6-1 仕事上がりの酒場にて
ゾンビ退治のクエストに申し込んでから二日後。オレたちは、28階での毛皮狩りクエストを終えてギルドを出た所だった。
「よーし、それじゃ仕事上がりの一杯だー!」
リアが右の拳を天に突き上げながら声を上げる。コイツ、おとといはベロンベロンになってたじゃねえか。ま、そういうヤツほど酒が好きだったりするけどな。
「これからはステラもマントがあるから、いくらでも付き合えるでしょ?」
リアがマント姿のステラを振り返る。このステラのカッコなんだけどさあ……。オレは中身がビキニアーマーだって知ってるわけじゃん? で、そのすぐ上からマントだけを羽織ってるわけよ。これってさ、いかがわしいビデオとかに出てくる痴女スタイルっぽくね? マントをバッと開くとその下にはビキニアーマー……ぐぅっ、たまらん。はっきり言おう、かえってエロい。
「はい、ありがとうございます」
いえいえこちらこそ! お陰でいろいろと妄想にも花が咲いてるから! 我ながらいい物をプレゼントしたぜ! この件に限っては、案を出したリアに感謝しないとな。
今日のクエストについてあれこれ話しながら、オレたちはギルドからほど近い飲み屋へと入った。うちのギルドメンバー行きつけの店らしく、見知った顔もちらほらと目に入る。
「よおリア、こっちで一杯どうだ?」
「ははっ、またの機会にするよ」
「ステラちゃん、これ食べなよ」
「あ、ありがとうございます」
コイツら相変わらず人気だなおい! てか一人くらいオレに声かけてくれたっていいだろうによ!
奥の方の席を取り、店員のお姉ちゃんを呼ぶ。とりあえず一杯頼み、今日のおすすめを聞くオレたち。
「今日だと鳥の串焼きがおいしいですよ」
「おお! 肉、肉! これは食べなきゃダメだよ!」
興奮気味に注文し始めるリア。まあ、コイツも若いからな……。
「ルイもガンガン食べないと、強くなれないよ!」
「ああ、言われなくても食うさ」
もっとも、オレがリアやステラ並に強くなれるとは到底思えないけどな。てか今日でレベル28になったけど、フツーにレベル15くらいの剣士とかにだって敵わないんじゃないか?
「ステラもどんどん頼みなよー」
「はい、いただきます」
このステラがまた、よく食うんだよな……。まあ、斧兵らしいっちゃらしいけど。酒の方も底なしだし、やっぱ年上のお姉さんは違うわ……。
「いやーしっかし、昨日は二日酔いでさー。今日までお酒残ってたらどうしようかとヒヤヒヤしたよ」
「リアさん、すごい酔ってましたもんね」
ホントだよ。二、三杯くらいしか飲んでないのにフラフラとかどこのお子サマだよ。ま、実際お子サマなんだけど。この国って何歳から飲酒オッケーなんだ?
「ルイさんが送ってあげたんですよね」
「送りオオカミになる度胸はなかったみたいだけどねー」
そういう言葉はこっちの世界にもあんのな。
「まあ、リアみたいなお子ちゃまを襲ったってしょうがないからな」
「あー、ルイのクセに生意気ー」
リアが頬を膨らませる。だからそれがお子ちゃまだっつの。
「どうせルイはステラみたいなボインボインが好きなんでしょ?」
ボインボインって……。コイツのセンスは昭和かよ。ステラは顔を赤くしてうつむいてる。萌える。
「でもステラが酔う前にアンタが酔っちゃうから、襲うのはムリだね」
「それは間違いないな」
いよいよ恥ずかしそうにステラが身を縮ませていると、最初の一杯がやってきた。今日も遅くなるんかね……。お子ちゃまは飲みすぎんなよ。
最終第六章、ついに開始! ……初回は飲み会でした(笑)。
もう少しで布石も打ち終わりますので、どうかご辛抱を。
個人的には好きなんですけどね、飲み回。




