋常ではない数の輝刃はその鎧の表面を削らんとし、津波に呑み込まれたかのように一切の身動きを封じる。

 人体であれば肉片一つ残らぬ光の奔流。その中でさえ原型を保っているのだからやはり化け物と言わざるを得ない。


「こ———れは———、執……念———か…っ。やはり、名を聞こう……貴方の、名を———」

 これまで罠として分け、蓄え続けていたエネルギー量は想像を絶するもののはず。その全てを、無抵抗に受けてなお耐えきるその姿。

 次元が違う。存在の格が違う。

 最初の想像通りだったが確かに、勝ち目はない。———少なくとも今は。

 だから今は退けるだけで限界。けどな、次はそうはいかない。

「ヨナギだ…。……次会った時は殺す」

「そう——か、貴方とまた、会える…日を楽し——みにして———」


「は……っ」

 握手のつもりか? 攻撃を受けてる癖して手を伸ばしてきやがる。

 俺は差し出された手を握り返すことなく、握りこぶしを形どる。返す言葉は至極単純、心から叫ぶ腹立たしさだけだ。

「二度と、来んな…ッ!」

 腕を突き上げ、光柱の中にいるレギオンごとアッパーをかます。今なお周囲から収束し続けるエネルギーはレギオンを空へと押し上げ続け、宙が覗く割れ目へ向かって押し返す。

 瞬きの間に消えてなくなる小さな輝きが、夜を彩る星となるべく宇宙へ向かって飛翔する。


「ふふふ、はははは———。ヨナギ、やはり……面白い人だ。その決意に免じて、巫女を処断するのは次の機会としよう。貴方の奮闘、もう少し見ていたくなった。では、その時まで死なないことを、我等は願うことにする———」

「……お前に好かれたところで、嬉しくも無い。消えろ」

 レギオンが入り込んだ空の割れ目に押し戻す。今なお刃の奔流に呑まれ続けているというのに、その中でさえ最後の最後まで底を見せぬ力を持つ魔人。奴が罅割れの向こうへ消えていくと、声も段々と小さく、朧気になっていった。

「そう———、だ…。最後に、一つ———。“ラゥル……ト、ナー”には気を付けるといい。アレは———我等の———」

「………」

 空が閉じ、本来の姿を取り戻していく。光の柱も維持し続けるのは限界であり、細く消え去っていった。

 仮面女の『四方領域』であった黒い湖面もいつの間にか消えている。

アイツも限界だったという事か。それともレギオンの攻撃に巻き込まれて死んだのかもしれない。


「——はぁー……、なんだったんだ。あのバケモン……、つ———ぅ…っぁー」

「ヨナギ様、申し訳ありませんっ。私のせいでこのような傷を——!」

 倒れ込む俺を抱き留め、瞳に涙を浮かべながら謝るシエの姿。

「いいんだよ、別に。俺が望んだことだ……。だから、頼む。アイツらの、所へ———。俺は、しばらく動けそうにない……」

 まだ仮面女が死んだとも限らない。アイツは俺へのリベンジを果たそうとしてるが、ナイギの狙いは皆方で、それを守るのが俺たちの使命。

「だから、頼む……。俺は、大丈夫だ———から」

「……ヨナギ、様…。……っ、分かりました、それが主の望みであるならば」


 抱きかかえていた俺をゆっくりと寝かせると、主命を果たすべく階下へ向かって駆けていく。

 聞き分けが良い奴で助かる。けど、あとで謝っておかないとな———。

「…ふぅーーー……っ」

 長く、ゆっくりと呼吸を吐き出す。体に空いた孔のせいで痛みは酷いが、致命傷ってわけじゃない。明日にでもなれば動けるようになってるはず。

 だから、今はちょっと困る。

「まいったな…、お前も帰れよ。続きは別日でいいだろ…?」

「貴様の体調を考慮してやる必要がどこにあるという」

「はぁ……、てかなんでこっちなんだよ。お前吹き飛ばされてたんだからさ、そのままアイツらの所にでも行けばいいだろ。そっちの方が目的だろうが」

「今の私ではあの槍使い、シエと呼ばれていたか。アレには勝てん。レギオンとやらのせいで『四方領域』は粉々。世界からの縛りも戻ったせいで満足に使えん。とんだ化け物だ」


