6-6 なんだよアイツ!?
ゲートを抜け、ギルドから31階の詰所へ。広間に出ると、見知った面々がテーブルを囲んで談笑していた。
「お、お前ら、今日もクエストか」
「今日はゾンビ討伐があるみたいだぜ」
声をかけてくるおっさん連中に、リアが答える。
「知ってるよ。ていうか、私たちも参加するし」
それを聞いて、詰所の連中がにわかにざわつき始めた。
「え……おい、お前大丈夫なのか?」
「この前あんなに泣いて……」
「泣いてない!」
大声を上げるリアに、部屋が静まり返る。
「ま、まあ、それならいいんだけどな」
「ちぃーと心配だったからよ」
逆鱗に触れたと思ったのか、顔を強ばらせながらも空気を読む男たち。
「ステラちゃん、リアの事よろしくな」
「は、はい」
まあ、この前がこの前だったからな……。コイツらも心配してんだろ。
「それじゃ、行ってくるからね」
「おう、気をつけてな」
「兄ちゃんもがんばれよ」
なんかいかにもとってつけた風だった気もするが、その言葉ありがたく受け取っておくよ。さて、今日もがんばらないとな。
詰所を出ると、もうすでに結構な人数が集まっていた。コイツらがゾンビ退治のご一行か……。全員武装してるから、メチャクチャ物騒ったらないわ。オレらもとりあえず後ろの方へ並ぶ。
「ギュスターヴさん、いないね」
「後からいらっしゃるのではないでしょうか」
「あ、テンプルギルドの僧兵さん結構来てるね」
「ゾンビさんに噛まれたら大変ですからね」
この二人、仲いいよなあ。その様子をぼーっと見ていると、突如男の声が割り込んできた。
「よお、ステラじゃねえか」
ん? なんだコイツ? 見たところ剣士みたいだが、なんだかゴロツキ臭ハンパねえ野郎だな……。ステラの知り合いか?
「ガストンさん……」
「お前、パーティー組めたのかよ。お、そっちの姉ちゃんもカワいいじゃねえの」
なんだコイツ……なんか無性にイラッとくるぞ。
「ちょっと、アンタなんなのさ」
「おおっと、そんな怖い顔すんなって。何なら二人まとめて相手してやってもいいぜ……もちろん夜の相手もな! ウヒャヒャヒャ!」
ダメだコイツ、クッソうぜえ!
「おい! テメェ何なんだよ!」
「あぁ? なんだクソガキ? 殺すぞ?」
ヤローがオレに思いっきりガンを飛ばす。こ、怖ええ……。デカいし金髪刈り込んでるしやたらデコ広いし! タンカを切ったはいいもののビビって固まってしまったその時、いつもより低いステラの声が聞こえた。
「ルイさんに手を出したら、許しませんよ?」
その声と迫力に、男が少したじろぐ。ケッ、とオレを一瞥すると、ステラの耳元に臭そうな口を開いてささやいた。
「そんなヒョロ男とつるんでねえでオレと組めよ。夜もたっぷりかわいがってやるからよ」
下品極まりないセリフを吐いて、クソ野郎は向こうへ行ってしまった。くっそ、アイツ何だったんだよ……。
ここにきて、ステラさんと何やら因縁のありそうなキャラが登場。一体何者なんでしょうか。
とりあえず、コイツがステラさんの元カレとかいう展開はオレが断じて認めん。




