一話
コンコン。
「リナンお嬢様?」
部屋にノックの音が響く。
「なにかしら?」
私はドアの向こうに聞こえるぐらいの声を出した。
「そろそろ夕食ですよ。」
「そう、わかったわ。」
机に向かい勉強をしていた私はイスを降りようとした…
「あ、あと、明日に主様…リナンお嬢様のお父様、ライラ・キュラス様が
帰ってくるそうですよ?」
ガタン!
私は驚いてイスから転げ落ちてしまった。
「え!お、お嬢様?大丈夫ですか?」
侍女の中でも優秀なユランは心配そうな声を出した。
「え、えぇ。大丈夫よ。」
「そうですか。では…」
私はリナン・キュラス、普通の7歳児。
でも私は普通より背が高くて、黒髪ストレートで、私の家のイメージに合った 白いブラウスに紺色の
細いリボン、それに似合う深い青色の紺や黒に近い色のワンピースを着ている。
身分は…貴族の娘。
お父様はライラ・キュラス。
貴族の中でも身分は高いらしい。
お父様と同じくらいの身分の方は4人くらい。
1人はお父様と仲の良いクラウン・ビリア様。
クラウン・ビリア様には息子が一人いた。
私と同い年の子、カイガ・ビリア様。でもまだ会ったことはない。
あと3人は私はまだ知らない。
さっきまで読んでいた本を覗く。
そこにはトゥルースリーラー、この星の地図なような者が書いてあった。
「あれ?どうして立体で四角なのかしら?星は丸いのに…。しかも前はこうじゃなかったよな…」
…は?前?私は何を言っているの?
はぁ、夕食を食べに行こうかしら。