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初めての蜥蜴人 閑話

かなり短めです。すみません。


大森林にある湿地帯の一画にて、今はその場から沈んだ古代文明の遺跡があった。

その区画は地下水にさらされ、窪んだ湖化(みずうみか)した今でも朽ちることなく存在している。


古代文明遺跡の跡地には、寿命の無いとされる魔法生物などや魔物が住み着くことも多々あった。


そして重要な区画には【主】が存在している。

それは、一般的に遺跡を守る強大なる力を宿す存在として守護者(センチネル)と呼んでいた。


ここも例外ではない。





これは昔の出来事。




錫杖と呼ばれる珍しい武器を持った若き禿頭の男が、そこを守護する守護者(センチネル)と相対していた。


この場を守る守護者(センチネル)は、古代に合成生物として産み出された魔物だった。

一際大きな獅子の身体に蝙蝠状の羽を4対有し、蠍のような尻尾を持つ凶悪な魔物、名をマンティコア・変異種。

マコンティア自体は古代に産み出され、合成された魔物とされている。

人肉を好み、一度町などを襲えば甚大な被害をもたらすため、現在も討伐対象となるクラスの危険な魔物だ。

そんな元々強力な合成魔物であるが、この守護者となった個体は産み出された際に選び抜かれた素体と、守護者用に特別調整された希有な個体なのである。



マコンティア・変異種と若者の周りには数え切れない程の魔物の屍がある。

対する若者は血だらけであったが、それは自らの血ではなく、全てが敵の返り血を浴びたものだった。

相対している守護者を前に、不適な笑みを隠そうともしていなかった。


マコンティア・変異種は久し振りの獲物(こうぶつ)に対して舌舐めずりをしつつ、強者の威圧を持って悠然と構えている若者を睨み付けていた。





普通の常識で考えるなら守護者(センチネル)と一対一で戦う者など無謀でしか無い。

守護者(センチネル)の名は伊達ではなく、例え100を越える完全武装の兵が挑んだとしても、容易く蹂躙するだけの実力を持っているのだ。


実際に過去にとある国が大軍を持って遺跡に眠る力を手に入れようと進軍したが、そこを守る守護者(センチネル)に皆殺しされたとの逸話があるくらい、圧倒的な実力を宿している。


討伐すればそれこそ英雄や勇者の一人として物語(サーガ)に残る伝説となるのだ。


そんな圧倒的な守護者相手に不適な笑みを見せて挑んだ若者は、2日間の死闘を繰り広げた。


最終的に勝利した男は、倒した守護者(センチネル)の巨体を、何らかの魔法か能力かで、透き通る結晶の中へと変化させた。


「流石に守護者だったな。かなり手こずったが、俺の敵では無かった。

さて、あと何十年もすれば中身(・・)も完全に溶けて莫大な存在値(エネルギー)と変化するだろうさ」


透明な巨大結晶に覆われた守護者を満足そうにを眺めた後、男は去っていった。


それから更なる後に地盤が崩れ、古代遺跡もろとも巨大結晶も空洞化した地下へと沈下する。

そこで長い間放置されたいたが、巨大結晶は変わらずそこにあった。


しかし、落ちた衝撃で何割かのダメージを負った結晶は頭頂にヒビが入った。

それは僅かな小さなヒビであったが、そこから内包しているエネルギーが染みだし出し始めた。


地下水が貯まり湖となった場所に、高密度な存在値(エネルギー)は周囲に生息している生物に影響を与え始めた。


しかし、恩恵に預かれたのは一部であり、余りの高濃度エネルギーの過多に耐えきれず、殆どの生物は死滅の一歩を辿る。



現在生き延びたのは耐性の出来たものだけ。


本当に偶然とは重なるもので、それを極上の栄養と出来る生物が偶然(・・)存在した。

その生物は何度も何度も溢れでる存在値(エネルギー)を蓄え、ひたすら吸収を繰り返しながら、独自に、歪に更なる進化を遂げていったのだ。


巨大結晶と化した守護者(センチネル)の特徴すらも受け継いで…………。




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