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初めての蜥蜴人 黒髪美少女とステータス確認

見たらブックマークが51…ありがたやありがたやでございますm(__)m


暗黒と呼ぶにふさわしい空間にフヨフヨと漂っている…俺。


何これ、前にも何処かであったような気がする既視感。



前回と違う点は、この空間には俺一人だけじゃなくて、今回もう一人いるってことだ。


それに物凄く寒く感じていた。

手足の先が氷つき、体の中が冷えきっているような…感覚が俺を襲っている。



そんな中、黒色の美しい髪をポニーテールのように纏め、紫のドレスを着た美女が側に立っている。しかも頭からは2本の美しい角が生えていた。

目には見えていても気配は全く感じないことに驚くが、彼女は此方を見て微笑んでいた。


因みに俺は半透明の裸なのに対して、どうして目の前の人は服を着ているんだ?

ソレがちょっと残念に思ってしまうほど存在感のある魅力的な雰囲気を持っていた。



『こんにちは』


「あ、はい、こんにちは」


思わず返答する。これほどの美少女だったら忘れる訳がないのに…見覚えがないのは何故だろう。


『こうやって会うのは初めましてよね?私は冥竜姫クシュリナ。

リナって呼んでね。

本体から切り離された魂身。貴方の中に残る残滓見たいなモノ…よ』


余計に訳が解らない。


が、本能は彼女が嘘を言ってないとわかってしまう。


そうこうしている間に透けている俺の身体に手を突っ込まれ、何かニギニギと動かしている。


『ふふっ、魂に凄い負荷をかける無茶をしたね。貴方、起きても暫くは寝たきりよ』


それは俺も覚悟している。


普通(・・)だったらね』



彼女は微笑みながら手をかざすと俺の体から暖かな光が立ち上ぼり、体を縛っていた氷が溶け、温かいお湯で満たされた幸福感がある。

これがリナのチカラなのだろうか。でも、真冬に裸でいるような極寒の寒さから解放されて助かった。



「リナ、どうも有り難う」


『どういたしまして!

でも、これで残っていたチカラを使いきっちゃったから…もう無理しても治して上げられないわよ』



君は誰なんだ?

どうして俺を助けてくれるんだ?


