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初めての蜥蜴人 沼地の訓練とレベル上げ

集落を出ること半日の行程を得て、大小様々な大きさの沼の群生地帯であるオーグル沼地がようやく見えてきたようだ。

かなり広い湿原地帯であるようで、見渡す限りの沼にはゆらゆらと蠢めく水草と、棒状の実がなるオニバスのような植物に覆われ、美しい光景が見られる。

生まれて初めての光景に俺たちはしばし時を忘れたかのように魅入ってしまう。しかし、直ぐに表情を引き締めることになった。


沼から招かねざるオレタチを歓迎しようと、無数の鳴き声と共に現れたモノたち。


それは沼蛙と呼ばれるこの沼固有の進化を遂げた魔物。


1匹1匹はリザードマンにとっては其れ程の強さではない。

しかし沼蛙は繁殖力が高く、放っておけば数百の群れを成す。

数の暴力も強さの一つである。



しかし、不思議なことにどれだけ繁殖しても決してこの沼地を大きく出ようとしない。

寧ろ増えすぎた影響で餓死を迎える個体までもが現れる。


だが、沼蛙はこの沼を絶対離れようとはしない。

まるで己の屍でこの沼地に養分を与えているかのように…。


〈白鱗の氏族〉がこの地を支配領域として選び、沼蛙を狩り続けているのは戦闘経験を絶えず増やすこと以外にも理由は存在する。

稀にだが、沼蛙を狩った際に豆粒ほどの鉱石が取れる事があると言う。

この鉱石は鉄よりも軽く、丈夫な性質の武器として大いに役立っていた。


この豆粒の大きさの鉱石らは初代族長が発見したいう。

そしてこの僅かな鉱石を掻き集め鍛えた武器は、切りつけた相手に毒を与えたという伝説が残っていた。


残念ながらその武器は族長の行方不明と共に消えたとボルデッカが教えてくれた。

そんな訳でこの鉱石の存在は沼蛙が体内で偶然出来上がるのか、それともこの沼地で何かを吞み込んでるのか…未だ謎は解明されていないままだ。




それと集落の皆は気にしていないようだけど、この沼のお陰で継続的な経験値を稼げ自然と鍛えられている〈白鱗の氏族〉の戦士達は、下位蜥蜴人から蜥蜴人へと種族進化する者が俄然多かった。


