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1-2-5:改めて受け持つ小隊を確認しよう

校舎玄関で初音と別れた後、アシュレイは教導官用の教室に向かう為歩いていた。

歩きながらPlateを取り出すとあらためて今朝確認した学院からのメールに目を通していた。


「小隊メンバーの一人目は初音。まあ初音については知ってるからいいだろう」


初音が聞いたら間違いなく怒るであろう事を言うが気にしない。


「二人目は……カルテット?なんだ、なんか前に覚えのある名前のような…」


(どこで見たっけ?)と自分の記憶の片隅に『カルテット』の名称が引っ掛かっていた。


「……ああ、あの時のか。確か俺がこの学院に入学させられる前の時のか」


アシュレイは思い出した。

あれはエアリーズ魔導学院に入学する以前に学院長を務めているチハヤの護衛兼お守をしていた時に、ある出来事の際に顔を合わせていた。


「…レスター・リディエル?……」


カルテットの登録名に疑問が浮かぶ。

なぜ疑問に思うか?

それはアシュレイはカルテット家の御当主だけでなく、その子供にも会っていたからだ。


『レスターぁ!?レスターぁっ!?』


目を閉じるとその当時の記憶が浮かぶ。

火の上がる学院の訓練場。

その学院に襲うテロ。

その時に出会った当時名の知らない子供が必死に叫ぶ姿。

血に濡れた姿を。


アシュレイは思い出す際に閉じていた眼を開ける。


「まあ、いいか。俺の気にする事じゃないだろ」


そう意味無き事と呟くと廊下に止まっていた足を動かす。

思い出しにどうやら足も止まっていたらしい。


「それで3人目。……記憶にない名前だな。ミツキ・フォン・トリニティ…」


最後の一人の名前を口にする。

記憶にない名前。

初めて聞くはずの名前。

しかし……。

普段冷めている心の奥の片隅の何かがざわついている様で気分が悪い。


「――気にするな。…そうだ、気にしても意味はない。そうだ…」


意識的に忘却することを選んだ。

一息吐く。

落ち着くことが出来た。

自分のいつもの正常状態に戻ったのを確認。


「ミツキだったか、この子だけが魔技科か」


初音とカルテットは魔法科。つまりは【魔装】を操ることで魔法を発動させることが出来る魔法師。

そして魔技科であるトリニティは【魔装】を創造出来ないと言う事だ。故にアシュレイも現在使用している魔導器(デバイス)を用いる事で魔法行使を行うのだろう。


「…初音は属性変換魔法。カルテットは【魔装】による近接戦闘がメイン、トリニティは、魔導器(デバイス)による遠距離射撃がメインか。寄せ集めたにしてはバランスが取れてるな。年齢も同じ1期生。連携も築きやすいな」


受け持つ小隊メンツの得意分野の確認をし、今後どう指導するか、と考えているうちに教室の前に辿り着いていた。


「ここだな。さて―」


扉に手を掛け開けると中に入った。

入って直ぐに此方を正面に睨むように立っている本科の制服を着た女性がいた。


「やっと帰ってきましたねっ!アシュレイ・バークレインっ!」


その見ず知らずのはずの女性はそう叫んできた。




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