他にも質問したい事は多々あったが、急速に意識が遠退いていく感じを受けた。

どんどんの姿が薄く消えていく。


『短い間だったけれど貴方と共に生まれてから…最期に会えて嬉しかったわ。

私は存在(リソース)の拡張。貴方の更なる能力の覚醒を促すために融合する。

今はバイバイ…強くなりなさい。そして本当の私を…』




全て言い切る前にうっすらと彼女は消えていった。

こうして不思議な体験をした俺は、目を覚ましたのだった。

























ハッ…と目を覚ますと、明るい照明が眼に入り、真っ白い天井が見えた。


辺りを見渡せば、見知らぬ場所。

どうやらベッドで寝かされていたようだ。



ベッドの床頭台には2本の杖が置かれてあった。

どちらも壊れている。

ショートスタッフは根本から折れ砕け、ロッドは魔宝石の部分が粉砕したのか跡形も無い状態だ。



手に取り、そっと魔力を込める。

しかし、両杖には全く反応がなく留めておく魔力がだだ漏れする感じを受けた。


はぁー、やっぱり宝具級(レア)じゃ普通なら兎も角、あの状態じゃ持たなかったか…とため息を吐いた。

俺の勇者時代のカドゥケスの杖ならば遺跡級(ユニーク)であり、あの状態の魔力にも耐え更に魔導伝導率を上げて応えてくれていたのだけれども。


無い物ねだりをしていても仕方がない。

2本の杖に感謝を込めてから、モソモソとベッドから出る。





熟練した一流の魔法使いでも、先程の戦闘に使われた術式にアレだけの膨大な魔力を使えば、即命にかかわる。


それに命を削るほどの魔力を使ったときに現れる状態が魔力欠乏と呼ばれる症状だ。

生命危機に伴う随伴症状として酷い呼吸困難、倦怠感、動けなくなる脱力感が主な症状。


この感覚は魔法使いにとって、自分の魔力量以上に必要な魔力を使いすぎないための安全ブレーキのような役割もあって、リミッターがかけられている。


現在その魔力欠乏によくある特徴の息苦しさや倦怠感、脱力感は全くなく、身体にどこも不調は見当たらない。

寧ろ、調子が良いくらいである。




勇者時代、初めて魔装術式の【魔人化(ミディアン)】を迂闊に起動させたときは余りの魔力量に魔力酔いし、更に消費で魔力欠乏して半月は寝入っていた事もあったくらいだ。


そこから高位術式【叡智の魔導理論】を使用しながら調整を兼ねて【魔人化(ミディアン)】術式をアレンジ、改良して【簡易魔人化(シム・ミディアン)】を作り上げたのは良い思い出だ。


最低で1週間ないし、2週間は寝たきりだろうと覚悟していただけに…何ともないのリナのお陰だな。



リナの言い掛けたのは「本当の私を…」は、恐らくは探しに来て欲しいのだと推測する。

助けてもらった恩もある。約束するさ。

それに直感だけど、彼女はきっと俺の何かに()わっている気がする。






そういえば、更なる能力の覚醒を促すために…って言ってよな?

少なくとも体感的に何も変わってないように思えるんだけど…。



後でステータスカードを確認してみよう。























一通り体が動くことを確認し、異常が無いことを確かめ終えると、そのまま見知らぬ部屋を出ようと扉の前へと立つ。

プシューとした駆動音と共に扉が開いた。


扉の外は通路…ではなく、大きな部屋だった。


そこには包帯でぐるぐる巻きのボルデッカに、アイシャが一台のベッドの側で腰かけていた。






ベッドに横たわっている若い男性がいた。かなりの美形…てか、美少年だ。

状況から見て恐らくはあの人がアイシャのお父さんであるラムセイダだろう。


まさか…助けが間に合わなかったのだろうか?

暗いアイシャの表情がそうである事を物語っているように見えた。


近付いてきた俺に気付いた二人が一斉に振り向く。



「アイシャ…その、何て言ったら良いか…」


「!?」


アイシャの表情は暗かったが、俺の顔を見て少し微笑んでくれた。

その様子に少し安心したが、最悪の状況を考えると痛々しくてマトモにアイシャの顔が見れなかった。


そのため、視線は自然とラムセイダに向く。

アレ、よく見れば若い男性の腕には大きな歯形があった。

2つ牙のようなモノで貫かれている事が解る。



………。



「起きたか…身体に異常はないかの?」


「うん、爺ちゃんこそ、身体中の火傷見たいの大丈夫?」


「うむ、傷薬を塗っておるからちと染みるが平気じゃ」


ボルデッカの身体には薬草のような濃ゆい臭いを放つ湿布のような包帯が所々に巻かれている。


話ながらも、目線はラムセイダ。

じーっと噛み付かれた腕を見てると、ボルデッカが一言。


「ああ、その傷はアイシャがつけたんじゃ」



まぁ…予想はしてたけどいくら好きでもお父さんの死体に噛みついただなんて…。

アイシャ…愛情表現の恐ろしい()



「えっ、何その目は?何か誤解してないかな?

お父さんが私にそう頼んだんだよ~」


焦りながら涙目で伝えるアイシャ。


HAHAHAHAHA.。勘違い。


実は解ってましたとも…ええ勿論。









「儂もお主を介抱してから合流したので状況は良くは解らぬ。

疲労と魔力欠乏を起こしたラムセイダ殿の意識は朦朧としておったようじゃ」


酷く衰弱していたけれども生きていたことに安堵したアイシャは、必死にポーションを振りかけてラムセイダを呼び掛けていた。



「先に駆け寄ったアイシャが気を失う前のラムセイダ殿に頼まれたそうなんじゃが。

どうやら半吸血鬼(ダムピール)の血魔法を使って逆に造血作用と回復を促進させる血を直接送りこんで欲しい…とな、頼まれたようなんじゃよ」



へぇー、初耳。便利なんだね血魔法って言うのも!!