「で、動けない俺を狙ったってわけだ。は…合理的だね、どうも」

「ヨナギ・ラゥルトナー、貴様はここで殺しておくべきだ。でなければ何度でも立ち塞がる脅威となりかねん」

 奴の手には最後の力で生み出したのか、か細いが殺意の籠められた影杭が一本。今の俺じゃ体のどこ刺されても重症だった。

 シエが戻るのはまだかかるかなぁ…。皆方はまだ体調悪いままだろうし、リアが来ても戦いにはならない。

 俺が死んだら、どうなるのか興味がないわけじゃない。けど、それを認めるわけにもいかない。けど、なぁ……、どうにも体が動かないときた。

 だからせめて、訂正を入れておくか。


「———クソッたれ。あぁ、あと一つ聞きた———、いや二つ」

「なんだ、命乞いなら聞かん」

「俺の名前だが、ヨナギ・アマナだ。ラゥルトナーじゃない」

「雇われという事か」

「みたいなもんだよ。あと一つは、……結構美人だな、お前。敵じゃなかったら、って考えてるわけでもないけど、…我ながらおかしなこと言ってるな…くそ」

「な———っ」

 攻撃を受けた時、仮面は吹き飛んでいた。

 仰向けの俺からよく見えるその顔は一言で言うなら美人。その肌は日の光を知らぬように真っ白で、目つきは刃の如く鋭い。

 シエの持つ雪の美しさとは違った美しさを持っている。とはいえ額から流れる血のせいで猟奇的な美しさに向かっていってるが。


「貴様、この期に及んでそれか。呆れたものだ、心臓と頭蓋をつぶしてやりたくなる」

「物騒だな、こっちは精一杯時間を稼いでるってのに。それと、どうせ殺すなら名前を聞いときたい。仮面女、だなんて呼びにくかったんだ」

「……ヌイ・ナイギだ。ナイギの名は仮初めに与えられたものだが」

「なんつーか、また顔に似合わず———」

「何を言いたい」

「っと——」

 眼前に影杭の切っ先が据えられる。重力に任せるだけで俺の眼球を潰しながら進み、脳に到達するだろう。この状態になっても腕を上げられもしないんだから、随分と無茶をしたものだと思う。

 最後の攻撃だって、起動の時にしか力を使ってないってのに最後の一滴まで持ってかれたくらいだ。本当に、指一本動かないと来た。

「で、やらないのか、ヌイ? シエが帰ってくるぞ」

「………ふん」

 なんの感慨も無いような顔のまま、持ち上げられた影杭は俺の心臓へ狙いを定め、一直線に振り下ろされた。


「お前の能力さ、俺と似てるせいかな。結構…シンパシーというか、変なとこで通じ合ってるような気がしてならない、なんて言ったら怒るんだろうな」

「……だから、無抵抗だったと? 舐められたものだ……、腹立たしい…っ」

 影杭は役目を果たすことは無かった。

 切っ先が俺の肌に到達した端から砕け、塵となっていく。麩菓子よりも脆く崩れ去ったのだ。

「……笑いたければ笑え。私自身、貴様よりもマシといった程度だからな」

 アッチの方も力を扱うには限界、その上世界からの縛りが戻ったせいで『四方界』の効力も限りなく制限されている。

 つまり、俺と初めてやり合った時よりもさらに弱くなっている。そんな状態で『四方界』を扱うなんてこと自体無理だった。

 ガワを創れたのが、今の彼女にとっての精一杯だろう。


「あー…、そう言うわけじゃないんだが……。まあいいか。そら、さっさと帰れよ。それともここに住むか? 戻ったら殺される、とかならだけど」

「断る。敵の恩情で死を免れるなど戦士として恥ずべき行為に他ならん。己の失態は己自身で受ける。……例え、死を前にしているとしてもだ」

「そうかよ、真面目なこった」

 背を向けて立ち去るヌイがどうやって戻るのかは興味が湧いたが、追いかけることもできない。出来ることは痛みに耐えながら迎えが来るのを待っていることだけ。

「情けない、な。どうにも」

「ヨナギ・アマナ」

「ん?」

「次見えた時は必ず勝利する。———忘れるな、貴様を殺すのはあの怪物ではない。私だ」

 姿は景色に溶けだしたかのように景色の中に滲んで、風景へと混じり込んでいく。レギオンのような派手さはないが、侵入というには正しいだろう。


「……どいつもこいつも」

 変なのばかりに目を付けられる。

 そいつら二人して俺を殺そうとしてくるんだから、なおさらたちが悪い。何しにここまで来てるんだ。と言いたくなるが皆方から標的が外れるならまだましなのか?

