番外編 中央ギルドのステラさん 4
ちょっとした戦闘などもこなしつつ、しばらくして到着した28階。眼前にはいかにも洞窟らしい薄暗い岩場が広がっていました。岩でふさがっているのは29階へとつながる東側の通路だそうです。西側の通路は使えるのですが、東側通路の向こう側の素材を採集する時には西側から遠回りしなければならないので不便な事この上ないのです。そんなわけで、人気のない東側の道を、ステラさんはひとりてくてくと歩いていきました。
ほどなくして、塞がっている通路が見えてきました。大小さまざまなサイズの岩が通路にゴロゴロとつまっています。大きな岩は、斧で砕けば取り除けるでしょう。小さな岩を脇によけると、ステラさんはさっそく斧を持ち上げ大きな岩へと振り下ろし始めました。
ガコーン、とダンジョン内に大きな音が響き渡ります。狭い通路内に音が反響する中、ひとり黙々と岩を砕き続けるステラさん。とても女性の力で砕けるような岩には見えないですが、そこは大ガメの甲羅も軽々と粉砕してしまうステラさん、そんな事はお構い無しにどんどん岩を砕いていきます。砕いた岩をよけ、再び斧をふるい、そんな事をしばらく繰り返すうちに通路を塞いでいた岩もずい分と減ってきました。
「ふっ……!」
ひとつ大きく息を吸い、目の前の一際大きな岩に斧を振り下ろすと、ゴゴーンと落雷のような轟音とともに岩が砕け散りました。そしてその向こうには、塞がれていた向こう側の通路と……緊張した面持ちで武器を構える冒険者たちの姿がありました。
「ひっ……!?」
「斧兵……!?」
「マズい……!」
「に、逃げろっ!」
恐らくは岩を砕く爆音があちらにも聞こえていたのでしょう。向こう側で素材を採集していた者や、音を聞きつけた者たちが何事かと集まり迎え撃とうとしていたようでした。ですが現れたのがステラさんだとわかると、彼女の噂を知る冒険者たちは散り散りになって逃げ出していきました。どうやらステラさんの噂は他ギルドの冒険者にも広まっているようです。慣れているとは言え、やはりつらいのでしょう。肩を落として悲しそうな顔で作業に戻ろうとするステラさん。
「あ、あのっ……!」
背中からかけられた声に驚き後ろを振り返ると、そこには使い込まれた槍を抱え込むようにして持つポニーテールの女の子が立っていました。ステラさんの噂を知っているのかいないのか、かすかに震えているように見えます。
「な、何かご用でしょうか……?」
「ど、どうして岩を壊してたんですか……?」
「あ、あの、ギルドのお仕事でしたので……」
「お仕事……もしかして、ここの道を開けていたんですか……?」
「は、はい……」
声をかすれさせながらも必死に質問してくる女の子に、こちらも緊張しながら返事をするステラさん。しばし気まずい沈黙が流れた後、女の子が口を開きました。
リメイク&第2部制作中。ですが……4月末に間に合うか……。
お気長にお待ちいただければと思います。