吸血鬼のような種族しか持てない固有魔法だから覚えられないけど、新しい魔法を見れなかったのは残念だった。


「それより、お主の事じゃ。

アレは流石に想定外過ぎる事態じゃ。

しかも何故かピンピンしておるし。

儂の経験上あれだけの魔力を使えばコレほど元気な筈もないんじゃがの。

一旦お主を置いて里へ帰り、バリフェル殿にご足労を願おうと思っておったとこ。

悪さをする気配もないし、見守っておったのじゃが、そろそろ説明してはくれぬかのぅ?」




ボルデッカの声に、もう隠し通すのは無理だと感じていた俺は、自分が人間で元勇者であったこと、殺された所で何故か蜥蜴人(リザードマン)へと転生を果たしていたことをかいつまんで伝えたのだった。


勿論、知り合いであったバリフェルのことも伝える。




「爺ちゃん、隠していてご免なさい」


その壮大なストーリーに話を聞いていたボルデッカとアイシャは、ため息を吐く。


「いや、黙っておったことは良い。

儂とて先程の戦闘を見たからこそじゃし…魔法も使えるだけでも驚いたが、例外もあると思うておった。

里で荒唐無稽なこんな話を最初に話されても、流石に信じられぬからの」


頭に手を当てながら、ボソッと呟く。


「しかし、お主は正に白の英雄様のようじゃ…て」


「ん?先々代の族長だったっけ?その人も魔法が使えたの?」


「うむ、比類なき使い手じゃたっと聞く。

ただ、儂も生きてない頃じゃったから伝え聞く話だけだからのぅ。

そうさの…興味があるなら今度旧里跡へでも行ってみるか?」


「旧里?」


「先代の族長が今の場所に良き水辺を見つけてから、そこへと移住したのじゃ。

元々の場所はそのまま放置して廃墟となっておろうな。

あそこには我らの里のリザードマンの事が記されとる石板がある。

じゃが非常に重い石板じゃったから旧里へと残したままじゃが、そこに何かしらの白の英雄様が残した痕跡が有るやも知れん」


「爺ちゃん、俺行ってみたいよ!」


「よしよし、では帰ってから連れてってやるワイ」



そんな話で盛り上がっていると、アイシャが微笑んでいた。


「アイシャ、黙っててごめんね」


「ボク、難しい話は解らないけど…君は君なんでしょ?なら、私を助けてくれた時と何も変わってないよ」


優しさが鱗に染みる。


その話し声が覚醒を促したのか、丁度身じろきをしてラムセイダが目を覚ました。


「お父様!」


「アイシャ…ですか?ここは…どうやら私は助かった見たいですね」


少しボンヤリとしているようだが、意識の混濁はなさそうだ。


「ぐっ…頭が割れる。さて、そこにいる彼等は何者ですか?」


「申し遅れて申し訳ない。儂の名はボルデッカ。

若き日にラムセイダ殿に助けられた者ですじゃ。今回は約束を果たしにきたまでのこと」


そうボルデッカが説明しながら、アイシャとの邂逅を話始める。

途中、アイシャのピンチの場になると流石に顔をしかめている。


「どうやら娘が大変お世話になったようです…それにそんな何十年も前の約定を果たそうとしてくれる貴方の恩義の厚さに助けられたのですね…」


有り難う御座いました…と上半身だけベッドから起こして深々と頭を下げていた。

バツが悪そうにアイシャも頭を下げる。

そして、気になっていた事を尋ねた。


「お父様、どうしてあのような事になっていたのですか?ボク、帰ってこないお父様をずっと心配してた。また一人になるんだって…」



「かなり心配をかけさせましたねアイシャ…」


抱き合う二人は傍目から見ると兄妹にしか見えない。




娘の涙にラムセイダは眼を瞑り、こうなった状況を語り出す。




何代かの前の彼の祖先が特別なハーフリングだったらしく、ラムセイダは特に先祖返りで色濃く血を受け継いでいるものこと。

そのためにハーフリング種族でも魔力が強く、寿命も普通のハーフリングとは比べならないくらい高いそうだ。


