6-7 ステラさん、昔はいろいろあったらしい
ガラの悪い金髪刈り込み野郎にからまれてしまったステラ。野郎が去るや、リアが怒りの声を上げる。
「もー、なんなのさアイツ! マジでムカつくー!」
「す、すみません……」
「なんでステラが謝るのさ! アイツ、知り合いなの?」
リアの剣幕に、ステラが申し訳なさそうに説明する。
「あの人、ガストンさんは中央ギルドのプレイヤーで、度々ああやってお誘いを受けてたんです」
「お誘いって、まさか、よ、夜の誘いってヤツ!?」
「え、ええ、それもありましたけど……」
「なあにぃぃぃっ!?」
オレとリアは思わず絶叫してしまった。周りの人が何事かとこちらを振り向く。
「あ、いえ、もちろん断ってますよ?」
「そ、そうだよね」
「野郎、ぶっ殺す……」
しかし、やっぱステラに声かけるヤツもいたんだな。それがあの最低クソ野郎だとは……。ステラもホイホイくっついていかなくてよかったぜ。
「あのさ、ああいうヤツに、その、襲われたりって事はなかったの?」
「はい、ガストンさんには一度襲われた事があるんですけど……」
「ええええっ!?」
「殺す! 絶対殺す!」
てかありえねーだろ! そういう事ホントに実行に移すバカがいんのかよ! 許されねーよ!
「さすがにこれはと思って応戦したら、倒れたまま動かなくなって……」
「ああ……」
「なるほど……」
返り討ちでフルボッコか……。だからステラ、アンタどんだけ強いんだよ。
「あれ以来、私への風当たりが強くなったんです」
「ま、自業自得だね」
「ざっまあああぁぁぁあ!」
へっ、凄んでおいてそのザマなのかよ! おとといきやがれ!
「弱えぇクセに強ぶってんじゃねーぞ、この口先野郎!」
「ま、ルイも似たようなモンだけどね」
「おい! なんでそこでオレが出てくるんだよ!」
ふふっ、とステラが微笑む。よかった、少しは気が紛れたか? さて、オレらがヒートアップしてる間に人も集まってきたな。やっぱウチのギルドのヤツが多い気がするわ。お、あれは今朝の弓兵のお姉ちゃんの所のパーティーか。
「えー、諸君、静粛にー」
しばらくして、クエストのまとめ役らしき人物が前に出る。周りを見れば、係の人かなんかがパーティーの出欠を取っていた。なんか学校や学生とかのイベントみたいなノリだな……。
「それでは、内務省・教会共催、ゾンビ討伐クエストの開会式を始めたいと思います」
てか開会式あんのかよ! 完全に学校行事じゃねーか!
……ステラさんを押し倒すのは、ちょっと難しそうですね。
まあ何と言いますか、返り討ちと聞いて溜飲が下がる思いです。
ていうか、何だよ開会式って(笑)。