普通のリザードマンの集落では、余り考えられない事なのだ。

何故なら普通の集落のリザードマンは、下位蜥蜴人が殆どで蜥蜴人は僅か一握りの存在だ。

それこそ上位種などは何十年に一度の割合で出るか出ないか…といった感じで。


しかし結果を見れば、森の生態系を壊さずに意図的にレベルアップが図れている。不要な争いもなく、均衡が保たれているのだ。

これを意図的に組み込まれているのならば、先見性を感じた初代族長の凄さが解る一面だ。











さて、今も続々と沼から湧き出ている大量の沼蛙マーシュフロッグは、この他に大沼蛙と呼ばれる上位種が支配している。


沼蛙と大沼蛙の攻撃は基本的に一緒である。

ヌメヌメの粘液を吐き出し、相手の行動を阻害させる。体長の60cmの約2倍も伸びる舌を自在に操り、攻撃しながら相手を丸呑みにする特性を持つ。


草陰に隠れて遠目から観察していると沼蛙マーシュフロッグが口から粘液を吐き出し、空を跳んだ大型の昆虫に吐きかけた。

直撃した昆虫は直ぐに地面へと急降下し、地面へと落ちる前に鋭く伸びてきた舌に絡め取られて、大きく開いた口元にゴックンと飲み込まれていった。


ふむ、どうやら俺たちの狩り慣れたエンドワームと似た対応でいいようだ。

まず気をつける事は最初の粘液と長い舌だ。相手が攻撃を仕掛ける予備動作に着目し、タイミングを間違えずに反撃する事が大事だな。










各自戦闘準備は整った。

お姉さんの号令で早速狩りを開始する。

生息する領域へと無断で入り、侵入者排除の為に次々と水面から飛び跳ねてくる沼蛙を迎え討つ。


ドルゾィは真っ先に突っ込み相手の攻撃を躱して突く。殴る、蹴り上げる。爪で切り裂く。

沼蛙達は数こそ多いが、その利を活かしきれず各個撃破され始めていく。

一応粘液による攻撃の対策もしてあり、急増で拵えた木の小盾で受け止めて防ぐ。


彼女は相手の攻撃を躱しながら距離を半歩でも詰める事に無心しており、シディアンさんから言われたアドバイスを忠実に守っていた。

そして瞬発力を活かして忙しなく動き、相手の反撃を待たずに瞬く間に屠る。粘液攻撃もあれでは絞りきれないだろう。


身体が出来上がっていない為、今は一撃の威力よりも連打で相手の隙を作り出す。

急所に吸い込まれていく打撃は見ていて真っ直ぐで、惚れ惚れするくらいに気持ちの良い。

模擬戦を得て、更に攻撃スタイルは確立してきたようだ。



戦闘本能が強く敵を求めるのかドルゾィは戦いに対して、時折恍惚として夢中になり過ぎる悪い癖がでる時がある。

今も無心に前方集中で倒し続けている。


その為、1匹の沼蛙マーシュフロッグが、夢中になって攻撃しているドルゾィの死角へと回り込み、長い舌で絡め取ろうとする。

しかし、背後を護るように駆け付けたルタラのハルバートが長舌を、下から上へとスパッと切り上げた。


そして、振り上げた反動を活かしながら連続攻撃へと繋げる。

更に頭上から振り下ろした一撃は、正面から沼蛙マーシュフロッグを叩き切った。

むしろ叩き潰したと言っても過言ではないだろう。


内臓を撒き散らして絶命した沼蛙マーシュフロッグには目もくれず、次の相手を探し続けるドルゾィの死角を無言でカバーしていく事に尽力するルタラ。

2人ともスタミナ配分を考えていないかのように暴れまくる。

楽しくて楽しくて仕方のないように見え、自然と彼らの辺りには空白地帯が出来た。

攻撃スタイルの対照的な2人は良いコンビのようだ。

今日の目標としてドルゾィは攻撃特化に徹し、格闘の経験を積む。

ルタラは今回カバーに入り、サポートに徹する事を己に課している。


そうする事で己と自分を知り、連携に磨きをかけていくそうだ。



敵が子供の俺たちにでも強すぎないため順調に狩り続けているが、後にも後にも湧いてくる魔物の数が多過ぎる。

当然対処しきれない攻撃も増えてくる。


俺たち下位蜥蜴人も鱗はあるが未発達で、大部分を少し硬い程度の外皮に覆われている。

蜥蜴人になると鱗が充実し、動きも阻害しない天然の鎧となって更に身を守る役目を果たすそうだ。


そのため沼蛙の舌と爪程度の攻撃では、皮膚に擦過傷程度の傷や酷くとも軽い打身程度の、多少疼痛を感じるぐらいのモノでしかない。

まぁ打ち所が悪くならない限りは、対したダメージとはならない。

幼体とはいえ、弾力のある外皮と鱗は伊達ではない。


しかし俺にだけは〈生命力脆弱〉skillがあるため、慎重に慎重を重ねている。

周りを見る事、自分の出来る事を改めて構築しながら、戦闘を続行していく。

お姉さんのアドバイス通り、ちょこちょこと動きながら、ここぞというとき以外は短槍での全力攻撃は避ける。


沼蛙という格下の相手とは言え、数に怯まず無双出来る2人が羨ましいばかりだ。


さて、目立つ2人に気を取られている沼蛙を見付けては背後から隙を狙って襲い、仕留めていく。

ズプリ…と沼蛙の肉を抉り、一撃で仕留めた。

なるべく心臓がある所をグサリ…とね!


時に背骨に邪魔されるが、その時は一撃で仕留められなくても、相手の行動力を奪うことになる。


俺は俺でキッチリと役割を果たし、大きな怪我なく全員で帰る事を目指している。

出てくる魔物の数は多いが、俺達にでも今の所対応は可能だ。確かにいい訓練になるよ。


もしも敵わない程の格上が現れたとしても、俺には切り札の魔法と術式がある。

なるべくは秘匿しておきたいが、流石に仲間のピンチに使わない程、非常に慣れない。


彼らは第二の人生を歩みだした俺の大事な仲間なのだから。









ある程度の沼蛙を狩り、数が減って周りを見渡す余裕が出来てきた。

俺達に膨大な数が行き過ぎないように、付き添いの下位蜥蜴人のお姉さんが一番危険な役回りをしてくれている。

チラリとそちらを見ると、俺たちとは比較にならないほど無双状態だった。


彼女は囲まれないように常に移動しながら攻撃を繰り返し、その華麗な細槍裁きはピンポイントに沼蛙の急所だけを突いている。

一撃必殺とはこういう事なのだろう。必要に応じて時に払い、最低限の動作だけで躱す。


すると、沼からザバーンと水飛沫が盛大に飛び跳ね、一際大きな個体達が飛び出してお姉さんの行く手を塞いだ。


他とは違う個体…この沼の上位種 大沼蛙に違いない。

うーん、戦えば何とか負けないまでも、まだ俺たちの手に余りそうだ。


しかし上位種が立ちはだかったとて、お姉さんの進撃は止まらない。

沼蛙と同様、死屍累々の無惨な光景が増えるだけだった。


何故なら大沼蛙もたった細槍の一凪で大きな頭部を切り飛ばされ、次々と湧いてきた大沼蛙の三体は大した時間もかけずにその場に倒れ伏した。

大沼蛙すら反応出来ない攻撃を繰り出すお姉さん。



本当に下位蜥蜴かよあのお方はマジバネェ…一体何者?