「はぁ———、俺の方も手を考えないとダメか……」

 レギオンを相手にした時点で、反省点で済ませられるのかは分からないが、思考を止めるわけにもいかない。

 次の侵攻が何時になるかは分からないが、それまでに出来ることはあるはずだ。

「ふぅーーー……」

 でも今は、少し休ませてくれ。明日には動けるようになるって言っても痛いものは痛いんだ。早いところ治療を受けたい。

「女に肩借りるってのは……どうなんだ?」

 動けないんだから仕方ないが、一人の男としての薄っぺらなプライドはある。それに、リアからしょうもないことでからかわれるのも勘弁だ。

「はぁ……、傷くらい塞いでってもらうべきだったか…?」

 独り言でも言ってないと退屈で死にそうになる。レギオンもヌイも撤退した以上、もはや敵はいないだろうがそれでも心配は心配だ。

 それを考えると気になってしまうから誤魔化すしかない。

 

 その中で気になることがあるのなら一つ、レギオンが立ち去る時に放った言葉だった。

 最後の言葉は小さくて、多分俺にしか聞こえなかっただろう。

『アレは、我らの裏切り者だ』

 リアがアイツとどんな関係なのかは知らない。問いただす気力も今は無い。

「信用するな、か」

 そんなことを言われても、今までもそんな感じなのだから実感がない。気持ち半分、適当に相手をしていなければ振り回されるだけの相手だ。

 気にしていても仕方ない。奴の性格? からして、まずないように思うがこっちを混乱させる嘘の可能性だってあるんだ。

 まあ、明日にでもなれば聞くだけ聞くさ。皆方にも……、もう隠してはいられないだろうから。

(ったく、何て言えばいいんだ。説明するにしてもどこまで言えば——)


 階下にいるだろう彼女のことを考え、階段の方を見るがまだ皆が戻ってくる気配はない。それほどに皆方の容体は悪いのか。様子を見にいきたいがそうもいかないのだからもどかしい。

 出来ることは独り言ちることだけ、なんて情けないにもほどがある。

「はぁ……」

 ため息ばっかりが出てきやがる。幸せが逃げるっていうのなら、今だけで逃げまくっている。さながら柵の壊れた牧場か。


「遅いな、しかし…」

「いんや、そうでもないさ少年。まだヌイちゃんが帰ってから五分も経ってないからな」


「———ッ?!」

 階段とは逆、俺の死角から聞こえたのは男の声。しかもすぐそばからだった。

 気配は何も感じなかった。いくらこの状態でもそれくらいは分かる。

(傍に居るのに、何も感じない……っ。『四方界』か? 界燐も…呼吸すら感じないぞ)

 声からして若い男、声色からは軽薄そうな雰囲気が伝わってくる。


「ははっ、そう構えるなよ。オレはヌイちゃんの様子を見に来ただけなんだ。せっかく世界の縛りを抜けられるようにしてあげたからな。どこまでやれるかをこの目で見ておきたかった。中々うまくいったと思わないか? まっ、着いた時には終わってたから何となくしか分かんねぇけどな!」

「……さぁな」

「んー、そう警戒されてもなぁ。オレとしては…、今日は何もする気ないわけだし。ほら、そっちからは俺の気配とかないだろ? 世界の縛りってどんなもんかと思ってたけどなるほどな。こりゃ確かに戦いにならないわけだ。俺なんて今すぐ魂まで消えそうと来た。ハハハ」

 強ければ強いほど、世界へ害を与える存在であればあるほどに弱体化は免れない。その性質がここまで色濃く表れた存在。その意味するところは考えるまでも無く簡単だった。

(何もしていないのに、存在が消えそうなくらいの世界からの否定……。強いな、コイツ)


