2-1 これが夢じゃないとか、悪夢でしょ
みんな、おはよう。よく眠れたか? オレは……どうだろ?
ダメだ、目覚めたのに何にも変わってねえ。クッソボロい部屋のまんまだ。これ、ホントにホントなのかよ……。
とりあえず、これが夢にしろ現実にしろ普段の生活と同じように過ごさなきゃならんって事はわかった。なんか普通に痛いし腹減るし眠くなるし。てかメシはマズいしネットはねえし、こんな状況で生きていけるか!
仕方ない、メシでも食うか……。てか、オレが作らなきゃならないんかよ! メシだの洗濯だのってのは親か誰かがやるもんだろうが! メシなんて作った事ねえよ! 幸いと言うか何と言うか、オレにはこの世界での料理のレシピや作り方の記憶があるんで困りはしないがな。
しっかしメンドくさいなおい。メシって言っても冷蔵庫もない世界なんで、買出しにいかなきゃならないんだよなあ……。ヤベえ、これ本格的にメンドくせえぞ。
この世界についても少し考えないといけないな。てかオレだよオレ! なんでオレはこんな事になってんだ? 主に身体的な意味で!
とりあえず今のオレはルイって名前の金髪のちょいイケメン風キャラらしい。そして事あるごとにこの世界の中でのルイの記憶らしきものが甦ってくるんだよな。今のオレの体はゲームの中のアバターとでも考えるべきなのか? で、その都度甦る記憶はゲームのチュートリアル的なものって事で。
おお、これなら結構うまくつじつま合うじゃん! まあ、オレがこのルイってヤツの身体に転生して記憶も受け継いだって線もなくはないけどな! どちらにしても説得力はゼロだけど!
まあ夢なら夢で、今の自分の設定を押さえておく事は重要だ。ゲームだってそこんところ押さえとかないと楽しみようがないもんな。
よし、決まり! オレは今この「ルイ」ってキャラで『デモグラ』をプレイしていて、この身体はそのアバター、再生される記憶はチュートリアル! これでスッキリしたぜ!
そうと決まれば後は早く目が覚めるなりゲームを終えるなりしてこのクッソメンドくせえ世界から抜け出すだけだ!
というわけで、ルイ君の現状確認・考察パートでした。じ、地味すぎる……。
次のクエストでは活躍してくれよ、頼むから。