少なくとも王国オルグフェンの騎士と比較してもよっぽど強い。

アレほど才能があるのに何で蜥蜴人へと種族進化出来ないんだろう?





考えられるに………単純にLvが足りてなかっただけだったりして。

普通ではLvって概念も無いし、確認のしようなんて無いからねぇ…まさか…ねぇ。


今夜、カードで確認してみましょう。

検証のためにもそうしましょう。


さて、俺も彼女の槍裁きを目に焼き付けながら技術の積み重ねと存在値を得る為、1匹でも多く狩ろうと沼蛙へと立ち向かっていった。








時刻は夕過ぎになっただろうか?

大量にいる沼蛙との継続戦闘を一先ず終えた俺たちは、折り重なる死体を食料として解体し、肉を持てるだけ持って撤退していく。

沼は静まり返っており、時折魚影が水面に確認出来た。

ここの沼の主である大沼蛙が複数も倒された事で一時的に落ち着いている。

しかし無数にある沼でも、遠距離にある沼からはまだこちらを伺う気配は沢山あった。


先達の地道なこの地の調査により、魔物が少ないと思われるポイントまで下位蜥蜴人のお姉さん…名前はシディアンさんに案内されながら後退する。

格下だったとはいえ、かなりの数の沼蛙を屠った俺たちは疲労困憊に近い。


そこへ着いたら、大沼蛙ビックマーシュ沼蛙マーシュフロッグをの肉を切り分け、BBQの木串ように簡単な食事を作る。


特にシディアンさんが仕留めた大沼蛙はプリプリとした艶やかな肉の塊で大変美味しそうだ。

倒した彼女自身は食べないそうで、全て提供してくれた。

では何を食べるのかと聞くと、植物系の野菜や果物を中心に食べるから気にするな…と言われた。

そう言われたらシディアンさんの側にはフルーツと思わしき赤い果実と、沼の水辺で採れた棒状の実が置いてあった。


「お前たちは私がリザードマンなのに肉を食べないと知ったら、可笑しいと思うか」


不意に、凛とした声で静かに聞いてきた。


「いや、良いんじゃないです?

俺も肉以外に好きなモノがあるし、集落の近くで獲れる星型のフルーツも好きです。

その棒状の実もたまに苦味があるけど清涼感があって美味しいですよ」


元人間の影響なのか他人の食べる食に偏見はないし、俺も食べれるモノなら何でも食べてみたいものだ。


「そうか…私もあのフルーツは好きだな」


フッと小さく笑った横顔は美しい。


きめ細やかな鱗に大人の女性のボディライン…うーん、クールビューティーって感じだ。



さて、準備が出来た串肉を手に…それでは頂きます!

大沼蛙を遠慮なく貪る俺たち。

沼蛙は少し生臭く泥臭いが、それを気にしなければ充分食べ応えのある味と満足する量だった。


大沼蛙の味は沼蛙と比べて脂肪分が少なかったことは驚きだったが、その分しっかりと身の詰まった鶏肉のような淡白な味わいは、流石に上位種である事が充分にわかる味わいだった。


生食も充分に美味しく頂けるのだが個人的には、塩などの調味料を振りかけたい。

肉も更に味が整えられて旨くなると思うのだが…無い物ねだりは禁物だ。

それと火を起こして焼く事も考えたのだが、この周辺の夜の魔物は昆虫型が多く火の灯を目指して近寄ってくる個体がいるので、ここで野営をするのでオススメされなかった。


昆虫型の魔物かぁ…因みに魔蛾は、外はパリパリ中身はドロッとクリーミーな味だった。


ゴクリ…気になる。食べれるのだろうか?人間であった時は絶対に無かったが、今は虫を食べる事も拘りなく気にもならなくなってきた。

それにあれは虫ではない、立派な食糧なのだから!

少し興味はあるが、疲れ切っている今日は取り敢えず休む事を優先したい。




夕食もひと段落ついた所で、コッソリと〈時空間収納ゲート〉を念じ、中からステータス確認の為のカードを取り出す。

俺たちにとってのお馴染みとなったカードに対してシディアンさんは非常に驚いていた。

訝しる彼女に何とか説明して触って貰うと、こんな結果が出た。





name【シディアン】


下位蜥蜴人・アタヴァズムLv98


rare skill

〈戦闘才覚〉


normal skill

〈リザードマン流槍術〉〈半水棲〉〈投擲術〉




なんとrare skill持ちだったのか。しかもアタヴァズムって…確か隔世遺伝だって意味だったような気がする。

もしや普通のリザードマンとは違うから、必要な経験値やLvも溜まるのが遅かったんだろうか?

