表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/26

1-2-2:噂されるが気にしない

アシュレイと初音は歩いて20分程で今日から世話になるエアリーズ魔導学院に到着した。


「流石に有名人ですね先生。噂をしている人がたくさんいますね」


若干揶揄い成分多めで話しかける初音。

この学院に着くまでに、そして学院に着いたことでさらに噂話と言うかヒソヒソとアシュレイに注目の視線を向ける者が増えた。

昨日訪れた際に既にエアリーズに帰還している事は知られ拡散しているようだ。

ただアシュレイに向ける者の多く、興味と疑問で、アシュレイの以前と変わった姿に、以前は使用する必要のなかったはずの魔導器(デバイス)を魔法師であるはずのアシュレイが身に着けている事だろう。

そして――向けられる視線の中にはこう思っている学生が多いのではないか、と。


『あの【一なる全】が単騎(ソロ)としてまた小隊戦に参加するのではないか?』


と。

ただアシュレイはこの年において小隊戦に参加はないと考えている。

既に過去に2度小隊戦の覇者となっているのでそこまで興味を持っていない。

そもそも今のアシュレイには魔導師として欠点を抱えおり、魔導器(デバイス)の補助を使いつつ全力の魔法行使が可能なのは数十分も持てばいいという状態であり、能力が【事件】の影響で落ちている今かつてのように無双できるかと言えば五分くらいだと考えている。

特に唯一認めている【特権】を用いてまでこのエアリーズに籍を変えてきた【黒の剣帝】と呼ばれるデュオ・レルクザード・アーサーにはまず敵わ無いと思っている。


『まあどうやら彼、今年は教導科みたいだし参戦はしないんじゃない?』

『と言うか、あんな個人主義者に教官なんて務まるの?』


と言う声もチラホラと。

基本学院に籍を置く魔法師には小隊戦の参加が義務付けされている。

しかし唯一免除される場合がある。それが他の小隊魔法師の育成強化を目的にしている教導科に籍を置く者なのだ。だからこそアシュレイは教導科に所属する事したのだ。


【教導科】。マギナトレイターと呼ばれる。

この科に所属するための条件は、いくつか細かくあるが大きく上げると以下の二つだろう。


①Bランク以上の実力を持つ認定されている3回生以上の魔法師であること。

②教導において何かしらの実績を持つ魔法師。


アシュレイには教導の実績はないが、かつて最強の魔法師としての評価があり、1年放浪に出ていたが籍はそのままの処置を学院長である黒姫チハヤが行っていたので、アシュレイは今年で4回生の扱いとなっている。

なので①の項目が適用されたのである。


もちろん教導科に所属する者でも小隊戦に出る者はいる。寧ろ出ない者は極少数と言える。

アシュレイは極少数に該当するわけだ。


あとアシュレイに教導官が務まるのか?と言う声。

これはかつての彼を知る者であればそう疑問に思い抱くのは仕方ないだろう。

他者を拒絶した姿勢が強かったアシュレイに『指導』が出来るものか?と。

実際小隊を組まず単騎(ソロ)であった彼に務まるのか?と。


そんな声などアシュレイは気にせず初音を連れ学院の玄関に着く。


「それじゃまた昼の後でな初音」

「はい。私はどうやらこのまま所属するクラスに向かえばいいようですので、このままクラスに向かいます。先生の教導楽しみにしていますね」

「ああ」



校舎に入ると学年も所属科も違う。

「またな」と短く初音に告げ返す。


初音と別れると、アシュレイは所属科である教導科のクラスに向かった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