ラムダと呼ばれた彼の祖先は手記を残していたらしく、この地で大規模な魔導実験が行える研究所が建てられていたと記録にあった。

そこにはプライベートルーム以外を解錠出来る専用(マスター)カードキーと呼ばれる特殊な鍵を当時の責任者から渡されており、それが手記に挟まれてあった。


ラムセイダはその手記を頼りにこの大森林に足を踏み入れ、遂にこの場所を突き止める。

寂れた洞窟を抜け、タイラント・ゴーレムを無力化して研究所を調べ始めた。



「当時の私は驕っていました…世紀の大発見をして世に名を残そうとしていたのです」


その時に偶然調査していた地底湖で若きし日のボルデッカにも会っていた。


転機が訪れたのは、森の調査の際に外へと出た時、赤ん坊のアイシャに出会えた事だ。

可愛く、無邪気な瞳に見つめられたラムセイダは自分の願いである世に名を残す事ではなく、この赤ちゃんをキチンと一人前に育て上げる事へといつしか変わっていったという。


アイシャを育てる傍ら、祖先が調べ上げた手記に残されたタイラント・ゴーレムの解析と再現、特別な個体として暴走させて地の底へと建物ごと沈まさせたタイラント・ゴーレムの発掘を同時平行していく。

生体錬金術師(バイオ・アルケミスト)と呼ばれる非常に高度な専門職に就いていたラムセイダは、研究所に残されたホムンクルスと発掘用、探査用ゴーレムを起動させて操る事も出来た。



そこで大分腐食が進んでいたが未だに半起動状態だった例のタイラント・ゴーレムを発見。


そうして何年も時をかけて準備を行い、この1週間目にようやく発掘作業も終わった。

解析と再現に乗り出した所に、起動直後あの暴走した状態が起こって戦闘状態に突入したそうなのだ。






「さて、ボルデッカ殿と私との約定は、魔力が使える者に私の知識を伝える為でしたが…ご覧の通り、あのあとに娘が出来ましてね。

彼女を後継者へと育成したいと思っておりますゆえ、今回ご足労頂いたのに申し訳ありませんが…」



「そういう事なら解りましたワイ。お気になさらずにして貰って結構」



「寧ろ、親子共々助けて頂いた恩があります。此方が何かお手伝い出来る事はありますか?」


「うん、私もお父様とまた暮らせるようになったし…本当に有り難う。こう仰るし何でもいいのよ」


無言で俺を見つめるボルデッカ。


うーん、なら遠慮なく甘えちゃおうかな~??





そこで【使魔創造(ファミリアクリエイト)】を手に入れた事を明かし、必要な材料とアドバイスを求める事にした。

魔力水はここにあるって言われたし、他に必要なモノは自前の俺の一部分…?



魔導書を読みながら唸っていると、興味がアルのかラムセイダが一度読ませて欲しいと言われたので貸してみる。




書かれている古代魔導文字もスラスラと呼んでいて頼りになるし、生体錬金術師と言う職業に就いている為、ファミリアに付いては俺より遥かに詳しそうだ。



待つこと暫し。


ようやく本を魔導書を読み終えたラムセイダは、丁寧な手付きで本を閉じて丁重に返してくれた。



「この使魔創造(ファミリアクリエイト)の概要が掴めました。しかし、この本の著者は希に見る大天才です。が、余程意地が悪いようですね。

何故なら白い君が言っていた一般的な方法以外にも方法があるみたいなのでそれも説明しましょう」





俺のやり方でも出来るそうだが、それは初心者の入門用でその通りに作ると中途半端な出来映えとなるらしい。

専門知識を持った者が隅々まで読み込まないと、正しい手順と材料、素材を用いて強力な使魔(ファミリア)にはなり得ない…解らない仕組みになっていたようだ。



「それに最後のここ、よく読めば暗号化してありまして…そのまま読んでも何の事か解りませんが、ほらこうすれば…」


あら不思議。

ラムセイダの教えられた通りにすると新たな言葉が浮かんでくるではありませんか!