シディアンさんはLv98と高い水準にある。もうすぐLv100に近いな。


相変わらず、カードに浮かぶ文字は俺に以外には読めない見たく…覗き込んで見ているが怪訝そうな顔をしていた。



シディアンさんにskillについて説明してみた。それと、Lvと呼ばれる概念を何となく伝えてみた。

それに伴えば、種族進化もあるかも知れないという事も伝えてみる。


彼女は酷く複雑そうな…期待と不信が混じった表情で此方の話を黙って聞いてくれていた。

何か聞きたそうな雰囲気だったのだが…子供の言う事だと思ってくれたらしい。口を挟まず黙って聞いてくれている。

取り敢えずこのカードの事と結果は秘密にする事に納得をして貰い、秘密の共有化に協力してもらった。


ちなみに俺たちのLvも全員が上がっていた。

でも、誰も目新しいskillは顕現していなかったのは残念だった。







夕闇が場を支配し、少し早いが俺とルタラは仮眠を取る。

この遠征では夜の警戒の仕方も含まれ、最初はシディアンさんとドルゾィが組んで不寝番を務める。

次に俺、ルタラとシディアンさんとで組んで朝まで…と流れになる。

シディアンさんは1日くらい不眠でも大丈夫なそうだ。


最初は俺たちも起きてますと言ったところ「子供だから早く寝なさい」と、やんわり諭された。

やはり優しい蜥蜴人ひとなんだなと思う。


起きていられるかとも思ったが、確かに子供の身体にはキツイようで。

…かなり眠たいのは事実だったのでお言葉に甘える事にした。

シディアンさんが里から持ってきた魔物除け用の香を焚きながら、本日の眠りについた。














誰かに身体をゆっくりと揺らされた事で目が覚めた。

どうやらもう交代の時間のようである。

流石に子供の身体なのか眠気がなかなか醒めない。よく見るとルタラもアクビをしている。


両手で自分の顔を軽く叩いて刺激を促し、ようやく眼を覚ました。


「起きたわね、じゃあ、ドルゾィ休みなさい」


「はぁい、シディアンお姉ちゃんがんばってね」


そう伝えるや否や、ドルゾィは嬉しそうに頷いて直ぐ横になった。

余程眠かったのだろう、スヤスヤと寝息を立てていた。


お姉ちゃんか…2人だけの時間に仲良くなったみたいだな。



夜間の警戒の仕方を早速教えて貰い、不寝番に臨んだ。




その後夜中は特に変化なく朝を迎える事になった。

時々シディアンさんがピクリと動く度に緊張したのだが、大丈夫だった見たいだ。



少し気怠げなシディアンさんに断りを入れ、ルタラと共に近くを探索する。

いつも木の実を採っていた場所とは環境も違うのか、大きな樹の近くに見た事のない斑点のキノコがあったり、アケビの実をつけた蔦が巻き付いた木を発見したりした。


昨日の沼蛙の肉は流石に食べきれない分は腐るので、穴を掘って土に返した。

あの肉は今日も存分に食べるつもりなので勿体無いとは思っていない。


アケビと斑点キノコを多く採取した俺たちは一度拠点へと帰り、ドルゾィを起こして朝ご飯とする。


アケビは兎も角、斑点キノコと名付けたキノコは食用だった。

生でも食べれるのだがエグみが強い。焼けばそのエグみが旨味へと変わり、肉厚なキノコはジューシーな味わいへと変わるのだと、教えて貰った。

生で一口食べたのだが、確かにエグみが強い。ルタラとドルゾィは一口で食べるのを諦め、アケビを皮ごと食べていた。

俺はまだ許容出来る範囲の味だったし、栄養バランスだって大切だ。

途中水を飲みながら斑点キノコを食べ続けた。


全員が朝食を食べ終わり、簡単な装備のお手入れをしてから2日目の朝も沼蛙大量討伐は始まる。

大小の沼からは昨日よりも沼蛙が沢山徘徊している。

昨日の今日でより警戒されているのだろう。


折角なのでシディアンさんのLvも上げて貰って、種族進化とはどのようなモノなのかを知りたい。

その為には沼蛙だけでは足りないだろう。上位種である大沼蛙クラスは何体か必要だ。


昨日観察した結果、大沼蛙を陸地へと誘き出す為には沼蛙を大量に狩らねばならない。

大量に狩れば必ず上位種の大沼蛙が引き寄せられるように此方にくるのだ。

上位種の相手はシディアンさんに任せる事で彼女のLvアップを図りたいと思う。


んじゃ、やる事はいつもと変わらない。

狩って狩って狩りまくれー!!


