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1-1-5:測定…【初音side】

~初音side~


「コホン!…さて、見っともない所を見せてしまったね。改めて当学院へようこそ。 さて今日これからしないといけない事をパパッと済ませようか。まずは、初音・ヒュードリッヒ。君にはこれから潜在魔力、魔力放出、魔力操作、放質解放の(ランク)の確認を行う。この測定次第でどこの学科に所属するかが分かるからね。 アシュレイも今の状態を知りたいのでな、後で計測するから。 まずは……“初音・ヒュードリッヒ“!こちらに来なさい!」


私は学院長に呼ばれ、「は、はい!」とビクビクしながら慌てて一緒に教員室の奥の部屋に行った。先程のプレッシャーを受けて恐怖心が芽生えたのかもしれない。


(うう…さっきは、怖い、と思ったもの。……思わず、先生の背中に隠れちゃったし)


学院長のあと、その部屋に入ると、色々な、これから行う計測用と思われる道具がいくつか机に置いてあった。


学院長がこれから行うことを説明してくれた。

そしてまずは机に置いてある水晶の球を指さす。


「まずはこれに軽く触れてみなさい。この水晶球には対象の秘めている魔力を測ることが出来るのだ。両手をかざすがいいぞ」

「は、はい。わかりました…」


私は学院長が指差した机に置いてある水晶球に両手を翳してみた。

すると透明だった水晶球の中は青白い光が雲の様に籠った。


水晶球を覗いた後、「ふむふむ」と学院長が何時の間にか持っていた左手の30cmくらいのプレートに何か打ち込む。


(…どうだったんだろ、私の魔力って)

「では、次はこれを腕に着けよ。そうだの、利き腕に着ける良いぞ」


自分の魔力総量が気になったけど、またあとで教えてくれるだろうと思うようにし、私は学院長から机にあったリング状の道具を渡された。

私は渡されたリングを右腕に着けると、学院長に「魔力を籠めてみろ」と言われたので、私は目を閉じて左手で、右腕のリングを掴みながら魔力を籠めた。

すると、目を開けて見ると、右腕のリング状の魔導器が赤く輝いていた。


学院長が確認した後プレートに記入した後、「じゃ、次はこのリングに込めた魔力を、あそこまで飛ばしてみろ」と言われた。

どうやらこの右腕に着けているリングは、リングに込めた魔力を飛ばす機能もあるらしい。

言われた後、学院長が右の指をパチンと鳴らすと、部屋の右奥に障害物のある的が出現した。

私はいきなり的や障害物が出現した事に驚きつつも、言われた的まで魔力を飛ばす為に、リングの魔導器に籠めた魔力を球状にするイメージを浮かべ魔力球を作ると的に向かって飛ばした。

途中に障害物もあるが、私は何とか目標の前まで誘導させ飛ばす事が出来た。


「ふむ。お主の方があやつより魔法操作は上手いの。……さて次で最後だ。今着けてる腕輪を外して、この指輪を着けよ。そして魔力を自分のイメージした形にするのだ。これの結果次第でお前の所属科が決まる。…ちなみに、今までに、放質解放を行い、魔力を武装化させる“魔装創造”をした事があるかい?」


学院長に聞かれた私は「いえ、初めてです」と伝える。先生から恐らく出来るだろうが、『”魔装創造”は学院で行え』、と言われていた。だから自分が【魔装】を行えるか緊張していた。

学院長から受け取った指輪を着けた。着けた後私は目を閉じると、内なる魔力を解き放ち自分の望む【魔装】のイメージを形成していく。

私がイメージしたのは好きな魔法少女アニメとかで出てくるような魔法使いの杖をイメージした。

少しずつ魔力が形を持っていく感覚があった。

そして――


「ふむ。もういいぞ」と学院長の声を聞き、私は眼を開ける。

私のその手には、青白い光で出来たクリスタルの杖が握られていた。


「よし、これで終了だ。お前の所属科は【魔法科】だ。よかったな。なかなか、良い結果であったよ、優秀なものだ。…このような人材を見つけるとは、あやつは変わらず優秀だな、色々と…おや?」


その言葉を聞いた後、私は緊張していた事と、魔力を使った初めての魔装創造を行ったこともあり疲れが出たのかそのまま意識を失った…浮遊感に漂わせながら………


「まったく全力で挑むと、世話が焼けるの…ふふっ」



――――――――――――――――――――――――――――――――


初音とチハヤが測定部屋に入って30分くらいでどうやら測定が終わった様だ。

部屋から、チハヤと、気を失っているがどことなく満足そうな表情で寝むっている初音が宙に浮遊しながら出てきた。どうやら初音は、チハヤの“浮遊魔法”で浮いているようだ。人1人を浮かべせられるその魔法制御に感服する。


アシュレイは宙に浮いている初音を受け取り抱えると教員室の隣にある保健室に向かった。

中には保健医と思われる白衣の女性がいた。


「あら、どうしたのかしら?怪我でもしたのかしら?」


アシュレイはその人に事情を説明すると、保健医も理解したのか「なるほどね。そこ、空いてるわよ。どうぞ」と空いているベッドに案内され初音を運ぶと寝かせた。


初音を寝かせた後、保健医の人に任せると教院室に戻った。


「初音の結果はどうだった、チハヤ」

「アシュレイよ、ここではちゃんと学院長と呼ぶのじゃ!」

「はいはい」

「ムウぅ…まあ良い、では――」


チハヤから結果を聞いた。

内容は上々の結果であった。

結果を聞いた後、チハヤから「後であの子に渡してやれ」と、1つのスマホサイズのPlateを受け取った。

このPlateは所有者の情報が記録されている。云わば学院での身分証明書と言えるものだ。もちろんアシュレイも所持している。


「さて、最後に君のPlateの更新と、何やら事件に巻き込まれて見た目が変わったようだけど、まあ変わりないだろうけど、君の潜在魔力の測定をしておくかな…」


アシュレイはチハヤと共に初音が先程受けた奥の部屋に向かった。


そして、潜在魔力の測定をする為、アシュレイが水晶球に触れた瞬間――――部屋が光で包まれ爆発したのだった。




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