 存在が消えかけているということは、その分元々の能力がずぬけているということ。そうでなければこれほどにまで否定されることも無い。

 しかし、男は完全に消え入りそうなままに余裕を崩すことなく話し続ける。ここで消えるということは魂が、まさに存在が消えるということを意味するというのに。

「にしても少年、ずいぶんとまぁ面白い瞳してるな。珍しいもんは色々見てきたつもりだが、そいつは中々の上物だと見るが、どうかな?」

「さぁな」

「うーん、プライベートは言わないタイプか。モテんぞそれじゃあ。まあいいや、それで『巫女ちゃん』は下か? 可愛いと嬉しいんだが」

「…言うと思うのか?」

「はっはっは、まさか。それに、好みとしては少年の従者の娘が好きだ。ああいう素直な娘は手元で愛でたくなる。…マジで惚れそう。

ああいやしっかし、今代のラゥルトナーは変わり者だな。聞いてた話だと代々潔癖症だって——」

「黙れ…ッ」

「んー、厳しいなぁ。ま、いいさ。面白いものも見れた。俺も帰って陰鬱な家族会議としゃれこむさ。旦那が動いてくれさえすりゃあすぐなんだがなぁ……」

「——っ」

「じゃ、そういう事だ。オレは帰るよ。———ああそれと男としてのアドバイスだが。

 守る相手が女なら一番は最初に決めとくべきだ。そうすりゃ男は意地を張れるからな」

「……」

「さぁて、ヌイちゃんが旦那にいじめられる前に帰りますかね。あばよ少年、また会うこともあるかもな。っと、そういや名前を言ってなかった。

『ユーリ・ナイギ』だ。自分で望んだわけじゃないが次期当主、らしいぜ? じゃあな」


 最後まで気配はないままに消えていった。

「………ユーリ・ナイギ」

 次期当主、そして——。

「旦那……、アイツのことか——」

 おそらく、俺にとって最大の敵となる男の存在。名の一文字も出たわけじゃないが、その予感は革新となって俺の胸を貫いていた。

「戦いは、これから。か……」

 これまで続いてきた、永きにわたる戦いはこれから先も猛威を振るうらしい。 

 そのためにも、まずは傷を治そう。その後のことはそれからだ———。


(待ってろ、終わらせてやる——)

 夕焼けの光が差し込む中で新たにした決意を忘れぬように。

今はただ、危機を乗り越えた身体をもう少しだけ休ませよう。



 □ □ □



「ヨナギ様、ご無事ですか! 申し訳ありません、遅くなってしまい……っ。…ヨナギ様?」

「———ん、ぁ? ああシエか、二人は無事か?」

「はい。…いえ……」

「……皆方か?」

 ユーリが消えてから少しするとシエも戻ってきた。

 落ち着いていたから二人は無事だというのは分かったけど、完璧ってわけじゃない。あれだけの高熱に侵されていた皆方が無事な訳も無い。

 だが、その疑問に答えたのはシエじゃなく、その背後から近づく人物。

「その通り、とはいえすぐに目覚めるよ。彼らもアッチ側に帰ったし、今は安全なところで眠りについている。明日には元通りだ」

「なら、いいけどな…」

「うん? どうしたヨナ、何か聞きたげじゃあない」

「分かってるくせして、にやけ面で聞いてくるの止めろ。…それについても明日にでも聞くさ。…とりあえず肩、貸してくれ」

「は、はいっ今すぐに!」

 ようやく上げることができるくらいに回復した腕を伸ばすと、シエがすぐに支えてくれた。


「あー、いってぇ……」

「申し訳ありません…、私がもっと強ければ……」

「泣くなって、シエに文句言ってるわけじゃないし感謝してるんだ。普段なら絶対に嫌がってただろうし、最後の攻撃もお前がいてくれなかったら『四方領域』を作り上げるのも無理だった。……ただ、さっきのでダメにしちまったから。また一緒に歩き回ってくれると、助かる」

「はい、もちろんです。ヨナギ様のお力になる為でしたらその程度造作もありませんっ」

「ああ、ありがとう」

「———っ、い、いいいいえ、全然の全然ですっ。礼をいただくなどあまりに差し出がましいくらいで」

「ふふっ。さて、彩音を待たせっぱなしでは怒られてしまう。早く合流しようじゃないか」


 リアときたらこれまで起こった事なんてどこ吹く風とでもいうようにさっさと進んで行ってしまう。

 この場において一番秘密を抱えている女なのは間違いないが、俺も疲れ切っていて秘密を聞き出そうっていう気が起きない。というかはぐらかされるのが目に見えているから、下手に聞き出そうとすると、そのせいで体力の限界に到達しかねない。

(何考えてんだか……)