俺たちとシディアンさんのLvの為にもね。




今日のルタラの目標は、昨日の仲間のカバーではなく殲滅だ。

ルタラは身体の使い方を覚え始めてきたのか、無駄なく蛙を一撃の元叩き潰す事に何度も成功していた。

この継続戦闘の中で何かを掴んだようだ。

拙いながらもハルバートの重量を活かすことを学び、次々に沼蛙に連続攻撃を叩き込む様は立派な戦士だ。


俺はと言うと、今日はドルゾィとコンビを組んでいた。ルタラを含む俺たちが囲まれて孤立しないように連携訓練も兼ねている。


おっと、またチャンスだ。

ドルゾィの攻撃によってよろめいたり、四肢欠損の出た沼蛙にトドメを刺したりしていた。

俺の振るう短槍裁きも昨日よりは鋭いような気がする。これもLvの影響のお陰かね?

それと魔力運用の練習も兼ねて、俺は密かに身体能力を若干向上させて鍛錬している。

魔力の流れを徐々に身体に染み込ませていると、ドルゾィが不思議そうな顔で時々此方を見ているのがわかった。

勘の鋭い彼女にはこの違いが分かっているのかも知れない。

実はこの訓練後、集落肉も戻ったらドルゾィやルタラにも、魔力があるのか確認して適性があるようなら教えるつもりだ。


そしてドルゾィは昨日ような苛烈な攻めを一旦止め、仲間のサポート役に転じていた。

沼蛙の機動力を奪う為に脚を傷付けたり、必要最低限の力で戦闘能力を奪うやり方を勉強しているようだ。


もしかしたら昨日女性だけで不寝番をした時に何か教えて貰ったのかも知れない。

静かに、時に苛烈に攻めるスタイルはシディアンさんを思い出させていた。



俺たちだけでお昼までには30以上の沼蛙を討伐する事が出来ていた。

昨日よりもLvも上がっている事もあり、体力的にもまだ大丈夫だ。

勿論大沼蛙も出没し、今回はシディアンさんとの戦いを観戦するだけの余裕が出来ている。


上位種である大沼蛙は沼蛙より大きく、体長は90㎝に迫る勢いだ。

大きく開いた口からは長い舌が覗いており、何でもパクっと一口で飲み込めそうな勢いかある。

長い舌を使った攻撃は変わらないし、時折ネバネバの粘液も吐き出してくる嫌らしさも沼蛙と変わらない。

何が違うのかと言うと…一言で言えば全てだ。迫り来るスピード、パワーはまず段違い。

最終日までには俺達で挑戦したい試金石とも思える魔物だ。





程なくして夕すぎとなり、狩りは本日の終了だ。

この沼には魚影も確認しているので、後で収納してあった釣りを試して見たいと思う。

そこで大人達から出発する前にある注意を言っていたのを思い出した。




この沼にはリザードマンの言い伝えがある。

昔ここの一帯を〈白鱗の氏族〉で支配した際に調査の為にこの沼へと潜った1人のリザードマン男性がいた。

集落一の泳ぎ名人であった男性だが、何時まで経っても上がってこない。心配そうに仲間が見守る中、遂に彼は帰って来なかった。

後日、リザードマンの腕だけが浮いており、2度と姿を見た者はいないという悲しい言い伝えだった。

その為、子供たちは特に沼には入らないようにと注意を受けていた。



恐らくここの主と思われてる沼蛙以外に、凶暴な魔物が水中には潜んでいるのだろうと感じる。


それでも釣ろうと思ったのだが、やんわりとシディアンさんに止められ断念せざる終えなかった。

またここに来る機会があれば、まだ見ぬ魚影を眺めつつ…釣ってやろうと思う。


本日の沼蛙と大沼蛙も美味しく頂きました。

激しい訓練の後の食事は何よりも美味しい。また筋肉、体力に変換していくのだろう。もっと沢山食べなきゃな。


ステータスカードで確認した所、シディアンさんのLvは99となり大台まであとあと一歩だ。

俺達のLvも順調に上がっている。あと少しでLvが10を突破するところまで来ていた。まだ蜥蜴人までの道は長い。もっと強い魔物でも狩れれば経験値の貯まりも早いのだろうけど…ここは下地を作り慎重かつ大胆に見極めて判断したいね。