はい、注目!ここまで読み解けた奴に朗報だ。


俺様のオリジナルの魔導書であるこの使魔創造(ファミリアクリエイト)の真のやり方を行えば、メインファミリア完成祝いもゲットするチャンスをくれてやるぜ!

まあ1つも手順を間違えなければ…の話だけどな。

魔導書の術式に干渉して吸収された素材によってはスゲーモノが出来るのは保証してやる。


もう魔導しか愛せない☆ マリウス・クレインマン







うわ、解んなかった…あっぶねぇー。ラムセイダさんマジ有り難う。

でもマリウス・クレインマンって誰やねん。



そんな思いが伝わったのか、ラムセイダは苦笑しつつ古代の有名な魔導王の一人だと教えてくれた。



「他の材料も研究所にあるもので充分事足りるから心配は要りません。

ちょっと調合しなきゃいけないモノもあるけど、少し時間を貰えれば全て揃うから、あとは使魔(ファミリア)のメインの素材だけ用意しておいて下さい」



「この挑戦に応えるためにも、どうせなら最上級の素材を用意したいよね。

えーと聖者の古代ミイラの粉末に光陽樹の芽、ロック鳥の卵の殻とミスリルスライムの流動液体金属を混ぜた合成液に…」


「お父様…楽しそう」


棚を見ながら、ぶつぶつと独り言をしながらマッドな雰囲気醸し出してる~何か凄そうな素材の名前もあって聞き慣れないけど。


でも、嬉しそうだからいっか!!


「あ、はーい。宜しくお願いします」



フフフ…直ぐに…直ぐに用意しますからね。



楽しそうってか、あの様子はやっぱりマッド…いや、楽しそうなんだアレは。そうなんだ、きっとそうなんだ…。
















よく分からない機材に、選び抜かれた素材を均等に分けて必要量を順番に調合していく。


ラムセイダは手馴れた様子で料理のような手際の良さと段取りで、失敗等全くない。


特定素材と合成液を魔力水の蒸留に使うために準備しているそうなのだが、



「うーん…」


その声はとても残念そうだ。



「どうされました?お父様」


「今よりも更に魔力水を上質なモノにするために加えたい魔石の質が…物足りないんだよね」


材料はあるんだけど…と、棚から取り出してきたのは、くすんだ色の拳より小さな魔石だった。


「今残っているのはこのゴブリンキングの魔石が一番上質なんだけど…せめてこれより格上の魔物から入手した魔石がないと、折角の他の最上級の素材が引き立たなくなってしまうんだ」


亜竜級の魔石は欲しいと呟いている…しかし、そのクラスの魔石となるとお値段も高く、金とコネクションのある王侯貴族なら兎も角、一般的にそうそう流通等していない。




えぇ、ええ、その魔石、有りますとも!!

