5-14 次のクエスト、どうしよう?
モンベールを出て少々、ギルドに着くといつものように受付に向かう。いつものように、アンジェラが笑顔でこちらに手を振ってきた。どうでもいいけど、この人いっつもいるよな。ちゃんと休み取れてるのか? 気になったんで、リアに聞いてみる。
「なあリア、アンジェラっていっつもいるよな」
「ああ、だって私アンジェラのいる日しか来てないし」
「あ、そうなの?」
「まあ、大体いつ仕事なのかはもう覚えてるんだけどね」
「なるほど」
フタを開けてみれば、えらい単純な話だったわ。
受付に着くと、アンジェラが声をかけてきた。
「あら、私の噂話かしら?」
「うん、ルイがいつもアンジェラに会えて嬉しいってさ」
「あら、ありがと。うふふ」
まあ、それは事実だから別にいいけどな。
「今日は何のご用かしら?」
「うん、次回のクエストを決めようと思ってね」
「そう言えばこの前は決めてなかったわね。今用意するわ」
依頼書を取りに行こうと立ち上がったアンジェラが、リアに確認する。
「31から35あたりでいいのよね?」
「あ、いや……。今回は26から30でお願い」
「あら? 珍しいわね」
「まあ、たまにはね……」
いや、オバケが怖いだけだろ。気配を感じたのか、口を開こうとするオレをリアが鋭くにらむ。
「ああ、そう言えばそうだったわね」
その様子を見て察したのか、一言残してアンジェラが依頼書を取りに行く。すぐに戻ってくると、机に依頼書をいくつか広げた。クエストを物色するリアだったが、何を思いついたのか突然顔を上げた。
「あ! そうだ!」
「なんだ、どうした?」
「ステラ、さっきのマントつけてみてよ!」
ああ、なるほど。ここならある程度広いからジャマにもならないか。アンジェラにも見てもらおうって事だな。
「あ、はい。今つけますね」
ステラがマントを取り出して、セーターの上から羽織る。こげ茶色で体をぐるりと覆う感じのマントだが、まあビキニアーマーを隠すって目的は果たせそうだな。ふと思ったんだが、更衣室みたいなのがあればそこで着替えすれば済む話なんじゃね? ま、ビキニアーマーはロマンだから、そんな提案をする気はさらさらないけどな。
そんな事を考えている間に、ステラがマントをつけ終わる。うん、なかなかいいんじゃないか? 今時の日本人的感覚だと怪しさ満点な姿だが、ま、あのカッコで街中歩くよりは遥かに……。
「おー、いいじゃん」
「似合ってるわよ」
リアとアンジェラが口々に褒める。しっかし、こんなマントが「似合ってる」ってのは褒め言葉になるんかね……。
「ああ、いいと思うぜ」
「あ、ありがとうございます……」
真っ赤になって照れるステラ。マントを脱ぐ姿がまたエロティックだな。
「よかったわね、ステラちゃん」
「はい、皆さんありがとうございます」
「次回からはクエストの前にここに預けていってね」
うん、これで前みたいに男どもに囲まれる事はないだろうな。再びクエストを物色するオレたちに、アンジェラがつぶやいた。
「そうそう、あなた達にお薦めのクエストがあるんだけど」
「え? マジで?」
「どんな仕事なの?」
興味津々に尋ねるリアは、しかし次の瞬間、その表情を凍りつかせる事になるのであった。
アンジェラさんお薦めのクエスト、一体何なんでしょうか。
まあ、大体見当はつくかな?
次回、リアちゃん葛藤するの巻です。