沼地にて3日が経過した。

今日は1度集落へと帰る日だ。


随分と数が減った沼蛙達は、初日ほどの勢いはないものの襲いかかってくる。




因みに、俺達だけで大沼蛙の討伐も果たした。

シディアンさんから最終日という事もあり、俺達の実力を評価してくれ、1匹を任せてくれたのだ。


俊敏なドルゾィが囮役を務め、先方に立ちつつ各所に攻撃していく。

沼蛙よりも分厚い筋肉を誇り、拳撃での攻撃自体は思ったよりもダメージは少ない。

バンバンと続く連続攻撃を鬱陶しそうに大沼蛙が長い舌を伸ばして絡めようとする。

器用にドルゾィ1人にに集中し始めた所で、背後からルタラが重量のある一撃をかます。

肩甲骨辺りにグィッと銅ハルバートが半分ほど食い込むが、そこで止まってしまう。

あわや今度はルタラに長い舌を絡めようとした時に俺とドルゾィが頭部へと飛び掛かり、左右の眼を潰した。

その代わり、痛みと怒り状態の大沼蛙の突進と爪による攻撃を喰らった俺とドルゾィは派手に吹き飛び、浅くないレベルの擦過傷を負う。

痛みに顔をしかめつつ、状態確認する。大沼蛙の爪が胴体を守る皮防具を切り裂き、鱗までも貫通していたが、そのお陰で生命の危険に至る傷ではないと判断。

ドルゾィを見ても同様で、寧ろ彼女の方が危険察知が早かった事もあり軽傷だった。


お互い命がある事にホッとしつつ、前方の盾として粘るルタラの応援しながら、やっと討ちとる事が出来たのだ。



銅のハルバートでトドメを刺したルタラ。

勝てた要因は3人だったことと、早めに両目を潰した事も含まれるはずだし、最終的にフルボッコにしながら致命傷を負うことなく勝てた。



因みに驚異度では大沼蛙よりも、先日戦った飛空して強襲してくる魔蛾の方が何倍も上だ。上空からの相手とはそれ程取れる手段もなく、厄介なのだ。

あの飽くなき闘争心は成虫となって得るのだろうが、勝つためにどんな相手にも怯まず向かっていく様は狂蛾と言っても過言ではない。


物思いにふけりながら、それでも3人で初めての格上の魔物の征伐をやり遂げた達成感が俺たちを包みこんだ。

それと同時に一瞬、身体の中に流れ込む力を知覚した。

流石に子供が勝てる筈のない魔物だったからだろうけど、これが経験値って奴なんだろうな。








その後、十分に休憩をしてから出発した。沼蛙は見送りも出来ないくらいに数を減らしていたが、また繁殖時期になれば増えるとの事で定期的な狩りが必要なのだそうだ。

今度来るときは、1人でも大沼蛙を狩れるようにしておきたい。



そうして沼地を出発して道なき道を歩き続ける途中、奇妙な場所を見付けた。

生い茂る木々と草むらの中に赤黒い斑点のようなモノが付着しているのだ。

ここから微かに漂う鉄臭い臭いといい…状況を確認する。



それも辺りに飛び散っている斑点は、間違いなく血だ。

これは森の奥へと続いていて、何かを引きずったような痕も残っている。


まだ新しい血痕だ。

一気に臨戦態勢へと入り、その先を慎重に進んでいくと、草むらの中に食いちぎられた猪を発見した。

大型の顎で食い千切られた歯型が残っており、少なくともこの近くに何者かが潜んでいるのは間違いなさそうだ。


俺たちを背後へと隠れさせ、威嚇音を放ったシディアンさんは、細身の槍を片手に辺りを注意深く見渡す。


すると奥から大量に血の臭いがする場所を発見した。

慎重に進むと、叫びのような戦闘音が聞こえる。

それも直ぐに聞こえなくなった。


急いで駆け付けたそこには、大量の血を流して倒れ伏したリザードマンと、その側には横たわり、額にナイフが埋め込まれている森林狼を発見した。


ピクリとも動かない森林狼は、どうやら死んでいるようだ。


リザードマンの方は全身咬み傷や擦過傷で血だらけで、非常に呼吸が浅く微かに胸付近が上下していた。

よく見れば何だか見覚えがある…だらりとした口角から覗く牙が1本欠けている。

間違いない、この人は《白鱗の氏族》集落の下位蜥蜴人で、初めての俺達の釣りに着いて来てくれた男性のようだ。

名前は確かボンボンだったっけ?


彼に声をかけるも反応は薄い。

慌てて持ち込んであったポーションを身体に振りかけた。


一瞬で治るようなポーションではないが、身体にかける事で出血は止まった。更に2本分を振りかける事でようやく彼も落ち着いた呼吸へと変わってきた。一先ず、これで大丈夫だろう。




しかし、これは一体…どういう事なんだ。

集落にいる筈の彼が此処にいて、森林狼もいる。何が起こっているんだ?



