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6-3  絶対、約束だよ!




 仕事上がりの飲み会も終わり、ステラと別れたオレたちは二人大通りを歩く。今日はリアの足取りも確かなんで、オレも苦労しないで済むわ。


「ああ、そう言えば」


 ふと思い出したオレは、ズボンのポケットに手を入れる。


「何? どうしたの?」


 訝しげなリアの眼前に、ポケットから取り出した物を突き出した。この前、モンベールでステラにマントをあげた時に思いついて作ったものだ。


「これ、お前にやるよ」


「えー、何これー?」


 珍しそうにリアが目を見開く。暗いのもあってよく見えてないようだ。


「これ、お守りって言うんだよ。幽霊とかから身を守ってくれるんだとさ。お前、オバケ怖いだろ?」


「べっ、別に怖くないもん」


「まあそんなお前のために作ってみたってわけだ。こういうの持ってれば、少しは心強いだろ?」


「え、これ、わざわざ私のために作ってくれたの……?」


「ああ。お前にはなんだかんだで世話になってるしな。……いらないか?」


「いや! いる!」


 そう言うやオレからひったくるようにお守りを取り上げる。おい! もっとやり方ってモンがあんだろ! だが両手で大事そうにお守りを握りしめるリアの姿に、怒気もどこかへ行ってしまう。


「そっか……私のために作ってくれたんだ……」


 両手の中にあるものを、まるで宝物か何かのように見つめるリア。


「ありがとう……嬉しい」


「お、おう……喜んでもらえてよかったぜ」


 あまりに乙女らしいリアの様子に、オレもなんか変な気分になってくる。いやいや、勘違いしちゃイカんぞオレ!


「そうだ」


「おう、なんだ?」


「私も今度の誕生日にルイにもらってほしい物があるんだ」


「いや、別にお返しとかはいいんだぜ? それすぐに作れるモンだし」


「ううん、元々あげるつもりの物だったから」


「そ、そうか……」


 そういやオレ、女の子に誕生日プレゼントとかもらった事ないわ。ちょっと、いや、すげえ嬉しいかも。


「だから、楽しみにしててね?」


「ああ、もちろん」


「絶対に、約束だよ?」


 なんだろ、今日は妙にリアがかわいく見えるな……。酒飲んだせいか?


 そこから話が途絶え、しばらく無言で歩く。だんだんと交差点が近づいてきた。


「そうそう」


「どうした?」


「さっき私に世話になってるって言ってたけど」


「ああ」


「私だってルイにはお世話になってるんだよ。お世話になってるのはお互い様なんだから、あんまり気にしないでね」


「お、おう……サンキュ」


 今日はずい分デレてるな……酒の力、恐るべしだぜ。てか、コイツやっぱ気配りできるヤツなんだよな……。クエストのパートナーがリアでホントよかったわ。


 それにしても、実際の所オレはリアに何をしてやれてるんだろうか? 世話になってる印象しかないんだけどなあ。ま、そういう事はこれからゆっくり考えていこうか……なんかオレ、もうすっかりこの世界に馴染んでるな。現実世界に戻りたいのはもちろんなんだが、今ではリアたちに何かしてやりたいって気持ちも少しある。オレってこんなヤツだったっけ……?


「それじゃ、次はクエストでだね」


「ああ」


「カゼ引いたりしないでね?」


「わかってるよ。それに、どうせクエストの前に一回はウチに遊びに来るんだろ?」


「へへ、そうだね。それじゃ」


「ああ、またな」


 オレたちは交差点で別れ、それぞれの家へと帰っていった。次はゾンビ退治か……リアも、あれで少しは安心してくれるかな?




プレゼントをもらってゴキゲンなリアちゃん。

誕生日には何をプレゼントするつもりなんでしょうね。

次回、ついに討伐クエストの日を迎えます。

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