しかも、亜竜種でも王級の緑亜王竜(ワイバーンキング)の魔石が。


早速〈時空間収納扉(ゲート)〉から取り出してラムセイダに手渡すと、狂喜の表情で受け取る。


「これは…まさか、この大きさと魔力の内蔵量の高さは亜竜種の魔石に間違いない。それも、只の亜竜にはない気配を感じる。

どうやってコレほどの魔石を…??いや、聞かないでおきます。

どうも有り難う、これで最高の純度の超魔力水になるよ」


もう少し時間がかかるから待ってて…と、告げられるので、ラムセイダに全てお任せしている間に、俺は自分のステータスカードで確認する。








因みにステータスカードを見たラムセイダの表情は、新しいオモチャを見付けた子供のような笑顔だった。

見かけは美少年ゆえ、ソレがよく似合うのが悔し…いえ、羨ましいです。










name 【ーーー】


下位蜥蜴人・アルビノ種 Lv43


special skill

〈時空属性魔法:5階悌〉 〈潜在能力開花増強〉


rare skill

〈白鱗〉〈紅眼〉 〈冥力〉New


normal skill

〈魔力強化〉〈半水棲〉〈生命力弱〉〈環境適応補正〉







変わった点と言えば、俺のレベルがかなり上がって一気に40台になっていた。

確かに火ダルマに止めを刺したときに結構な量の存在値が流れ込んできたのを感じた。


他には身体能力と魔力は基礎ステータスであるレベルが上がった事による恩恵を感じられた。

そして、新しくNew skillとしてrare欄に〈冥力〉が追加されていた。


恐らくはコレが、俺の魂に残っていた残滓クシュリナが遺してくれた力が発現したのだと考えられる。


skillに念じて見ると簡単な細く説明が見える…どれどれ??


〈冥力〉rare skill

死ぬ寸前などの状態に追い込まれても、生を渇望している場合ギリギリ踏みとどまらせる。


それだけでもチートだが、更に恐ろしい事に死のストレスにより死にかけて生き残る度にこのskillは成長し続けて進化する…と、続けられていたのだ。


こりゃあ…〈生命力脆弱〉の(わたくし)目には非常に嬉しいskillです。

成長するskillなんて心踊るわー!


但し冥力なんて初めて聞いたskillだから、詳しく調べて見るしかないよね。



因みに他の方のステータスはこんなんでした。



name 【ボルデッカ】


上位蜥蜴人・剛鱗種 Lv64


rare skill

〈剣の匠〉 〈戦闘才覚〉


normal skill

〈半水棲〉 〈リザードマン流剣術【極】〉〈戦闘指揮【小】〉 〈身体能力強化【中級】〉〈止水の心〉


称号

魔呪剣の主〈ヘイト・マスター〉

百人斬り






うわー、流石に里が誇る最強の戦士。上位まで上がり積めたリザードマン。

skillの充実ぶり!!

しかも、剛鱗種って何?って感じ。

初めて見たよ。レア種には間違いないんだろうけど。


しかも称号なんてものまであるんだ…ステータスカードでは初めて見たよ。百人斬りって…凄まじいの一言だわ。






name【アイシャ・クラウド】


半吸血人(ダムピール) Lv11


rare skill

〈怪力〉〈血属性魔法:2階悌〉


normal skill

〈魔力制御〉〈吸血の血統〉




吸血鬼の血を引くアイシャってば…やっぱり優秀なんだと思う。

どうやら〈吸血の血統〉で血属性魔法を扱える権利が発生するみたいだ。


rare skill自体は珍しい。

どちらかと言うと魔法型も戦士型もこなせるタイプなのかも知れない。

今は血属性魔法しか適性は無いみたいだけど、〈魔力制御〉もあるみたいだしLvを上げて経験を積んでいけば新しい属性魔法も覚えるかも知れないなぁ。








name【ラムセイダ・クラウド】


ハーフリング・アタヴァズム Lv70


rare skill


〈上級調合〉〈上位魔道具作成〉〈魔導学識〉


normal skill

〈水属性魔法:3階悌〉〈魔力強化〉〈魔力制御〉〈HP自然回復速度【中】〉



称号

解明者(ワイズマン)

生体錬金術師

〈???〉





称号の生体錬金術師はその分野で多大な功績を残した者だけに与えられる名誉称号みたい。

解明者に至っては補足説明すら不明としか出てこなかった…ナンデダ!?


あとは上位術式を1つ修めていて、その効果は常時(パッシブ)らしく毎日ある程度の魔力と引き換えに老化を大幅に遅らせているそうな。

上位術式?…あのオルグフェン王国ですらそんな術式は無かった筈。


ステータスカードで称号の〈???〉も初めてだしさ、ラムセイダさんの底が知れなさすぎるでしょ…。



ステータスカードに興味のあるラムセイダさんに一度解析させて欲しいと頼まれました。

やって見ないと解らないけどもしかしたら、バージョンアップが可能かも知れないとのこと。


…是非とも宜しくお願い致します!!



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