ゾクゾクっと嫌な予感が胸を支配した。



そこはかとなく感じた予感の原因は、突如として目の前に出現した。


タッと物陰から音がした瞬間、シディアンさんが俺を細槍の柄で咄嗟に突き飛ばす。

すると、俺のいた場所に風のごとく速さで何者かが通り過ぎていった。


痛みに顔をしかめながら、その対象を観察する。

獣種の魔物の強靭な脚力を誇ったソレは痩せ細った体躯をしていたが、鋭く伸びた爪、深緑色の毛皮、異常に発達した鋭利な犬歯…あれは間違いない。


森林狼の上位種であるラウンドウルフ…目のギラつきは相当なプレッシャーを放っている。

仲間の屍を囮にして待ち構えていたなんて…知能的にも森林狼よりもずっと頭の良さそうな相手だ。


遠吠えを上げて即座に俺の方へと襲いかかってきた。

俺の元へと到着する前にシディアンが細槍を構えて飛び込み、接触を阻んだ。


「上位種か…厄介ね」


力強い手応えが槍を通して伝わってくる。

同じ上位種でも大沼蛙とは違い、此方の方が格上である。


こうして1匹と1人が攻防を続けている間に、遠吠えを聞きつけたのかボスの背後からも5匹も現れ、此方の状況は更に悪くなった。


シディアンさんがラウンドウルフを抑えてくれている間に、俺たちは傷付いた下位蜥蜴人であるボンボンさんを囲み防戦の構えをとった。


(相手の方が数も多く、庇いながらの戦いは分が悪い。

俺たちも慣れていない。ここは出し惜しみする状況じゃ…ないか)


ジリジリと此方に詰め寄る5匹の森林狼達。舌なめずりをしている奴もいる。子供だからって舐めるなよ?


俺は左手のワンダリング・シーカーに魔力を通す。


そして、この際に試しておくべき事があった。

勇者時に会得した術式の確認である。



俺の契約した術式は脳内と、どの生命体にも宿っている魂と呼ばれる神秘的なチカラに刻み込まれている…筈だ。


多分、このまま転生と一緒に術式もあると思う。

自身の魔力を知覚した時から、このナカに眠っているように存在しているナニカを感じ取っていたからだ。


脳内にピリッと電撃のようなモノが走った。

これは【魔力活用】の術式を起動させたからだ。慣れてくるといい刺激になって癖になる。

懐かしい感触と無事術式が起動した安堵感。

魔力が吸い込まれて、身体能力が強化されていくのを感じた。





準備は整った。さぁ、コイツらには練習台になってもらおう!!









…結果、襲ってきた森林狼は全滅。

後から合流した森林狼は全部で10匹もいた。

迫る爪や噛みつきをいなし、短槍をねじ込む。

そして、極めつけだったのは初撃に放った〈重穿グラビティ・ライン〉の魔法で森林狼3匹を幸先良く屠れた事だろう。

黒く輝く閃光は1匹の頭部を貫通し、後ろにいる森林狼達の腹部を抉る。後ろの奴らは回避しきれなかったのだ。


あれで残った奴らに怯えと硬直が発生し、一気に流れが此方に向かい殲滅するまでの時間が短かった。

…後から思い返せば過剰戦力だったかも知れないが。




今回使った術式は《魔力集中》と《魔力転用》の2つ。


この《魔力転用》の術式で今回は魔力を消費して身体強化の方へと変換され、筋力、敏捷性、反応速度が最大で2割ほど強化される。

しかし、併用して《魔力集中》で高濃度の純度の魔力へと変換されている為に、補正は更に上乗せされて実際は3割強の力増しとなっていた。

そして合わせ技として同時併用で術式を繰り出すことは誰でも出来る事じゃないし、元々戦士のように前衛のように立つものでなく、守られた状態からなので同時併用するメリットがないからだ。


例え同じ条件の魔法使いでも、基本は1つずつの術式の起動からしか出来ないのである。

それに同時併用は扱いが難すぎるのも要因の1つだ。


いうなれば、左手、右手で同時にジグソーパズルを組み立てていくような感じに似ている。

そして脳内にあるのスイッチを入れる…そんな不安定であやふやな感覚になれるまで勇者時代慣れるまでかなりの年月を要した。

ここでも習得の仕方を高位術式であり、契約すれば常時発動型の《叡智の魔導理論》の効果もあってそれだけの期間で済んだのだ。

魔法と術式さまさまである。


このような事から2つの術式を要する一流の魔法使いであっても、同時併用まで技術を戦闘まで昇華出来るかは…かなり難しいと思う。

手探りでも出来れば、それは超天才呼ばれるくらい者のはずだしそこに時間を掛ける物好きな魔法使いは少ないと思う。

好奇心に満ちている彼らは、研究が山ほどあるはずなのだから。



術式の良いところはタイムラグが無い所にある。筋肉も粘弾性に富み、伸張反射すらも魔力でカバー出来ていた。

今の戦闘で色々と検証出来て良かった。


身体に馴染むまでブランクはあるものの、今後調整していけば大丈夫なはず。この2つの術式だけならば魔力の消費も少ないし、久しぶりに使った〈重穿グラビティ・ライン〉の威力も変わらず、頼もしさを覚えている。


