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番外編  中央ギルドのステラさん 2





 中央ギルドの受付は、窓口が6つもあり、しかもどこの窓口も人が並んでいました。この時間は、冒険者が一番集まる時間帯なのです。ステラさんも右から二つめの窓口に並びましたが、彼女が来た事に気づくや、並んでいた人たちは慌てて散り散りになっていくのでした。受付で話していたパーティーのメンバーも、ステラさんが後ろにいる事に気づくと居心地が悪そうにそわそわし始めました。パーティーに気を遣って少し離れていたステラさんでしたが、彼らは用件が終わるや、申し訳なさそうに頭を下げる彼女には目もくれずそそくさと立ち去ってしまいました。


 それも慣れっこなのでしょう。彼らの後姿にもう一度頭を下げると、彼女は受付のおじさんに話しかけました。


「あの……こんにちは」


「ああ」


 おじさんは無愛想に返事をしました。このおじさんは、いつもこうなのです。でも、それは別に相手がステラさんだからというわけではありません。誰に対してもこの調子なのです。しかしそんな事には気づいていないのでしょう。ステラさんはいつも遠慮気味にこのおじさんと話すのでした。


「今日のクエストなんですけど……」


「28階の岩の撤去だったな」


「はい……」


「26階のゲートを使うといい」


「わかりました……」


「後で役人が確認に行く。きちんとやっておけ」


「はい、すみません……」


 こうして見ていると、その様子はまるで先生に怒られる生徒のようです。別に仕事をサボった事があるわけでもないのに、つい謝ってしまいます。内容を確認してゲートへ向かおうとする彼女に一言、


「一人じゃ見張りも立てられんから、気をつけろ」


「あ……ありがとうございます」


 無愛想な人ですが、どうやらこのおじさんはおじさんなりにステラさんの身を案じているようです。それに気づいているのかいないのか、軽く振り返って一礼すると、ステラさんはゲートへと向かっていきました。








 廊下を抜け、ゲートのある部屋に入るステラさん。その部屋には46階までの9つのゲートがあり、これから出発しようとするパーティーが何組か来ていました。しかしステラさんがやってきた事に気づくと、彼らは一目散にゲートへと飛び込んでしまいました。ひとりゲートルームにぽつんと取り残されるステラさん。しょんぼりしながら、両手で斧を胸に抱えてとぼとぼと中央の26階行きゲートへ歩いていきました。魔法陣の上に立つと、青白い光を発して彼女の姿はその場から消えてしまいました。




 ギルドからゲートを抜けて26階の詰所へと飛んだステラさん。3つの魔法陣が並ぶ部屋からドアを開けて詰所の広間に出ると、そこに詰めていた人たちが何人かこちらを振り向きました。しかしそれがステラさんだとわかると、ある者は何事もなかったかのように、またある者は慌てた様子で視線をそらしてしまいます。そんな彼らに、「し、失礼します……」と申し訳なさそうに頭を下げながら、ステラさんは詰所を後にするのでした。






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