 だが、それも今日までだ。

 非常に不本意だが、皆方自身が何者かに狙われている。その事実を知ってしまった以上接し方も変わってくる。

 世界や、彼女自身のことを説明しないわけにはいかなくなる。その時、リアが誤魔化そうとするなら、俺も問い詰めなければならない。

 ———そうしなければ、これから先の戦いへの覚悟が揺らぐ可能性もあるのだから。


「すー……、すー……」

「ほんとに寝てたよコイツ。……良かった」

「彼等が世界から押し出されたらすぐに熱も引いたよ。やはりアレは彩音に対して非常に危険な存在だ。次に来た時は、この程度の症状で済むかも分からない」

「ああ……、そうだな。ずいぶんな化け物がいたもんだ。けどな、次は勝つさ、絶対に」

「うん、頼んだ」

 綺麗なシーツにくるまった状態で眠る皆方は、顔色も大分よくなっていた。これならもう大丈夫だろう。まずは帰って、ちゃんとしたけがの手当てだ。


「で、誰が皆方を運ぶんだ? 俺は無理だぞ」

「おっとそうだった。じゃあ私が———」

「お前にゃ無理だろ、ああ無理だ」

「む、『纏界』最強を甘く見すぎじゃないのかヨナ?」

「そ、その…リア様、恐れ多いのですがリア様のお力では難しいかと……『四方界』も肉体強化に向いておりませんし……」

「むむ、シエまで言うのか? なら出来るところを見せつけてあげよう」

「無理すんな、その体勢で持ち上げようなんて腰やるぞ。ハァ……、シエ、皆方を頼む。リアでも肩を貸すくらいならできるだろ」

「ではそのように。……リア様はよろしいでしょうか?」

「ま、仕方ない。ほらヨナ、脚がもつれた拍子に甘えてきてもいいぞ?」

「アホ言ってんな、いいから肩を——、っとと」

「言わんこっちゃない。ほら、大人しく体重を預けるといい。それくらいなら私の力でも支えられる」

「へいへい」

「それでは参りましょう、エレベーターが動いているといいのですが……」

「あー……、そうだった」

 レギオンのせいで最上階付近は吹き飛ばされている。つまりはエレベーターを吊っていたワイヤーも吹き飛ばされているわけで、何基かは自由落下でぺしゃんこだ。

 この状況で何十回と階段を降り続けるのは非常に厳しいぞ……。

「なになに……。あぁ安心するといい、あと数回も降りればちょうど中継地点だ。そこまで行けば動いているものもあるだろう」

「そうか、デカいビルだとそういうのがあるのか。なら良かった」

 リスク分散のためか、効率化のためか、なんにせよ助かった。これで無駄に疲れることも無い。

 とはいえ——。


「はぁ……、はあ……、ぜぇ——」

「なあ、リア」

「ぜぇ……、なにかな、ヨナ」

「疲れてるなら、休憩入れるか?」

「い、いやいや。この程度の疲れなんて問題ないとも。ヨナは安心して身を任せ……、げほ——っ」

「………」

「あの、それでしたら私がヨナギ様を抱える形でお運びするというのは」

「ふふふ…、シエまで心配しすぎというものさ。私はほらこの通り———ごふ…っ、…げほ———っ………」

「なんでそんな自信満々に体力不足を隠し通せると思ってるんだお前は」

 ぜぇぜぇと荒い呼吸を吐き、支える身体は気を抜くと折れかかっているリア。一人で立ってられない俺が支える方がマシなんじゃないかと思えるくらいのこの状況。


「とはいえ、まさか一階降りるだけでこうなるなんて思いもしなかったけどな」

「ふ、ふっふっふ…。大丈夫だとも、大船に乗ったつもりで———ぜぇ……」

「すでに船体に穴が空いてるんだが」

「孔が空いてらっしゃるのはヨナギ様のお身体の方では……」

「シエ……、そう言う話じゃなくてだな……」

 次のエレベータフロアまで後4階、そこまでたどり着くのにどれくらいかかるのか。少なくとも、真夏の長い夕焼け空から、茜色の太陽が沈みきるのは間違いないことは想像に難くなかった。



ヨナギは本来の能力に制限がかかっているため、現在の戦力ではレギオンを追い出すことが精一杯となります。

今回使用した大規模な四方界は『ある人物』を倒すために準備していたものでしたが、本来部外者のレギオンに使用させられたためヨナギからの印象は最悪なものとなっています。


リアの運動神経は群を抜いて最下位です。

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