ただ、リザードマンの子供の筋力は人間に比べれば多いものの鍛え方が足りない。まだまだ精進が必要だろう。


そう思ってルタラ達の方を見ると、ハルバートを持ったままあんぐりと口を開きっぱなしにしているルタラとは対照的に、俺に駆け寄り興味津々な表情で矢継ぎ早に質問してくるドルゾィがいた。

彼等は大小の擦過傷、咬み傷などがあるものの、それぞれ1匹ずつ森林狼を倒していた。大人のボンボンさんでさえ、下位蜥蜴人として1匹仕留めるのにボロボロになっていたのに対して子供の俺たちなら僥倖とも言える成果だろう。

そんな事を思っていると、




「お前は一体…何者なんだ?あの一瞬で消えた黒い槍のような閃光は魔法だろう?何故こんな子供が…」


訝しげに悩む声を掛けてきたシディアンさんも勿論無事であり、ラウンドウルフを討伐と同時に《種族進化》を果たしていた。


同じ下位蜥蜴人として上位種を倒す貴女も大概人の事は言えないと思いますがね!

しかし、無事種族進化出来て良かった。


進化したシディアンさんは全身が鮮やかな赤色で鱗の一枚一枚丁寧に染まっている。

身長は140cmほどだったのに対して今は160cmほどに伸びていた。

下位蜥蜴人の時はひょろっとした体格だったのが、今は全身が躍動感のある

筋肉に覆われスタイリッシュな細マッチョ的な身体つきだ。


眼光は何故かボルデッカ長老を思わせる優しくも鋭い目つきに思えた。

下位蜥蜴人だった装備がえらく窮屈そうだ。



なんて答えようか迷っていたが、予め考えていた台詞を答える。さあ、自信を持って言おう!


「いや、これは産まれ付きで説明の仕様がないです」


これでバッチリ…でも無いがそう言い通すほかない。

それにこの説明にドルゾィやルタラも追従してくれる。なんせ産まれた時からずっと一緒にいたからね。隠しようがありません。

俺は勝手にルタラを出来の良い弟、ドルゾィを可愛い妹のように思っている。


何度かの問答の後、納得は言ってないようだけどシディアンさんも諦めたように微笑んだ。

そうそう、人間?諦めが肝心だよね。





その間に森林狼の毛皮を剥ぎ、肉を分解して持ち運べるモノは纏めておく。

ラウンドウルフの毛皮は流石に森林狼の毛皮と比べて大きく、丈夫に感じる。

細槍で良くこの毛皮を切り裂き、下にある強靭な首筋の筋肉まで刃を届かせたもんだ。彼女は名実共に集落最強の戦士の1人に挙げられるだろう。


そして最大の疑問点として、何故ボンボンさんがここにいるのか?

まさか集落に何か異変があったのてはないか?と非常に焦る。

逸る気持ちを抑え、俺たち3人でシディアンさんの種族進化を祝いボンボンさんの回復を待つ事にした。



焦れた心を落ち着けながら待つこと小一時間。

ようやくボンボンさんの意識が戻り、彼の口からまず感謝の言葉が出る。


「…生きてる。

まだ森林狼はいた筈なんだが…お前達が助けてくれたんだな。

お互い無事で良かったよ。本当に助かった。有難うな。

さて、シディアン。見違えたな。どうやら種族進化を遂げたようだ。

おっと…ならもう呼び捨てには出来ないな」


少し安心した。まだ喋れる事がやっとなのに冗談すら言える元気まで回復したようだ。

そして、驚愕の事実が飛び出してきた。


「いち早く集落へと戻ろう。俺はお前達を命令で迎えに来たんだよ。

族長達討伐隊な戻ってきた。しかも人間を引き連れて」


誰もがその内容に絶句する事しばし。

何がどうなってそんな展開になったのか。

族長達討伐隊で一体何が起こったのだろうか?


ボンボンさんの歩調に合わせながら集落へと急いだ。







魔法は隠し通すつもりだったが、今回の件で考えを改めようと思っていたのだ。

やはり、力は早い内につけていたほうが良い。ならば、身内に早めに公表しておく事が一番だ。



この件が終わったらドルゾィとルタラに渡す物もあるし、死なない為にもそろそろ俺自身、本格的に行動し始めよう。

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